第30話 礼儀って大事じゃない?
「そんな事よりパル子ちゃん、今日はどんなパンツはいてるの?」
「おいおい紬ぃ、いきなりな話題展開だな。それではまるで、トチ狂った中年変態オヤジとさして変わらんぞ! しかも……コラコラコラァ! 私がまだ話している途中なのに、パル子のスカートをめくろうとするんじゃないっ!」
「良いじゃん別にぃ、だって友達同士なんだしぃ」
「何を言っている、親しき中にも礼儀ありと言うだろ? パル子も困ってるじゃないか。それに、今から着替える訳だし、わざわざめくらなくてもおのずと分かる事だろうが」
「いやぁ、だってさぁ。本人に断ってから見るのと、陰からコッソリ見るのとでは、ちょっと意味合い違くない? 私はもっと正々堂々とパンツが見たいんだよっ!」
「なんなんだその清々しいほどの開き直りはっ! いやまぁ、確かにそうだけども。だいたいお前、パル子に何の断りもなくスカートをめくろうとしてただろ?」
「そっか、スマン」
「いや、素直かっ」
「って事でちーちゃんの許可も出た事だし。パル子ちゃん。今日のパンツ見シテ。ちなみに、私のはピンクのレースだよ」
「いやいや、私は許可など出しておらんぞ。それに、パル子のパンツを見るのに、なぜ私の許可が必要なんだ」
「ちっ、千春ちゃんが良いって言うんだったら、見せても良いよ」
「コラコラ、パル子。お前まで何を言っている?」
「だって、千春ちゃんが良いって言ったから……」
「言って無いわ! って言うか、いったい私にどんな権限があるって言うんだよ」
「まぁまぁ。ちーちゃんも落ち着いてよ。ようやくパル子もパンツを見せる気になったんだから、今日の所はこのぐらいで許してやろうよ」
「くっ! いつの間にか私一人が“分からず屋”的な感じになっちゃってるじゃないかっ! なんか腑に落ちんぞっ!」
「ほえぇぇ。パル子ちゃん。ボクサータイプなんだぁ」
「おいおい、私の話を聞いてたのかっ!?」
「そうなんですよぉ。流石に女子の下着は色々と収まりが悪くって」
「パル子も完全無視かっ!?」
「なるほど、なるほど。そりゃ女子の下着だと収まらないよねぇ……」
「そうなんですぅ……」
「ねぇ、パル子ちゃん」
「はい、なんでしょう?」
「そのパンツの中……どうなってるのか……見せてくんない?」
――ゴリッ!
「痛ッ! 痛いよちーちゃん! 流石にそれはあんまりだよっ! 手刀は手刀でも、平手で叩くんじゃなくて、手の側面で……こうっ……ゾリって、ゾリってコスるヤツは反則だよっ! それ、派手な音が出なくてツッコんだ感が無い上に、痛みだけは結構後を引くって言う、関西ではボケ殺しと呼ばれる禁断の技なんだよっ!」
「そんな禁断の技、知らんわっ! って言うか、流石にそれは友達でもダメだろう」
「えぇぇ、そうかなぁ。ねぇ、パル子ちゃんはどう思う?」
「うぅんとぉ。ちっ、千春ちゃんが良いって言うなら……」
「だぁ、かぁ、らぁ! いったい私になんの権限があってその許可が出せるのかって聞いてるんだよっ!」
「って事で、ちーちゃんの許可も取れた事だしっ!」
「おいおい! 私は許可なんか出しておらんゾ!」
「いそいそ、イソイソ」
「コラ、パル子っ! “いそいそ”と口で言いながら、パンツを脱ごうとするんじゃないっ!」
「ぬぎぬぎ、ヌギヌギ」
「コラコラ、紬っ! お前まで対抗して脱がんでよろしいっ!!」




