11 対話
11 対話
国会でそういった議論が交わされていたちょうどその頃、小さな男の子と二匹の仲間が、やっと宇宙大怪獣=なんでもたべちゃうゴンのもとに到着する。
小さな男の子たちが近づいてきたとき、なんでもたべちゃうゴンは、自分の指先ほどの大きさの彼らを見て絶望的に思う。
(また、ヘンなのがやってきた! また子供だ! しかも、さっきの小学生よりも、もっと幼い!)
宇宙怪獣が、ホッ、とため息をつく。
(ヤレヤレ、困ったことにならなければよいが……。オレさまは、どうも子供が苦手とみえる!)
弘左衛門に、なんでもたべちゃうゴンの巨大な頭の上を三度旋回させ、敵意がないことを態度で示してから、小さな男の子が宇宙大怪獣に話しかける。
「ねえ、怪獣さん。話があるんだけど」
「なんだね」
なんでもたべちゃうゴンが答える。
「だいたいの内容は想像がつくがな」
「そう! それなら話が早いや」
小さな男の子が続ける。
「だったら、お願いするよ。これ以上、トキオの街を壊すのをやめて欲しいんだ。もしキミが本当になんでも食べられるんだったら、どこに行っても暮らせるはずでしょ?」
すると、なんでも食べちゃうゴンが答える。
「オレさまは銀河系のある星で生まれた。山もあり、谷もあり、小川もある。つまり、オレさまにとっての食料が、その星にはいくらでもあったたわけだ」