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ブレイブ・クロニクル・オンライン ~全員が捨てた初期職を7000時間やり込んだら、Lv1で最強になっていた~  作者: ぶらっくそーど


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《はぐれた者たち》


 上層・側廊。アストレア、タマキ、ハル、シロ。




 通路の先の広間に、白い光が渦巻いていた。光の中に人型が形成されていく。




【管理システム防衛兵:聖光の騎兵 Lv96 HP:150,000 ×3体】




 白い光の馬に乗った聖騎士が三体。長槍を構えている。──騎馬型。突撃特化。




「三体!? ハルさん、アストレアさん、これは……」

「トワさんの見聞録がないと、パターンが読めません」

「大丈夫。──わたしが前に出ます」アストレアが聖剣を構え、一歩前に出た。「同じ聖属性なら、動きの癖はわかる。騎兵の突撃は直線的。小回りが利かない」



「アストレアさん、頼もしいです!」

「頼もしいのはいいけど──作戦を決めましょう」タマキが全体を見回した。「アストレアさんが前衛で引きつけて、わたしが回復。ハルさんとシロが誘導で──」

「ですが、タマキさん。それだと結局、アストレアさん頼みになっちゃいませんか?」


 タマキは少し考え、ぽんと手を打った。



「ハルちゃん……わたしに考えがあります」タマキがポーションの瓶を取り出した。「カルディア戦の応用で、敵のバフを除去します」



 ハルは、はっと顔を上げた。



「バフ剥がし! それだ!」

「作戦会議が早いな、お前たち」アストレアが感心した。

「トワさんの横でずっと見てましたから! ──見てただけですけど!」

「見てただけでも、学んでるんだな。立派なものだ」




 三人が会話している最中にも、騎兵が突進してきた。打ち合わせの時間は終わりだ。




 一体目。長槍が光を帯びて、アストレアに向かって突っ込んでくる。



 アストレアが左に跳んで回避。聖剣ルミナスで馬の首元を斬りつける。同じ聖属性だが──第四位階に到達しているアストレアの方が格上。騎兵の鎧に、亀裂が入った。



 しかし、この間にも二体目が即座に横から突っ込んでくる。挟み撃ちだ。



「アストレアさん、反対からも来ています──!」



 その時、シロが吠えた。


 白い狼が二体目の馬の脚に飛びかかり、噛みついた。百キロ近い光の軍馬が──脚を取られてつんのめる。突進の軌道が逸れ、アストレアの横を通過していった。



「シロ! ナイス──! 帰ったら新しいおやつ買ってあげるからね!」

「ハルちゃん、いまはおやつよりも……!」

「分かってます! 導師スキル──【陣形指示】!」




 ハルの『導師』スキルが発動。旅人クラスの派生種である『導師』のスキル。それは、味方全員の移動速度を上げ、旅をしやすくするもの。アストレアの回避にさらに磨きがかかる。



 一体目の騎兵が旋回して戻ってくる。しかし、アストレアは既に位置を取り直していた。聖剣が一閃し――騎兵の鎧を両断。



 一体目撃破。




「残り二体──!」



 二体目がシロを振りほどいて体勢を立て直す。三体目が横から回り込んでくる。──二方向からの同時突撃。



「タマキさん!」

「はい──!」



 タマキが走った。二体目の騎兵の馬の横っ腹に──【陽光のポーション】を叩きつけた。

 瓶が割れる。薬液が光の鎧に染み込む。




【陽光のポーション:対象の全状態異常を解除──効果時間15秒】




「あっ──でも、道具通がない! トワさんがいないから、効果時間が半分の、十五秒!」

「十五秒でも十分だ!」



 聖騎士のバフが消え、ダメージが遥かに通りやすくなる。

 その隙にアストレアが斬る。二体目撃破。



 三体目──シロが追い回していた。白い狼が白い馬を追いかけている。馬がシロから逃げようとして柱にぶつかった。騎手がバランスを崩す。




「シロ、追い方がうまい──というか、馬が逃げてる……?」タマキが呆然とした。

「光の軍馬が狼に追われて逃げるの、絵面がおかしすぎません?」ハルが吹き出しかけた。




 柱にぶつかった騎兵がよろめいたところに、ハルが走っていった。

 導師の杖を──騎手の頭に振り下ろした。

 ゴン、といい音がした。



「……導師って、杖で殴るスキルあったっけ」タマキが真顔で聞いた。

「ないです! 完全に物理です!」

「ハルちゃん、力強くない?」

「畑やってるんです、実家が! 鍬の振り方と同じですよ!」

「農業と導師って、こう繋がるんだ……」



 殴られた騎手がよろめいたところに、アストレアの聖剣が光った。三体目撃破。




【聖光の騎兵×3──討伐】

【ドロップ:聖騎兵の槍穂(武器素材)】




「やった──!」




 三人とも息が荒い。トワのような圧倒的な戦いではなく、泥臭く、必死で、全員が限界ギリギリで──でも、ちゃんと勝った。




「ハルちゃんの指揮、よかったよ」タマキが膝に手をつきながら言った。

「トワさんみたいにはいきませんけど──精一杯です」

「十分だ。──あなたたちと一緒なら、どこまでも行ける」アストレアが微笑んだ。



 シロが三体目の騎兵の残骸から、ドロップアイテムを咥えて戻ってきた。尻尾を振りながら、ハルの足元にぽとりと落とす。



「シロ……お手柄。いい子」ハルがシロの頭を撫でた。

「シロ、パーティの一員として戦ってましたよね」タマキも笑った。



 広間の奥に、通路が続いていた。大聖堂の構造が正常に戻れば、どこかでトワたちと合流できるはず。



 三人は通路の奥へと急いだ。



次の更新は月曜日の朝7時になります。

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