第十一章:私の過去1-1
ライトが聖剣を抜いたその瞬間、私の確信は揺るぎないものとなった。源力のマスターは、間違いなく私のすぐそばにいる。「ライト……君は本当に、僕のことを知っているのかい?」「僕はジェンシャン。今ある都市からは遠く離れた、小さな村で生まれたんだ。そこで過ごした幼少期は、人生で一番幸せな時間だった……。けれど、そんな平穏で幸せな生活は、ある日突然、一人の男によって打ち砕かれた。その男は僕の家へやって来た。父さんと部屋で話をしていたけれど、二人は激しく言い争い、結局、最悪な形で決裂したんだ。その数日後、二人の忍者が突然襲いかかってきた。父さんは剣を手に立ち向かい、僕たち親子が逃げる時間を稼ごうとしてくれた。母さんは僕に『とにかく遠くへ逃げなさい』と言って、聖剣とコアを僕に託したんだ。母さんは父さんのもとへ駆け戻っていった。僕も戻りたかった……でも、母さんの必死な叫び声に押されるように、僕は泣く泣く反対方向へ走り出したんだ。どれだけ走っても、後ろからは戦う音が聞こえていた。止まるのが怖くて、僕は走り続けた。溢れ出した涙が頬を伝い、聖剣の上に落ちた。その瞬間、それまで輝いていた聖剣の光が、まるで僕の絶望に呼応するように消えてしまったんだ。その後、家の近くの草叢に身を隠していた僕は、廃墟と化した我が家へ戻った。そこで冷たくなった両親の姿と、半分近く焼けてしまった父さんの日記を見つけた。僕はその日記を手に取り、両親を家の庭に埋葬した。過去に別れを告げ、両親の仇を討つことを誓った……。あの日から、復讐だけが僕の生きていく希望になったんだ」小川に沿って歩き続け、足の皮は擦り切れ、お腹も空いて死にそうだった。服もボロボロで、どうすればいいか分からず途方に暮れていた時、一台の車で通りかかったあるおじさんが声をかけてくれたんだ。「坊主、どこへ行くんだ?」その人は見た目こそ怖そうだったけれど、本当はすごく優しい人だった。当時、僕はまだ九歳。一人きりの僕を心配して色々と聞いてくれたけれど、僕は何も答えられず、ただ首を振ることしかできなかった。おじさんは無理に聞き出そうとはせず、そのまま僕を家へ連れて帰ってくれたんだ。最初は怖くてずっと避けていたけれど、時間が経つにつれて、少しずつその人を信頼するようになっていった。おじさんは僕の過去も、手に持っていた聖剣のことも、何一つ問い詰めなかった。そうして一年が過ぎた頃、父さんの日記を読み返していた僕は、ある事実に気づいたんだ。……『源力の元素』の死因は……『記憶』によるものだったのか? 肝心の文字の半分が焼けていて、はっきりとは読み取れなかったけれど。「だから、あいつらは復讐に来たのか?」と考えたりもしたけれど、その時はあまり気に留めていなかった。数ヶ月後、僕の中に『記憶の元素』が目覚めた。他人の過去や、その人が経験してきた出来事が見えるようになったんだ。けれど、僕はただ普通の人として生きたかった。幸せは長くは続かなかった。養ってくれていたおじさんが、突然の事故に遭ったんだ。病院に駆けつけた時、おじさんはもう長くはない状態だった。おじさんは最期にこう言ってくれた。「……お前がここへ来てからまだ一年ちょっとだが、俺はもう、お前を自分の本当の子供だと思っている。過去に何があったとしても、それに囚われちゃいけない。……しっかり、生きていくんだぞ」涙が止まらなかった。僕は思わず口にしていた。「……父さん、ありがとう」それが最期の言葉になった。おじさんは、そのまま逝ってしまったんだ。彼が息を引き取る間際、僕はその手を握り、彼の過去を覗き込んだ。彼は幼い頃から両親に大切に育てられ、生涯独身を貫いた人だった。でも、最期に僕に出会えたことを、心から幸せに思ってくれていたんだ。葬儀を終えた後、僕は家に戻り、父さんの日記に向かって呟いた。「ごめん、父さん。約束は守れそうにないよ……。父さんも母さんも、待っていて。すぐにそっちへ行くから」復讐を果たせば、僕の命も無事では済まないだろう。そう覚悟していた。僕は『記憶』の能力を使い、他人の記憶を覗き見ながら情報を集め、次世代の源力マスターの行方を追った。そして、ある道場に辿り着いた。僕はダメ元でその門を叩いた。扉を開けたのは、僕と同じ年くらいの少年だった。「あの……どちら様ですか?」それがライトとの最初の会話だった。「ここは忍者の道場かな? 『師匠』と呼ばれている人に会いたいんだ」やがて、師匠が姿を現した。「お前さんは……何者だ?」「僕はジェンシャン。源力の元素と、過去に一体何が起きたのかを知りたいんです。僕の両親を殺したのは、源力の元素なんですか?」師匠は即座に、そして断固として否定した。「あり得ん! 源力の元素はまだ誕生すらしておらん。お前の両親を殺せるはずがない!」師匠の記憶を密かに覗き見たが、確かに嘘を言っている様子はなかった。だとしたら、父さんの日記に書かれていたことは何だったのか。一体何が起きたのか……。僕はその後、あの少年の記憶を覗き見て、彼が源力の元素の子供であることを知った。でも、彼自身はその正体に気づいていないようだった。彼なら何か手がかりを持っているかもしれない――両親の死の真相を知るために、僕は彼に近づく決心をした。それが、僕が初めて聖剣の力を使った時だった。僕はライトと師匠の記憶を書き換え、ライトにとって僕が「幼馴染の親友」であると思い込ませたんだ。それから今に至るまでの月日は、決して長くはなかったけれど、短くもなかった。その間に、源力の覚醒と聖剣のへと近づいていったんだ。現在へと場面が戻る。




