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生還

大幅加筆修正予定あり

 ECTの医療施設の内で金糸のような髪をした妙齢の美女が生命維持装置に繋がれた少年を心配そうに見つめながら医者に話しかける。

「彼の調子はどう……?」

「術後の経過は安定していますが、本当によろしいんですか?」

「ええ、もう彼は化け物じゃないのだから……」

「しかし、一度は我々が処分しようとしたんですよ? 素直に言う事を聞いてくれるかどうか……」

「そうね……でも、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、きっと彼も私達の仲間になってくれるはずよ」

 彼女は眠っている聖也の頬をそっと優しく撫でるその部屋を出た。誰もいなくなったはずの部屋で一つ影が揺れる。

「冬川くん生きてたのね。これは村上さんに報告しないと……」

影は再度揺らめくとその姿を消した。


「聖也は無事なんですか!? 私の聖也はどこに……!」

「術後の容態は安定しています……ただ目を覚ますのにはもうしばらく掛かるかと……」

「ふざけるな! こんな所で息子がまともな医療など受けられるはずがない! 聖也は別の病院に連れて行くぞ!」

 夫婦と見られる男女が医者と揉めていると先程の金髪の女性が男女の元まで歩いてくる。

「……聖也くんのお父様とお母様でよろしいですか?」

「そうですが……貴女は?」

「失礼致しました……私はECTの常務をしている久月(ひさつき)麗華(れいか)と申します」

「ECTの常務の方が何の用でしょうか……?」

「聖也くんの容態が悪化したのは警戒を怠った事が原因です……まさか彼の友人の天野朔玖くんがあのような事をするとは想像に及ばず申し訳ありません……」

麗華は地面に正座するとそのまま土下座して謝る。

「やめてください……そんなことで息子が治る訳じゃありません」

「我々に息子さんを治す機会をもう一度下さい……今後は一層の警戒をして完全な治療をしますので……お願いします!」

聖也の父が腕をとって麗華の身体を起こすと顔を上げ両手で手のひらを包み込むと泣きそうな瞳で彼と視線を交わし懇願した。

「アナタ……この人もこう言っている事だし」

「そうだな……次、聖也に何かあったら絶対に許しませんよ?おい、帰るぞ!」

「ありがとうございます……!」

 麗華は感謝の言葉を告げ夫婦の姿が見えなくなるまで頭を下げ続けた。

「わざわざ久月常務がそこまでしなくても……」

「何を言っているの?貴方は自分の子どもが死にそうになっても同じ事を言えるかしら?大切なお子さんの命を預かってる事を自覚しなさい!」

「こんにちは、麗華さんこんなところで何をなさってるんですか?」

「あら雅ちゃん来てたの?ちょっと被害者の両親が来ていてね……そういえば、雅ちゃんも国津高校だったわね?冬川聖也くんって知ってるかしら」

「同じクラスの冬川くんが被害者なんですか?」

「ええ、うちの人間がすぐに駆けつけたのだけど、その時には化け物になった彼の友人に胴体を貫かれていてね……意識不明の重体よ」

「冬川くんがそんなことになってるなんて……化け物になると友人の区別もつかないんですね」

「悲しいけどそうなるわね。新たな被害者を生まない為にも私達が総力あげて化け物を殲滅しないと……」

「話の途中で悪いのですが、親が心配するのでそろそろ失礼しますね」

「そうね、時間をとって悪かったわ。今度来る時は教えてね、お茶菓子を用意して待ってるから」

 雅がECTのビルを出ると帰り道とは別の道を歩いていく。日が落ちて暗くなった森の中にそのまま入ると後ろから何者かが付いてくる。尾行されてる事に彼女が気付いて立ち止まると後ろにいる者も歩みを止めた。

「わざわざお迎えに来てくれたの?」

「最近、この辺りは化け物が多くて物騒だからね」

「でも、私には刃核があるから」

「雅ちゃんの能力は認めるけど、一人は危険過ぎるからね……それに誰かに見られたら隠しきれないでしょ?」

「そのくらいわかってる……ありがと」

 雅はそっぽを向いて小さく呟く。

「ん、何か言った?」

「んーん、何も言ってない」

 二人は楽しそうに話しながらゆっくりと神社に向かった。

Data

冬川

Age 16

Blood O

Weapon オルコス&ヴァーサノ

Capa 820

Speed 600

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