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【衝撃】「我が魂は炎となりて破らん!」とか叫んで突撃してきた敵の精鋭騎士団、我が小隊の魔導機関砲一斉射で1時間で全滅してしまう  作者: インフィニティ・G・イプシロン


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【プロローグ】 鋼鉄の陣地と狂気の報告書

絶海の孤島「黒竜島」には、無機質な魔導機関の重低音が響き渡っていた。


ヴェルダン帝国軍の巨大な輸送艦から次々と吐き出されるのは、規格化された装甲板、山積みの魔導砲弾、そして大型魔導重機である。空を覆う排煙は、帝国が誇る圧倒的な工業力と兵站の象徴であった。


王国からこの資源島を奪取してわずか三日。我々帝国軍・第一魔導防衛大隊は、すでに島全体を覆う巨大な防衛陣地「鉄の回廊」の構築を終えていた。海岸線には幾重にも塹壕が掘り巡らされ、有刺鉄線が視界を埋め尽くす。要所には毎分数百発の徹甲弾を吐き出す連射式魔導機関砲が隙間なく据えられ、死角は完全に潰されている。駐留兵力は一万を優に超え、後方には一年間は戦えるほどの莫大な弾薬と糧食が備蓄されていた。


前線指揮所の天幕で、防衛参謀のレオン少佐は携帯魔導コンロで沸かした珈琲を啜った。最前線でも本国と同じ嗜好品が味わえる。これこそデータと合理性を極めた帝国軍の真髄だ。


「少佐閣下。偵察機からの索敵報告が上がりました」


若い副官から報告書を受け取り、レオンは目を細めた。王国軍が反攻に出ることは予測の範疇だが、問題はその中身である。


「……聖イグニス王国軍、東の浜へ上陸。指揮官はイグナシオ将軍。部隊は極光騎士団……」


読み上げ、レオンはカップを置いた。眉間に深い皺が刻まれる。


「おい中尉。暗号の解読ミスか? あるいはゼロの桁を間違えているぞ」

「いえ、索敵班の報告は三度確認しました。間違いありません」


副官は明確に首を振った。

レオンは再度、数字に視線を落とす。そこには軍人として信じがたいデータが並んでいた。


総兵力: 約一千名。


後続の輸送艦隊および支援部隊: 一切なし。


陣地破壊用の重魔導兵器: なし(手にするのは旧時代的な剣と槍のみ)。


補給物資: 背嚢に詰められたわずか数日分。


「正気か……?」


呟きは天幕に吸い込まれた。


一万以上の近代兵力と強固なコンクリート陣地に対し、重火器も補給もない一千の歩兵で正面から挑む。それは戦術ではなく、ただの無価値な自殺行為だ。陽動か、あるいは巧妙な罠かと疑うのが、防衛指揮官としての正常な思考回路だった。


しかし、レオンは王国軍の狂気とも言える前時代的な思想を思い出す。彼らは己の生命力を魔力に変換して体を燃やし、その「精神の輝き」を至高の兵器としているのだ。「高潔なる魂の熱量は、いかなる鉄壁をも溶かす」という非科学的な教義のもとに。


「……まさか本当にその『精神の炎』だけで、我が軍の陣地を突破できると信じているのか」


呆れを通り越し、狂信に対する薄ら寒さを覚えた。彼らには火力差という現実が見えないのだ。


「……全砲門に徹甲魔導弾を装填しろ。連射砲の冷却水も限界まで補充しておけ」


レオンは冷徹な声で命じた。


「敵がどれほど高潔な精神を持っていようと構わん。我々はただ、冷たい物理法則に従い、彼らを肉片に変えるだけだ」


数時間後、夜の闇に紛れ、無謀な光の騎士たちが進軍を開始する。

それが、史上類を見ない一方的な殺戮の幕開けであるとは知らずに。


©2026 [インフィニティ・G・イプシロン]. All rights reserved.

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