↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
8/8

またその続きを

それから、しばらく経った朝、まだ日も上らない頃、私はそこから出ることにした。

今、肌を刺すような寒さの中、白息ばかりを見つめている。


ここに、確かに安寧というものが存在したのだろう。ずっと感じていないものも、少しわかったような気もする。

実際、私は男に感謝している訳であって。

…だが、私が真に知りたいのはあくまで自由だ。

自由とは難しい言葉であるが…今は漠然としたものだ。でも、それでいいと勝手に思う。わかってしまえば、案外つまらないかもしれない。


男は、見送ってくれるようだ。

「…そろそろ、行くよ。」

「なんだよ、靴まで見繕ってやったのにそんだけかぁ?」

…ふむ…「…感謝する…」


私はすっと左を向く。

「今度は、変じゃなかったな」

…む。

「変とはなんだ?」

「えーや、なんでもないさ。それより最後にこれだ。1番大事なモンだ。」

彼はそう言ってポケットからおもむろに古びた手帳を取り出した。

「なんだこれは…」

私は動揺する。


「…大切なもの。だ」

愛しみの中で寂しげにつぶやく。心の中で、申し訳なくなりながら口にする。

「そうか。なら、汚さないようにしないとな」

彼は顔を上げてこっちを向く。

「…訳は聞かないんだな」

「必要か?」

「もう自語りは別にいいかな」

と、また彼は笑う。


「…じゃあな。精々、足掻いてみることだ」


「…ふん…そうだな」

私は、太陽を見て、また遠くへ歩き始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。