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ドール  作者: りょく
第一部
10/38

第八章 古い知り合い

いつも通り2人で野宿をしていると物音がして、シンが不思議に思い、音がした方へ静かに覗いてみると・・。

「うわっ!!」

いきなり固まりが飛び出して来たもんだから、シンは驚いて後ろに倒れる。

「なっ何か出てきた!!」

「へぇ~この俺様の攻撃を防ぐなんてやるじゃねーか」

レキによって受け止められた腕の持ち主は、長身で体格のいい男の様だがこっちからじゃレキの体で姿は見えない。

「でも次はどうかな!!」

レキはいつもとは違う表情で男を相手していたが、真剣というよりは眉間に皺よってる・・・。

「おい、いつまで気づかないつもりだ?」

「あ゛?」

そう言われてじっと男がレキの顔を見つめる。その時ちょうど男の姿が見え、男は緑の短髪で少し浅黒い肌に黒色の入れ墨が顔に彫ってある。

「・・・あぁ!お前!!!・・・ってか、なんだこのガキ?」

「俺の連れだ」

「へぇ~お前が他人を連れてるなんてな、ふ~ん」

攻撃をやめたと思うと今度はにやにやした顔でシンを見つめる。

「まぁいい今日の所はこのガキに許してやるよ、じゃ~な」

男が残していった紙切れを拾うとそこにはレキの名前が書かれている。

「レキ、これって手配書・・・?」

レキはしばらく男の後姿を見て、再び歩き出した。

「・・・あいつと知り合いなのか?」

それには答えず・・でもどう見ても一方的に知ってる以上だったようなぁ・・・。でもそれ以上聞くなオーラがレキから出ていたもんだから、気になっても聞けなかったため、なんかすっきりしない状態のシンであった。


「頭こんな所にいたんッスか~」

砂漠の中に崩れた遺跡のような場所から数人の人物が出てきた。

「何してたんですか?」

「そーですよ心配してたんですよ!!」

口々に文句を言う仲間達に、さっきの刺青の男が笑いを返しながら軽い口調で答える。

「悪い悪い~まさかあいつに出会うなんてな、皆これから戦闘の用意をしてくれ」

「え!?」

「リラ!情報を掴んでくれ」

奥から出てきたリラは、ショート髪で少し黒肌の女が現れる。

「なんのですか?」

「レキについて」

レキの名に皆一瞬固まり、そして顔つきが変わる。

「位置に着け!」


のんきにいつも通り飯を食ってるレキを見て、色々聞きたいんだけど・・・。あの男だって気になるし・・。

「シン、あいつは俺には恨みがあるが、根はバカじゃないからお前には危害は無いさ」

「いや、それを心配してるんじゃないけど・・」

レキは何も言わないからな・・俺自身の事よりレキの事の方が心配だよ・・・あれって絶対手配書っぽいし・・・。

クシャクシャとシンの頭を撫でられ、恥ずかしさと子供扱いされたのが少しムッとなった。

「もう寝ろ」

「・・・わかったよ・・」


大きな砲撃音に飛び跳ねるように起きると、レキはすでに起きていたようで煙の上がる方を見ていた。

「シン、ここに居ろ・・野暮用だ」

「え?あっレキちょっと待てよ!う~ほっとけるわけないだろ!!」


「よぉ1日ぶり、ちょっと大きな目覚まし時計で悪いな」

「あの手配書見たときにやまさかと思ったけど、やっぱりお前とはなぁ・・・っでお前の事結構調べさしてもらった・・っが、本当相変わらずだな」

「・・・」

「あの時もそうだ、人間達の犬になっていると思っていたら、今度は人間を殺したり・・友達になったり?」

「お喋りをしに来たのか、ライメイ?」

「そうだそうだ、本題を忘れる所だった、まぁお前にこんなに早く会えるなんて・・急に神に感謝したくなったぜ」

2人の間に流れる空気が重く感じ始め、レキの腕から赤い炎が浮かぶ。ライメイと呼ばれた男の方も同じような黄色の様な光を身にまとう。

「あれって!?」

「行くぞ」

激しい戦いが繰り返されているが、レキの方がまだ力の有るように思う。

「久しぶりだぜ、こんな力で戦えるなんてな!!」

次の一撃がレキの腕を切り、思わず体が動いて飛び出してしまう。

「レキ!」

「シン!?」

「戦いの最中によそ見なんて余裕か?」

「おっと!お前に出て行かれたら頭に怒られるんだ、じっとしてれば何もしないさ」

「そーそー、ただココであの兄さんがやられるのを見てればいいさ」

ライメイの仲間達らしい男達に捕まってしまう。

「クソ!離せ!」

「昔からテメェは変わらないな、そう言う目がむかつくんだよ!」

傷ついてもレキの表情は変わらず、怪我した方の腕も対して気にしてないようだ。

再び攻撃してきたライメイをレキは受け止める。

「な!?」

「お前にどう思われようと俺には関係ないだろ・・・」

「・・・・・ケッ!やめだやめ!」

「お前らそのガキ離せ」

「え?は・・はい!」

捕まれていた腕を離され、シンはレキの元に駆け寄る。

「レキ!!大丈夫か!?ってこんなに血出てんじゃん!!」

ライメイは駆け寄ってきた仲間たちに武器を預けながら、俺たちのやりとりを見つめる。

「頭~いいんですか?せっかくのチャンスなのに」

ライメイはしばらく黙っていると思うと、1人歩いて行ってしまった。

「か、頭!」

「レキ、ちょっと腕動かすなよ!」

シンに文句を言われ、仕方なしに腕を見せると・・レキの腕にはさっき受けた傷跡があるにはあるのだが、すでに傷跡は治り始めている。

それにこの手触りといい本当の血?レキは人間なのか・・。とりあえず傷跡に包帯を巻く。

「・・・無茶すんなよ」

とりあえず一言だけ文句を言うと、レキは俺の頭をポンポンと叩く。

「ガキ扱いすんな!!」

「はいはい」


「皆、俺はあいつらと一緒に行動することに決めた」

「「え!?」」

「ちょっと待って下さいよ!!」

「まぁいいじゃん、それにレキ達に付いている奴らも気になるしな」

「あれは新政府の者です」

情報担当のリラが言うとライメイはやっぱりなと頷く。

「新政府の奴らか・・・おもしろそうだな」

仲間達はあきらめ溜め息が出る。

「まずそいつらを殺ってからだな、俺がレキを倒すのは」

「でも頭どうするんですか?」

「俺はレキと行動し、悪いが政府の方の情報収集頼めるか?」

いつものヘラヘラした様子ではないライメイの姿に仲間達は一瞬言葉を失うが、そのなか口を出したのが女のリラ。

「頭何言ってんですか?我々はいつでもあなたに付いていくと決めたはずですよ?」

リラの言葉に他の仲間達も賛同する。

「そうですよ!」

「頭、新政府の奴らなんて、やっつけちゃいましょう!」

「皆、サンキュ!」


あれから2日ライメイ達の出没もなく、いつも通りの旅をしていると・・。

「お~い!!」

「なぁレキ、すごい気になるんだけど・・あれってどうみても・・」

ライメイが少し離れた所から走ってくる。

「お前何で付いて来るんだよ!って手を振るな!!」

「俺も一緒に行ってやる」

「「はぁ!?」」

「まぁよろしく頼むわ♪」


★ライメイが仲間に加わった



>>>Next

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