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第十話・ストリートのおきて

遂に10話目突入ですね!

近々、小説のメンテナンスをしたいと思っています。

それによって、誤字の修正等はもちろんの事…

自転車用語や、読みにくい漢字などに読み仮名や注釈などを入れて、

自転車に興味が無い人や漢字が苦手な方々でも楽しんで頂けるようにしたいと思います!

●浅羽市立浅羽第二高等学校●


剛『後1秒なんだけどなぁー…』


剛は教室の窓から空を眺めて呟いた。


?『後一秒って、何が?』

剛『カミカゼのメンバーになる条件だよ。』


石田典子(いしだのりこ)

剛のクラスメイト。

気が強く、怒らせると怖い。

自転車で競走する事に興味は無いが

乗っているママチャリは大事にしている。


典子『カミカゼ…あぁ、あの自転車の同好会みたいなヤツね!』

剛『宝野公園で練習したり、競走したりしてるんだよ。』

典子『最近流行りだしね。それにしても

   剛がゲーム以外の趣味で続いてるなんて珍しいじゃん!』

剛『自転車は楽しいんだぞー!』

典子『今日は部活無いから、見に行ってあげるよ。』

剛『ちぇ、上から目線なんだからよ。』


●宝野公園●


翔太『来たか、剛!』

孝『あれ、アイツは石田じゃねぇか?』

剛『あぁ、カミカゼの練習風景が見たいってさ。』

孝『入団してくれたら、紅一点なんだけどなぁ。』

翔太『何言ってんだよ。

   あの子が乗ってる自転車、ママチャリじゃん。

   多分、バトルとかはやってないよ。』

健吾『さて、始めるとするか…!』

翔太『先輩が練習を始めた事だし、ボクも練習してくるよ。』


翔太はマシンに(またが)り、コースに出た。


孝『ギャラリー増えてきたよなー…少ない日でも3人はいるぜ。』

剛『だよなー、今日は…5人かぁー。』

ギャラリー『ドリフトやってー!』

孝『練習始めっか。』

剛『おう!』


剛と孝も練習を始めた。


ガガガガガガガーーー…(翔太の走行音)


翔太(速い…誰だろう?)


翔太は宝野公園で練習している一人の男が気になった。


翔太(カミカゼ以外で練習している奴なんて、久しぶりだな。)


宝野公園はカミカゼの物というルール等は無い為、誰でも練習する事ができる。

しかし、高難易度な宝野をレベルの高いカミカゼメンバーと一緒に走ると

遅すぎて笑い者になってしまう為、実質的に走る事ができる者は少ない。

その為、平凡なサイクリストはカミカゼのいない時を見計らって練習をしている。


翔太(クロスバイク…いや、違う。

   あれはフラットバーロードだ!)


翔太は速度を上げた。


翔太(気になる!ロードでこの宝野公園を走ってるなんて…!)


――――――――――――――――――――――――――――――


孝(剛の奴、IGAサイクルの一号店に

  行って帰ってきてから、脚力がかなり上がったな…!)


剛(このコーナーで、タイヤを滑らせる感覚が掴めたら…!)


ズサアアアァァァ!

剛がチャリドリを繰り出した!


?(へぇ…あの時よりも無駄が減ってるな。)


この時、剛、孝、フラットバーロードの男は木の根の後の左コーナー。

翔太はホームストレートからの左コーナーに居た。


翔太『み、見えてきたぞ!』

  (赤いフラットバーロード…どんな走りをするんだ…!?)


翔太が謎の男の後ろに迫ってきた。

そして、謎の男は孝の後ろに迫っていた。


孝(ふわー、ド迫力のドリフトだな…!)

?(立ち上がりも、チャリドリとは思えないな…。)

翔太(後ろから観察しよう…!)


四台、縦に並んで長い直線を走っている。

前から順番に、剛・孝・謎の男・翔太だ。


市雄『すげーなぁ…』


四台が高速で走り抜けている様子を

片隅のベンチで見ていた市雄は思わず呟いた。

その走りを見て、ギャラリーも盛り上がってきた。


典子(あれが剛…?ちょっと前まで

   家でごろごろしてた様には思えない!)


