第9話 女神と一緒だから良いんじゃない
「って言うか、淫行条例違反っていったい何の話なのよぉ? 私達が行こうとしてる場所だったら、子供たちだって普通に良く来る場所だよぉ?」
「こここ子供ぉぉ!?」
「うん、小学生」
「しょしょしょ小学生ぃぃ!?」
「当然じゃん!」
「ガビーン!!」
「ねぇ、ちーちゃん。私十七年生きて来たけど、会話の途中でガビーンって言う人に初めて会ったよ」
「そっ、そうか。それはおめでとう……。いやいや、この際そんな事はどうでも良くて。それよりも、ソコは小学生でも入れると言うのは本当の事なのか? いや、私も入った事は無いのだが、通常そう言う場所は、成人の男女が夜陰に紛れて人目を忍び、二人っきりでコッソリ、シッポリと入るのが定番と言うものでは無いのだろうか?」
「あ~ね。確かにそうかもぉ。結構カップル多いし」
「やっ、やはりな。やはりそうであったか。あぁ、さもありなん、さもありなん。流石の私もそのぐらいの裏事情は知っているつもりだ」
「でも休日なんかだと家族連れも多いよ?」
「かっ、家族連れっ! かかか、家族で? 家族で入って一体何をすると言うのだ? と言うか、家族で入っても本当に大丈夫なのかっ!」
「そりゃそうだよぉ、気持ち良くなりたいのは大人も子供も関係無いからねぇ」
「くぅぅっ! 一体この世の中はどうなってしまったと言うのかっ、家族連れが家族で入って家族を増やすっ! この国の少子高齢化は全くの杞憂だったと言う事なのだろうか!?……って言うかオイ、ちょっと待てよ? 流石にそれはオカシイだろ? なぁ紬。お前はいったい何処に行こうとしているんだ?」
「え? 銭湯だよ。スーパー銭湯。だってさぁ、さっき抹茶ラテこぼしちゃったから、体がペトペトするんだよねぇ」
「あっ……あぁ……そう言う事。ははぁぁん。そう言う事ね。なるほど、なるほど。まっ、まぁそうだよね。こんな時間からいきなりそんな所に行くなんて、オカシイものな。うんうん。いやいや、参ったな。これは流石に私の落ち度だ。ついお前の事だからとんでもなくエロい事でも考えているのかと思って余計な妄想を膨らませてしまったよ。いやぁ面目ない。これではお前の事をエロいだなんて言えなくなってしまったなぁ。いやいや、心より謝罪させて頂くとしよう」
「うん。いいよぉ。分かってくれれば」
「そ、そうか? それは良かった。ただなぁ、最近のスーパー銭湯はとても素晴らしいと聞き及んではいるが、とは言え、そこまで人を幸せにするものなのか? あぁいや、大きなお風呂が気持ちの良いのは良く知っている。私も温泉の類いは大好きな方だからな。ソコの所を否定するつもりは全く無いし、むしろ賛同していると言っても過言では無いのだが、ただまぁ、二人とも体操服の状態だし、寄り道せず早く家に帰って自宅の風呂に入った方が良いのでは……って。あぁぁぁぁ!!」
「どうしたの? 急に大声出して」
「いや、急に分かった。全てを理解したわ。って言うかこれ、要するにお前が幸せになれるって事……なんだろ!?」
「ピンポーン!! 正解ですっ!」
「何が正解だよっ! やっぱお前がエロエロなだけじゃねぇかっ! って言うか、単に百合のお前が女湯に入りたいってだけの話なんじゃねぇのかっ!」
「えぇぇ! 違うよぉ」
「どっ! 何処がどう違うって言うんだっ!?」
「私が入りたいのはぁ、女湯は女湯でも、ちーちゃんと一緒に入る女湯なんだよっ! うふふっ!」
「くっ! コイツやっぱり神かよっ!!」




