33話
私とマートル様の婚約が決まったが、それ以外は特に何もなく城で自習する日々だった。
毎日マートル様と一緒に課題をしているが、稀にミモザも来るので、婚約の事を伝えた。
「そんな楽しい事になるならもう少しここに泊まっていた方が良かったかな?」
「でも婚約したと言っても別に何も変わって無いよ」
「そうだな。私としては一緒に出掛けたいのだがな」
「え?ずっと城の中に居るんですか?」
「そうなのよ……婚約の発表のタイミングも有って今何か起こると大変だから」
「もう大丈夫だと思いたいが……」
「そうなのですね……上位貴族も大変ね」
「別に何もしてない……何も出来ないだけだけどね」
「そうだな、運動不足になりそうだ……」
そんな平和な時間が過ぎて行き、本日私達の婚約が正式に発表となった。
近隣の街や城内もお祝いをしていたのだが、そこに急ぎの連絡が入ってきた。
「魔獣の氾濫が確認されました」
「数は?」
「多数。現在の兵力ではそれほど耐えられません!」
「兵士以外は至急避難。予備役も招集し対応する」
王都付近の魔獣の氾濫に対し、王家から誰が代表で出るかと言う事が話し合われ、マートル様も出撃する事が決まった。
その会議の後、マートル様は私に会いに来てくれた。
「今度の戦いに私が出る事になった。本来まだ学生だから出る必要が無いのだが……兄達は次期国王なので危険な戦いには出せない……でも王家の人間が行かなくては士気が下がる。だから私が出る……これには納得している。……必ず帰ってくるから待っていてくれ」
「分かりました。でも待っているだけなんて私には似合いません……私も出ます」
「ありがとう。でも、待っていて欲しい。私達が二人で出ると護衛の問題も出て来る。勝って帰ってくるから今回は待っていて欲しい」
「……納得は出来ませんが分かりました。戻ってくるのをお待ちしています」
そして彼が出撃してから1週間……彼は大量の負傷者と共に戻って来た。
私は戻って来た兵士にマートル様がどこにいるかを聞いたが誰も答えない……
近くに知っている兵士が居たので再び聞いた
「マートル様は?」
「今から医者に診てもらう所です……」
「怪我をされたの……ですか?」
「はい」
「会話は?」
「出来ません」
「意識は?」
「有りません」
「今会えないですか?」
「今は急ぎますので自室でお待ちください」
「分かった……部屋で待ってます」
私が部屋に戻り何もできずに居ると、部屋の中に誰か来た。
「こんにちは、貴女は良い魔力してるね……」
「こんにちは……貴女は?」
「私はツバキ」
「ツバキ様?……初代王の?」
「あら?知ってるの?……貴女の婚約者の外傷は治した。でも失った血等はそのままだから気を付けて」
「ありがとうございます。でもなぜ私が婚約者だと知ってるのですか?」
「それは……何故かな?何となくなんだけどね……少し噂を聞いてね」
「噂ですか?」
「私の残した剣を使い、複数属性の魔法を使う……」
「そして、転生者だから?」
「え?ちょっと待って、それは初めて聞いた。転生者なの?」
「そうですけど?あれ……それは関係なかったのですか?」
「どこまで知ってるの?」
「ここがゲームのような世界だと言う事位です」
「一緒ね……成長はしてる?」
「何の話ですか?」
「魔力が高いと現状を守ろうとするのか体が成長しないのよ……私なんてこの姿で100年以上過ごしてるわ……」
「100年!?それは凄いですね。私は今はまだ成長していると思いますが」
「そう……どうする?成長止まっても魔獣と戦う力が欲しい?正直私だけでもそれなりには戦えるけど数が多すぎると同時に対処できないのよ」
「このままだとこの国は危ないですか?」
「……正直危ない。貴女が参戦しても大差ないかもしれないけど……どうしたい?現状この国で1番の戦力が貴女なのよ」
今後の展開の参考にもなりますので評価、感想など頂けると助かります。
ここまで読んでいただきありがとうございます。




