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21本の聖剣の物語  作者: ジャスティン
第1期
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第十三章: 狂気の研究者1-1

都市のビルがそびえ立つ天台(てんだい)の上。二人の忍者が、張り詰めた空気の中で対峙していた。沈黙を破り、毒花の使い手である忍者が嘲笑(ちょうしょう)を浮かべて言い放つ。「小僧……なぜそこまでして、こんな弱小な人間どもを守る必要がある?奴らは核雷様にとっての実験体に過ぎん。なぜそんなもののために戦う?」緑の装束に身を包んだ忍者、ライトは迷いのない瞳で答えた。「――なぜかって? 僕も一人の『人間』だからだ!」「ハハハハハハハ! 傑作だな、笑わせるな!」狂気に満ちた笑い声が響き渡ると同時に、毒の忍者とライトは互いに地を蹴った。目にも止まらぬ速さで二人は激突し、緑の剣と毒を帯びた刃が火花を散らす。現在へと時間は戻る。虚算が吸収されてから、世界は束の間の静寂を取り戻していた。ライトは、ジェンシャンがかつて記者として働いていた新聞社を訪れ、社主に彼の最期を伝えた。「……そうだったのか。あんなに優秀な記者が、なぜこれほど才能を埋もれさせたまま逝かねばならなかったんだ……」社主が肩を落とすのを見て、ライトは静かに言った。「社長、そんなに自分を責めないでください。ジェンシャンも、あなたが悲しむ姿は見たくないはずです」「……いや、話してくれてありがとう」その後、ライトはアーグアンと共に、ジェンシャンが住んでいたアパートの大家の元を訪ねた。「なんてことだい……あの子は本当に不憫な(ふびんな)子だったよ。幼い頃に両親を亡くして、ある人に引き取られたっていうのに……。せめて天国では安らかに眠っておくれ」帰り道、ライトの脳裏には、いつも隣で騒がしく軽口を叩いていたジェンシャンの姿が浮かんでは消えた。「……あいつがいないと、なんだか調子が狂うよ」ぽつりと漏らした独り言に、アーグアンが寄り添うように答える。「僕たちはいつも、身の回りのことが永遠に続くと思い込んでしまう。でも、いざ失ってみると、あまりの突然さに手も足も出なくなるものだ。だからこそ、今という時を大切にしなきゃいけないんだよ」「……僕は、まだ子供なのかな」ライトの問いに、アーグアンは前を見据えたまま言った。「人の力ではどうにもできないこともある。だけど、その経験が人を成長させてくれるんだ。……お前には、まだ歩むべき長い道のりがあるんだぞ、ライト」ウーミエの潜伏先では、幹部たちが不穏な合議を進めていた。「……なるほど。虛算の口振りから察するに、残りの元素はすべて、あの遥か遠方の村に集結しているようだな」粘潮が冷淡に分析すると、滅炎がそれに続いた。「あの核雷って野郎も、なかなかやるじゃねえか。すべての元素を一つに統合しやがって」しかし、粘潮は鼻で笑って反論する。「だが、所詮は一時的な協力関係に過ぎん。奴らは誰もが己の思惑で動いているからな……。ただ一人、研究と実験にのみ執着している狂った男を除いては。あいつは、自分専用の聖剣(せいけん)まで独自に開発したらしいぞ」その言葉を聞き、ウーミエが静かに口を開いた。「……つまり、奴も自分だけの核心を持っているということか?」「ああ。奴の関心は、自らの研究を完成させるための実験台にしか向いていない」その報告を受け、ウーミエは底知れぬ深淵のようなため息を漏らした。視点は切り替わり、都市に潜入した毒花(どくか)の元素を持つ忍者は、眼下に広がる街並みを見下ろしながら不気味な高笑いを上げた。「ハハハハハ! 美しいじゃないか……。だが、ここも瞬く間に俺様の実験場へと変わるのさ」毒の忍者は突然、手にした剣を地面へと突き立てた。しかし、期待していた反応はなく、周囲に変化は起きない。「……おかしいな。やはり、もっと高い場所でなければ発動しないのか?まあいい、まずは別の実験から始めるとしよう」男は懐から禍々しい輝きを放つ「ゾンビの粉」を取り出すと、街の生命線である河川へと一気に流し込んだ。「ククク……傑作な見世物が見られそうだぜ」道場に戻ったライトたちは、静まり返った空気に首をかしげた。「あれ、みんなは?」「訓練中だろうな」とアーグアンが答える。「だろうね。……って、ええ!?」アーグアンが驚愕の声を上げた先では、なんとビンチェンとアーガンが向かい合ってチェスに興じていた。「助けてくれ、アーグアン! こいつから僕を救い出してくれ!」アーガンはまるで神でも見たかのような形相で縋り付く。「腹が減って死にそうなんだ。お腹いっぱい食べたいのに、こいつに勝てないせいで飯にありつけないんだよ!」しかし、アーグアンは冷ややかな視線を一瞥くれただけで、無言でその場を立ち去った。アーガンは絶望に打ちひしがれる。その様子を見ていたライトが苦笑いしながら、「あはは……。じゃあ、僕たちは下に行って他のみんなの様子を見てこようか。……あ、上がってきた」そこへチーディが血相を変えて飛び込んできた。「アーグアン! お前の弟が僕たちをいじめるんだ!」「はあ?」「二人掛かりでも相手にならないのかよ」後ろから平然とした顔で現れたのはアーランだ。アーグアンは一瞬フリーズした。アーランがチーランたちを相手に立ち回ったのは明白だが、弟の容赦のなさを誰よりも知っている彼は、アーランの肩をがっしりと掴んだ。「……いいか、次からはあいつらと手合わせするのは禁止だ」アーグアンは顔こそ笑っているが、その目は一切笑っていない「蛇の目(へびのめ)」で弟を見据える。「……うっ、分かったよ」アーランも兄のただならぬ気迫に、思わず毒気を抜かれたように頷いた。アーランは気まずさを紛らすように、唐突に話題を変えた。「……そういえば、メイジウはどうしたんだ?」「仕事に行ってるわよ」とチーランが答える。「ええ、彼女も相当忙しいみたいね」アーランが何気なくテレビをつけると、アーグアンがニヤリと笑って弟の顔を覗き込んだ。「ほう、弟よ。ずいぶん彼女のことが気になるようだな?」「別に……。ただ、あんなに忙しくなるとは思わなかっただけだ」その時、テレビの画面が緊急ニュースに切り替わった。映像には、釣りをしていた男が、釣り上げた魚に突然噛みつかれる様子が映し出されていた。噛まれた男は、瞬く間に形相を変え、自我を失った「ゾンビ」へと変貌したのだ。道場内の空気が一変し、緊張が走る。「……おかしいわ。普通ならあり得ない現象よ」直後、道場の電話が鳴り響いた。『忍者さん、助けて! 街が、街がああああああ!!』悲鳴の主の声は、突如として異様なうめき声に変わり、電話は不自然に切れた。「……感染の速度が早すぎる。一体何が起きてるんだ?」

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