第31話 スレンダー系も良いんじゃない?
「うぉぉい! 千春ぅ! 今日こそは正々堂々と勝負だあっ!」
「今日こそはって……いつもは真剣勝負じゃ無かったのか?」
「ぐぬっ! ちょっと乳がデカいからって、人の上げ足を取るんじゃないっ!」
「いやいや、乳の大きさと、上げ足を取る事とに、いったい何の因果関係があると言うんだ?」
「ぐぬぬっ! あっ、あるったらあるんだよっ! とにかく、今日の徒競走は負けないからなっ! 顔洗って出直して来いよっ!」
「おいおい。それを言うならせめて、首洗って待ってろっ!……だろう? ホント、真琴はおっちょこちょいだなぁ。最後の捨て台詞を間違えるのって、マジで恥ずかしいからヤメテ欲しいんだけど」
「真琴ちゃんはホントいつも元気いっぱいだねぇ。それに真琴ちゃんの場合はボケたんじゃなくて、本気で言ってるって所が逆に凄いよねぇ。たぶん、乳の事も結構気にしてるんだと思うよぉ」
「紬ちゃん。真琴ちゃんって、アレ本気で言ってたんですか?」
「そうだよぉ。真琴ちゃんは正直者な上に天然だからねぇ。それに先週の千五百メートル競走で、ちーちゃんに負けたのがよっぽど悔しかったんだと思うよ。なにしろ現役の陸上部が茶道部に負けたとあっちゃあ、先輩たちに顔向けできないもん」
「あぁ、そうでした、そうでした。千春ちゃんったら、確か四分台叩き出して、クラスの中でも男女合わせて一番でしたからねぇ」
「そうなんだよぉ。ちーちゃんったら、中学の時は陸上部で中距離ランナーだったもんだから、もともと千五百メートルは得意なんだよね。でも今日の徒競走は百メートルと五十メートルだからなぁ。短距離が得意な真琴ちゃんの方が有利って感じかもね」
「なるほどぉ。となると、今日の二人の戦いは見ものですねっ!」
「そうだよっ、スタミナに定評のあるフタコブラクダのちーちゃんVS、スッキリ細身でスレンダー系美少女の真琴ちゃん! これは見逃せない戦いになるよっ! 幸いな事にウチの学園は身長順じゃなくて、自己申告による過去ベストで組分けされるから、確実にちーちゃんと真琴ちゃんのバトルが見られるって訳なんだよ。ちなみに、パル子ちゃんの五十メートルのベストタイムは何秒?」
「あぁ……私、だいたい八秒台前半……ぐらいですかねぇ」
「おぉっ、結構早いじゃん」
「でも、男子枠だとちょっと遅い感じですよぉ。紬ちゃんは?」
「私は大体八秒台後半……なぁんて言ったけど、結構九秒ギリでなんとか切ってるって感じかな。って事は、パル子ちゃんと私は割と最初に計測が終わっちゃうから、二人で一緒にちーちゃんを応援する事にしようか」
「良いですねぇ。是非そうしましょう!」