剛(やっぱ、この坂が中途半端にキツいな…。)

孝(とはいえ、直線速度はまだまだだな。)

 『おーい、追い抜いちまうぞー!剛ー!』


孝の自転車がじりじりと剛に迫る…!


剛『く…く…』


スーッ


接戦をしている剛と孝の横を一台の自転車がすり抜けた。


?(直線は大して早くないな。)


孝『な!?』

 (誰だこいつ!)

剛『え…!』

翔太『あっ!』

  (追い抜かして行った!)


フラットバーロードの男だった。


孝『さ、させるか…!』


孝もペースを上げ、さっさと剛を追い抜いて行った。


翔太(逃がすか!)


翔太も後ろから凄い勢いで剛を追い抜いて行った。


剛『かあぁー!』


この時、孝と翔太の速度は36キロだった。


剛(くそ…!オレも頑張らなきゃ…!)


剛も頑張ってペースを上げた。


謎の男、孝、翔太は曲がりくねったコースに突入した。


?(やっぱり、追い上げてきたか。

  このまま帰らせてはくれないだろうな。)

孝(フラットバーロードか…!)

翔太(ロードバイクながら、フラットバーのお陰で中々安定性が高い!)

孝(あんなスラスラ曲がるなんてな…付いて行くのがやっとだ。)


剛も曲がりくねったコースに突入した。


剛(来たぞ!行くぜー!)


ザーーッザーーッ

剛はS字状のコースをS字ドリフトで抜けて行った。


市雄(な、なんだありゃ!?

   カーブを流しで走り抜けている…!)


典子(自転車で、あんな事が…?

   そ、それ以前に剛にあんな事が!?)


翔太(後ろで凄い音が…!?)

孝(剛め、追い上げてきたな。流石、チャリドリだけは別格だぜ!)

翔太(な、何なんだこの走りは!?)


健吾(なるほどな…二輪ドリフトの応用技術…

   後輪の荷重は思いっきり抜いて、前輪を軸にくいっと高速に曲がる…

   ただ、前輪に横の摩擦があるとロスになるから

   軸にしつつも、そこからさらに滑らせて無駄を省いている訳だな…!

   チャリドリに関しては…天才としか言いようが無いぜ…剛よ!)


剛(よし、追い付いた!)

孝(ジャイロ効果で曲がるのは、無駄が多いって事なのか…!?)

翔太(ボクの中での常識が、音を立てて崩れたよ…。)

?(別府剛…なんて男だ!

  何故チャリドリで、ああまで速いのか…全く分かんねえ!)

孝(スーパーダートだ…!)

?(さて…難関だな…!)


謎の男は岩の間を上手くすり抜け脱出。

しかし、速度の為か余裕があった様には見えなかった。

孝はいつも通り、ごり押しで脱出。

翔太も岩の間をすり抜けて脱出。

慣れている為、見事なまでに綺麗な避け方だった。

剛は岩で大きく減速、集団から大きく離された。


剛(ここはいっつも遅いんだよなー…!

  なんであんなに速く抜けられるんだ…!?)


孝(やっぱり、チャリドリ以外はひよっこだな!)


健吾『誰もやらねーなぁ、スキッドブロック。』

市雄『そりゃそうだよ。あんなの、お前にしかできっこない。』

健吾『だいぶ成長したけど…まだまだだな、孝も翔太も。』


ポール地帯を抜け、ヘアピンに入った。


?(減速、変速、加速…この三原速(さんげんそく)をきっちり守って、アウトインアウト…!

  当たり前の事を当たり前に熟すには、フラットバーが一番だ…!)


レイトブレーキング、同時に変速、コーナー終盤からの強烈な加速…!

このヘアピンで、遂に孝と翔太は謎の男に逃げ切られてしまった。


孝『なんてコーナリングだ!

