井口がためにキノコは哭く その三
エルヴィティティスは、数によるガンガン行くぞ以外の戦略は考えにないと思われる。
しかしベニテンズの状況を聞くに、一方的に攻撃され消えているのが実情であり、ガンガンいってもいけてない状態が今なのだ。
しかも、1体でも普通に木を薙ぎ倒す、ベニテンズを見る限り、どう考えても普通の攻撃を受け倒されたとも思えない。
何か攻撃手段などがわかる情報が必須だ、そのための時間がとにかく欲しい。
ただ話す限り、エルヴィティティスはプライドがとても高く、慢心が垣間見える。
何より自身の増殖能力により、犠牲を犠牲と考えていない。
傲慢さは大きな隙を産む。
特に狡猾で、ズル賢い手合いは、しっかりとその隙を責め倒してくるだろう。
従来の戦法で勝てる可能性というのを捨てさせなければならない。
カミカゼ特攻(自爆攻撃)なぞクソ喰らえである。
「なるほど。勝てぬ王は王でないと言うか。
一理あるな。
では、聞かせよいぐちぃ殿。
勝てる王の戦略とやらを。」
「分かりました。
とりあえず今は1%でも勝てる可能性をあげたい。
そのためには、時間を稼ぎつつ、敵の情報収集を最大限まで行うことが先決です。
まずは相手を煙に撒きましょう。
距離を保ちつつ後退し、状況を立て直します。」
「引けと?」
「勝利のための後退です。」
「攻めないで勝てると?」
「通用しないのに攻めても意味がないのでは?」
「あのアンティカスに勝てると?」
「やってみなければ分かりませんが、やらなければ勝てないでしょう。」
「よかろう、これから指揮全権をいぐちぃ殿に任せる。
貴殿のベニテンズを、司令塔とし伝達役にせよ。
紫を撃退し、同胞を守ってくれ。」
「はい!エルヴィティティス様こそ王と見せつけて参ります!」
説得はできたものの、晴れて中間管理職として出世してしまった井口君であった。




