風の挑戦者1-4
アーランは何も語らず、ただ立ち尽くしていた。鬼魂元素は突如として元の元素の姿へと戻り、昇る朝日の下でこの激闘は幕を閉じた。それと同時に、力を使い果たしたアーランもその場に倒れ込んだ。「アーラン!」仲間たちが駆け寄る。一方、元の姿に戻った鬼魂元素は、再起を狙おうとしたその瞬間、不意に現れたウーミエによって音もなく吸収されていった。虎視眈眈と機会を伺っていたウーミエは、手に入れた新たな力を感じながら、しみじみと感慨に耽った(ふけった)。「……実に素晴らしい戦いだったよ」忍者たちの元へ場面が戻る。「アーラン、大丈夫か!? 俺の声が聞こえるか!」アーグアンが激しく揺さぶりながら叫ぶ。「……兄さん、聞こえてるよ」だが突如、アーランの体が光に包まれ、さらさらと消え始めた。「待て、どういうことだ!? アーランは勝ったはずだろ!」「しっかりしろ!」「兄さん……今まで僕の我儘を支えてくれて、ありがとう」「何言ってるんだ! 俺も、妹も、ずっとお前のことを認めてたんだぞ!何をしようとお前を支持する……だから!」「感謝してるよ……」アーランの体は完全に消失し、その場に重苦しい沈黙が流れた。しかし次の瞬間、少し離れた場所に光が収束し、そこには元の姿に戻ったアーランが立っていた。全員が彼の方へ駆け寄る。メイジウはたまらずアーランに抱きついて泣きじゃくったが、すぐに我に返って彼を突き放した。「もう戻ってこれないかと思った……。消えていくお前を見て、絶望したんだぞ」アーグアンがアーランの歩み寄り、声をかけた。「実に晴れやかな、いい戦いだったな」「いや……僕はまだまだだよ」「……さあ、家に帰ろう」「うん。ただ、まだ体が馴染んでいないみたいだ」「大丈夫だ、ゆっくり行こうぜ」帰り道を歩き出したその時、ライトの耳に微かな声が届いた。(ライト……?)「えっ?」ライトは振り返るが、空耳かと思い、特に気に留めることなく歩みを続けた。