  強烈な突っ込み!そして、その勢いを殺さない立ち上がり…!』

翔太『フラットバーロードの強みを最大限に生かした、無駄の無い走りだ!』


孝と翔太がゴールした時、既に謎の男は自転車から降りていた。


?『久し振りだな。』

翔太『お前は…!』

孝『西名インペリアルズの、形見義明(かたみよしあき)!』

市雄『げっ!?』

義明『市雄、久しぶりだな。』

孝『あ、そういえば…この前の交流戦で

  野原先輩を負かしたのって、義明だったっけ。』

翔太『孝、穿(ほじく)り返すな!』

市雄『うぐー…。』

翔太『そのマシンで、この宝野公園を走るなんて…しかも、あんなに速く!』

義明『その言葉、そっくりそのままお前に返すぜ翔太。

   ドロップバーでこの悪路を攻める方がハードだと思うわ。』

孝『しかし、最後のあのヘアピンはなんだ!

  あそこであんなキレた曲がり方、森田先輩のペダルターンしか…』

健吾『義明は、インペリアルズのリーダー、雅人と同じく

   無駄の無い走りをする、あいつと違うのは

   雅人がパワーとスピード、そして変速技術重視なのに対して

   義明がブレーキングとコーナリング、加速力重視な点だな。』

剛『はぁ…はぁ…』

翔太『お疲れ様。』

孝『そのマシン、あんまり見ないメーカーだな。』

翔太『そうだ、前から気になってたんだ。見せてくれないかな。』

義明『いいぜ。このマシンはJANGGOK(チャンゴク)社のELFA(エルファ)だ。』

孝『JANGGOK?やっぱり、聞いた事無いや。』

義明『JANGGOKはこの辺りじゃだいぶマイナーだからな。

   不買運動とかもあったし、この国では毛嫌いされてるんだ。』

翔太『クロモリフレームに、コンポーネントは…』

義明『このマシンはフロントディレイラーは無い。

   リアディレイラーだけで、6速だけだ。』

孝『何で6速しかないんだ?』

義明『脚力があれば、それほど多くの変速は必要ない。

   だから、無駄を省いた6速って訳さ。』

孝『シンプルなんだな…しかし、たった6速であの走りを…。』

義明『そんな事言ってたら、シングルスピードはどうなるんだ?』

市雄『オレも練習してくるよ…。』

翔太『もう一度、ここを一周してくれないか?

   キミの走りをもっと見てみたいんだ!』

義明『悪いな、これからバイトがあるからさ。

   バイト先に行く途中にここ通るから

   なんとなく走ってみてただけなんだ。』

翔太『そっか…なら仕方ないよね。』

義明『そうだ、言っておきたい事がある。

   別府剛、近年、稀に見るチャリドリスト…か。』

剛『オ、オレ?』

義明『次にオレがここに走りに来る時

   カミカゼのメンバー全員とバトルする。』

剛、孝、翔太『え!?』

義明『その時、今日みたいにヘボかったら…承知しないからな!』

剛『…?』

義明『チャリドリばっかり速いんじゃ駄目だ、トータルに全部熟せないとな。

   それが、競輪とかトライアルと、公道(ストリート)の違う所だ!』

剛『…おう!』

義明『それじゃ、オレは帰るから…

   しっかり練習して、強くなっといてくれよな!』


義明はそう言い残すと、宝野公園を後にした。

☆マシン図鑑☆

MAXREV・(マックスレブ・)BLACKLINE(ブラックライン)

 MAXREV社のフラッグシップモデル。

 加速と最高速度を追求したフルカーボンロードバイク。

 市販状態ではこれより優れたスペックのマシンはほとんど存在しない。

 軽量さによる操縦性やコーナリング性能も高い。

 新車価格は689000円。

搭乗者・風見刻斗(かざみこくと)

カラー・カーボン

刻斗仕様…タイヤとホイールはさらに上級な物へ変わっている。

     それ以外は殆どノーマル。

※自転車、およびメーカーは全て架空の物です。

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