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Arms・Front  作者: 白兎
結彩救出作戦
52/120

52話 パートナー

「逃がすか!」


大和は自身の武装を纏いアームを伸ばし目の前の夕立に向けて砲撃する。それを見て夕立の着ていたワンピースが黒いドレスへと変化する。そしてドレスの裾がめくれ中から大鎌が現れ砲弾を切り裂く。


「あはは残念でしたわね」

「っ!はぁぁっ!」


大和は剣を抜き夕立に攻撃を仕掛ける。しかし夕立は大鎌を振り剣を弾いていく。それを見て大和はアームを伸ばし夕立の目の前に砲塔を向ける。


「零距離なら、大鎌を振れない!」


爆発の煙が大和と夕立を包む。次の瞬間煙の中から大和が衝撃波で吹き飛ばされながら姿を現す。

その時大鎌で煙を切り裂き夕立が姿を現す。その時大和は夕立に突き出した筈の砲塔が損傷している事に気づく。


「流石、大和型ですわ」


と自分の破壊された主砲を見て夕立は笑みを浮かべる。


(咄嗟に主砲を突き出して私が砲撃するタイミングで砲撃し防いだのか…しかし…この砲塔はもう使えないか…)

その時上空から急降下し夕立に向けて艦載機が

弾幕を張る。

それを見て夕立は大鎌が装備されたアームの左右から更にアームが伸び機銃が飛びだし艦載機の弾幕を避けながら艦載機を迎撃する。しかし次の瞬間、夕立に砲撃が直撃し爆発が起きる。


「あははっ」


砲弾を直撃しても笑みを浮かべる夕立を見て大和は

(あいつ…狂ってる…)

夕立は砲弾が放たれた場所を見て梨絵がこちらに砲塔を向けている事に気づく。それを見て夕立は四つの黒い球体を服の中から取り出し空に向けて投げる。そして指を鳴らすと梨絵と玖由に二つずつ飛んで行く。玖由の目の前に着弾し黒い球体から陸上型のオーラを纏う人型アルマが現れ梨絵に向かう黒い球体が変化し同じくオーラを纏う飛行型の人型アルマへと変わりそれぞれ二人に襲いかかる。


「お2人はその子達に遊んで貰うといいですわ」

「玖由、梨絵!」

「私達の事はいいですから!」

「大和は夕立を!」

「分かった…!」


大和は剣を強く持ち直し夕立に攻撃を仕掛ける。


爆発音が聞こえ憐斗は立ち止まり爆煙が上がる場所を見る。

(大和…)

「あーもう!羽根、武装を纏って!」

「は…はい!」


蒼嵐は武装を纏い憐斗の右肩を掴み飛び上がる。


「お…重っ…羽根!」

「くっ!」


と羽根も左肩を掴み飛ぶ。


「お…おい!?」

「じっとしてて!落ちるから!」

「あっはい…」

(憐斗の腕…こんなにがっしりしてたくましいんだ…って!何考えているの私!)

その時蒼嵐の手から憐斗の腕が離れる。


「蒼嵐さん!」

「ごめん!」

(もう少し…待っててくれ大和!)


「はぁっ!」

「その程度ですの?大した事ありませんわね!」


大鎌で軽くあしらわれ大和は屋根から転げ落ち地面に叩き付けられる。夕立は屋根から飛び降り足を振り上げる。すると振り上げられた足に刃が展開される。大和を地面を転がり夕立の振り下ろされた刃をかわす。しかし夕立は間髪入れず大鎌を振る。大和は咄嗟に剣を構え反動で吹き飛ばされそうになるのを踏ん張りながら耐える。しかし夕立は足を前に伸ばし大和を蹴り飛ばす。大和は地面を転がり夕立を見上げる。夕立はそんな大和に大鎌を振り上げとどめを刺そうとする。


「大和ぉぉっ!」


大鎌の刃が大和に触れる寸前空から現れた憐斗が大鎌のアームを掴み受け止める。それを見届け蒼嵐と羽根は二手に分かれ梨絵、玖由の救援に向かう。


「憐斗!」

「あら、憐斗様お久しぶりですわ」


と夕立は大和に振りかざした大鎌を戻し左右の裾を持ち憐斗に一礼する。


「何のつもりだ夕立」

「いえ、あなた方に会ってもらいたい方がいらっしゃいまして」

「会ってもらいたい…人だと?」


と夕立の後ろからひび割れた武装を纏い長いマフラーを巻いた結彩が現れる。


「さあ、助けたいのでしたら今ですわよ」

「大和…やるぞ…」

「あ…あぁ」


と大和は憐斗に纏おうとするが拒絶され大和は弾き飛ばされる。


「何!?」

「どうして…」

「やはりですか…今のあなた方は気持ちを一つに出来ていないのです、お互いなにか言いたい事があるのでは無いですか?」

「憐斗…すまない!私が結彩の事を言っておけば憐斗も覚悟が出来てもしかしたら助けれたかもしれないのに…」

「そうだったんだな…でも謝るのは大和じゃない俺は大和が黙っていた事に怒ったんじゃ無なくて自分の無力さに腹が立ちそれを大和にぶつけていたんだ…それに正体が結彩と知ったところで多分結果は変わっていなかったと思う、俺は強く無いからな」

「憐斗…あぁそうだったな、憐斗の弱い所をカバーする為に私がいるんだったな」

「あぁ…行くぞ!大和!」


その時結晶が輝い大和を包みそのまま大和は憐斗に武装として纏う。


「なんだ…今ままでより力がでる…それに砲塔の損傷が無くなってる…」


それを見て夕立は大鎌をしまい


「ここまででいいでしょう」


と指鳴らすと梨絵達を襲っていた人型アルマが消え更に結彩も黒い球体へと戻る。


「えっ…」

「あれはデコイで作り出した偽物ですわ」

「夕立…お前は一体…」

「わたくしはわたくしのしたい事をこころゆくまでするだけですわ」


と今ままでの狂気に満ちた笑みではなく普通の女の子が浮かべて憐斗に語る。そして夕立は姿を消そうとする。その時


「騙したお詫びとして一つお教えしておきますわ、本物の結彩は神戸ですわ」


と夕立は姿を消す。


「どうする憐斗…夕立の言葉を信じるのか?あいつは何を考えているか読めないから危険だと思うが…」

「神戸に行く、それにいつかは必ず行かないと行けない場所だからな…今度は必ず結彩を助ける!」



「はぁ…」


夕立が姿を現すとそこにはマチルダが歩いてくる。


「お疲れ様」

「疲れましたわ…でも悔しいですが今は憐斗様は大和と一緒に居てもらう必要がある見たいですわ、ですがいつか必ず憐斗様をわたくしの者にして見せますわ」

「ねぇ…マチルダ、こちらに戻って来る気は無いのか?」

「到底ありませんわ、それでは」


と夕立は再び闇に消える。


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