第七章 砂の記憶
政府の兵士達が一つの部屋を開けると・・。軍政府から配布された、豪華な部屋でのんびりとくつろいでいるシト達を見つける。
「いつまでこんな事を繰り返してるつもりですか?理事達からも催促を受けておりるのですよ!」
軍政府が世界各地の部署にいるレキや逃亡機械人形達の排除を行っている機関。しかし一向に捕まらないレキに対しての取り締まりが激しくなっている。
「ゲームってのは楽しんでやらないと」
「これは軍政府直々の命令ですよ!!」
軍政府から来た使者は怒りに体が震えている。
「まぁ近いうちにレキ・D・キサラを捕まえて見せますよ」
楽しそうに笑うが、目はちっとも笑っていないシトを見て、使者はシトと言う人物を怖いと思った。
「レキ!ちょっとこっちに来てくれよ!」
砂漠をいつも通りに歩いていた時、シンは砂に向かって何かをしている。
「ここに何かいるんだよ」
シンが砂を少し掘り起こすと、下からは布が出てきてその下で何かが動いた。
「子供!?っと犬?」
布の下から出てきたのは、少しやつれてはいるが確かに人間の子供が眠っている。
「お前何であんな所に居たんだ?」
ひとまず子供を安静に寝かせる場所に移して、子供が目を覚まし喋りかけると最初は怯えていた子供だが自分に危害を加えないようだとわかると喋り始めた。
「名前はジュリって言うの、東の方から来て・・お母さんがこっちの方に働きに行ってるから」
ジュリと言った子供は、7歳になる少女でテンパの焦げ茶の髪と同じ色の瞳。少し痩せ気味の小さな子犬を抱きしめている。
「お母さんいつも手紙を送ってくれてたのに・・2年前から手紙が来なくなったの、村のみんなは行くなって言ったけど」
「どうして村のみんなはどうしてそんな事をいった?」
「みんなはね、無駄だって・・どうしようもない事だって」
涙を溜めながら話してくれたが、しばらくするとまた疲れたようにジュリは体を丸めて眠りについた。
「レキどうする?」
「ほっとくわけには行かないだろ?明日には近くの村に着くから」
朝一に置き3人で近くの村へと向かい、正午が過ぎるくらいには村に着いていた。
「ここでジュリとはお別れだ」
「え?」
ジュリは不安そうな顔で俺達を見上げるが、自分の村に帰るんだ。
「嫌だよ!お母さんに会いに行くんだよ!?」
ジュリはついには泣きながらレキに言う、横で犬がクゥンと心配そうにジュリを見つめる。
「子供が一人で旅をするなんて危険だ・・・村のみんなも君のことが心配してるはずだよ」
ジュリはしばらく地面をじっと見つめて・・。
「・・もうちょっと待ってみる、お兄ちゃんが言うように村へ帰ってお母さんが帰ってくるのを・・」
俺達はジュリの村の方向へ行く旅の者にジュリを近くまで乗せってくれるように頼んだ。
「なぁレキあんたがそんなに優しいんだって思わなかったよ」
レキの手にはジュリから預かった、母親とのペアの黒色の石のペンダントがあり。シンは嬉しそうにレキに話しかける。
「優しい?」
「うん、だってあの子を助ける結果にはなったわけだしさ」
「今のところはな」
今のところという言葉が引っかかったが、レキの方はジュリが去った方をしばらく見つめていた。
「さぁ、行くか」
「さぁて今日もはりきって行かないとな!」
商人がジュリの眠って居る方へと行くが、そこに居たはずのジュリの姿は無く、商人が貸したはずの毛布が砂の上に落ちていた。
「どこ行ったんだ?、まぁお前も行くあてがないなら一緒に行くか」
毛布の傍にいた犬に聞くがクゥンと鳴くだけ、もちろん見渡して見てもジュリの姿は無い。
商人は不思議に思いながらも、しばらく辺りを探しても見つからなかったので出発することにした。
昨日寝た場所が見えなくなる時、犬は一度振り向いて「ワン!」と一声吠えた。
首にはあの黒色の石がついたペンダントが光っていた。
朝日が明ける少し前にジュリは目覚めていた。段々と体は砂に帰って行く・・ジュリは静かにレキと会った方角を見て、傍に寄り添うように眠っている犬を撫でると、微笑をしてすべてが砂へと消えた。
『ありがとう、お兄ちゃん』
「レキ!あの子どうしたんだろうな?」
シンは気になってレキに聞いてみる。
「今頃、母さんに会えてるさ」
「え?・・・ちょっレキ!待てよ!!」
空はいつまでも続いている・・例え場所が生と死が違っても・・。
「おい!レキってば!!」
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