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食物連鎖の逆襲その1

霧がかった森一帯に怒号が響く。


 その瞬間、霧の濃さが上がり手の届く範囲以外見えなくなる。


 霧の檻に囲われた感覚に、カゴの中の小鳥であるとの立場を嫌でも理解させられるのだ。


 「貴様の様な,生き物(雑魚)は身の程を!自身がようぶんであることを!自覚させねば!


  こんなモノ(ゴミ)に、あなたが倒されていいはずがない!


  剪定せねば!浄化せねば!秩序を!」


 完全に激おこである。


 次の一言。

 次の一言で、自分の運命は決まる。


 どうする、どうする、どうする、どうすればいい。


 井口君の頭には、かつての会社上司斉藤先輩の会話がよぎった。


 「強気で横暴なお客って居るだろ、どうしたらいいか知ってるか?」


 「居ますよねー本気でああいうの困るんですよ。

  先輩はどうしてるんです?」


 「知りたいか?

  簡単だよ。

  舐めてるやつほど、徹底的に肯定してやるんだよ。

  で、最後にこう言え。


  なら言わなくても、分かりますよね?って


  で自信満々に笑ってやれ。


  それで乗ってきたらこっちのもんだ。

  しっかり、どんな楽しい事が待ってるか夢見させてやんな。」

 とキャバ嬢に自信満々に語る先輩だったが、業績はトップでも何故か年齢=彼女なしだったのは謎だ。


 そんな斉藤先輩の顔が走馬灯のようにチラつきつい言ってしまった。


 「知りたい...ですか?」


 すると先程までの激昂ぶりが嘘のような落ち着いた声で「何?」との返事が返ってきた。


 かかった


 かかってくれた


 間髪入れずに責めろ、間を与えるな、悩ませるな!

 それこそが...出来る社畜ぅぅぅサラリーマン!!!


 お客様は...いつだって!かみさまああああああ!


 「どうやって倒したか知りたくないですか?

  私を殺したら、もう一生知る機会は無いですよ。


 私が、倒したのですから。」


 一瞬の静寂

 

 そしてゆっくり先程まで、濃霧とも思えた霧が和らいでいく。


 そして粘着質な声を出しながら、ゆっくりと声の主が姿を表したのだ。


 「悔しいですが貴方の言う通りです。


  ただの人間(ゴミ)と思っていましたが、撤回しましょう。


  かと言って、殺したい気持ちは変わりませんが。


  では貴方に免じてゲームをしようではありませんか。


  貴方が勝てばしばらくは命は助けてあげましょう。

  もし負ければ、勝因を説明した上で抹殺します。


  拒否権はありませんよ。


  今死ぬか、後で死ぬかだけです。


  さあどうされますか?

  

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