第11話「静電気って静がつくのにそんなことない」
「・・・これは逃げないといけませんね」
「どうやってこの状況から逃れるか考えるだけでお腹痛いです」
「逃亡勝利条件はヘクトさんおよび私が城へ無事に帰還すること、敗北条件は・・・・・死」
「なにそれ怖い」
* * *
「魔王の部下!あなた達に私の大切なものを壊させるわけにはいきません!」
「いえ私達が壊そうとしたブツは間違っても貴女にとって大切なものではありません」
「・・・はい?」
「スーウィンさん自重!時々貴方が天然なのか黒いのか分からなくなってくる!!」
「私変なこと言いましたか?」
「いえ・・・別になんでもありません・・・」
私がぐったりと項垂れるとスーウィンさんは不思議そうにした。
本当に貴方という人は・・・ハァ、
「いい加減ふざけるのは止めなさい!私は真剣です!」
「まぁ、うん、確かに傍から見たらふざけてるように見えますよね」
「一応、こちらとしても真剣なんですけどね」
「間違った方向に」
「この・・・ッ!!」
堪忍袋の緒が切れたのかトウカは持ってる剣で斬りつけてきた。
「うわっ、ちょっと落ちついてください!」
ヘクトはそう言いながらトウカに向かって軽く腕を振る。
「きゃっ・・・!」
すると腕全体から流れるように青白い電流が迸りトウカの足元を焦がした。
「ヘクトさんそれはさすがに危ないです」
「いや、でもさすがに斬られたら痛いですし」
「それもそうですね」
「いや納得しないでください、確かに言ったのは私ですけど納得しないでください。」
そこできょとんとしないでください、美人の気の抜けた顔とかただの目の保養です。
まったく・・・・・本当にありがとうございます。
「それじゃあこの隙にさっさと逃げますよ!」
「了解です!皆さんそれではまた逢いましょう」
「ヘクt「ザクセンてめぇには言ってねぇよ、むしろ二度と面見せんじゃねぇ」
見事にフリーズしたザクセンの野郎を放っておいて私達は窓から飛び出した。
ちなみにこの部屋が実は結構高いところにあるのを思い出すのは落下しているときである。
ヘクトさんはなんの魔術師?
ヘクトさんは雷系統の使い手です。