23 ごみからキセキ♡
「びっくりでしょぉ♡ 桃じゃなくて、ゴミから生まれたのぉ♡」
「生まれたって、前向きですね」
普通は“捨てられた”と思うところだ。
「万里華さんのお母さんが明るい元気な方ですからね」
「でしょ♡ 万里華、戸籍を見るまでゴミから生まれたの嘘だと思ってたもんっ♡」
「嫌。 正確にはゴミから産まれてませんけどね」
冷静にツッコむ。
「まぁまぁ♡ 発現のきっかけがあるとしたら、そこだと思うの♡ あ! その時、万里華を拾ってくれた助産師さんが育てのママだから変な気遣い無用よ♡」
「貴女は、幸運です!!」
ジャンが隣で感動している。
ゴミから見つけてくれたのが助産師さんでなかったら、呼吸の確認もされず、温めてもくれず、そのまま亡くなっていた可能性が高いだろう。
「あら♡ 万里華は、ママが幸運を掴んだと思ってるわよ♡ 」
方隆が頷き、ジャンが首を傾げている。
「万里華さんのお母さん。 正夢ドリームの最初の方ですもんね。」
ジャンがその言葉に気付く。
「いつからデスか?」
「ん~♡ 万里華ねぇ。 幼稚園の頃からママに話してたわよ♡ 正夢っ♪」
「Oh my God!!」
とっても突っ込みづらい話かと思っていたのに最終的に一攫千金みたいな話になっている。
正夢ドリームがなくても明るく楽しい人柄だろうと想像してしまう。
… … … …… …… … …
PRURURURUURU
「京さん! やっと見つけたわ。」
時子の前で電話に出た京志郎は、受話器の向こう側にいる澪の顔が思い浮かぶようだった。
「なんだい?」
京志郎は、時子と話していた会話を伝えることはしなかった。
京志郎にとっては、忘れられない妙な事件であり、縁でもあるが、澪にとっては、長年、探し続けた因縁の相手だ。
「動物虐待事件の同じ地域で能力発現した人と当時の現場には無かったり、落書きと判断されて気付けなかったりした場所に花丸が複数一致した。 能力者達の話と動物虐待の犯人達からの話でも神前らしき人物と合致したの。 つまり、神前あたるは能力者を意図して作っていた。 終わってないって言われたのも能力者を作り続ける必要があったからだった。」
「うん。 頑張ったね。 澪ちゃん。」
京志郎が澪の25年を噛みしめる。
「…っ京さん…。 私、どうしたらいいの…。」
戸惑いを隠せない澪。
憎むべき相手は、命を奪い過ぎた。
憎むべき相手は、許すことのできない行いをした。
憎むべき相手は、人であった。
憎むべき相手は、親であった。
憎むべき相手は、助けたい人がいた。
「25年…。 いよいよだね。 澪ちゃんがすべきことは決まっているのだろう?」
気持ちを落ち着かせて、呼吸を整え、冷静さを取り戻していく澪。
すぅーっ…
「…京さん。 私の手で終わらせてくるわ。」
「時さん。 …は、もう知ってるか。 明日の雷雨って…。」
澪との電話が終わった京志郎が時子に伝える。
「どうだかね。 ほれ。 あの坊やが絡んでるだろう。」
京志郎が微笑む。
「僕も早く会ってみたいな。」
冷めたコーヒーを飲みながら、時子と談笑を続ける。
… … … … …
円が広がり、その中から遥絆がひょこっと顔を出す。
「あーにぃ♪♪」




