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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
1005/2163

第1005話 カケラ争奪戦 イタリア5(2)

「光よ、闇を祓って」

「闇よ、壊して喰らえ」

 ファレルナとゼノが同時にそう呟いた。すると、ファレルナの体から発せられている光が、ゼノの体から噴き出している闇が、無数の白い帯と黒い帯のようになって互いに襲いかかった。

 白い光の帯と黒い闇の帯が互いに激突し合う。激突した側から、それらは対消滅するかのように虚空へと消える。ただし、衝撃の余波を残して。その衝撃の余波はかなりのものだった。

「ちっ、こいつは中々にヤバいな・・・・・おい、レイゼロール。後どれくらいだ?」

 その光景を見ていた影人は、後方にいるレイゼロールにそう語りかけた。もちろん、黒フードの人物には注意を払いつつも、カケラの事と分からないように言葉はボカした。

(どれくらい・・・・・? レイゼロールは何かを待っている? いや、ここ最近の事を考えると、カケラがどこにあるのかを探っているって感じか)

 しかし、影人が言葉をボカしたのにもかかわらず、壮司は正確に影人の言葉の意味がどのようなものかを理解していた。壮司は影人同様に、ラルバからレイゼロールがどのような存在であるのかについてや、カケラの事を聞かされている。ゆえに、そのような事を予想できた。

「・・・・・・・だいたい後5分ほどといったところだ。お前の言わんとしている事は理解している。確かに、ここにいればゼノと『聖女』の戦いの余波に巻き込まれるだろう」

 レイゼロールは1度カケラの気配を探るのを止め目を開くと、こう言葉を続けた。

「しかし、ここから離れるという事はせん。ゼノが負けるとは全く思っていないが、万が一という場合がある。・・・・・我はまだゼノを失うわけにはいかん。ゆえに、ゼノを浄化させる可能性を潰すためにも、我らはここに留まる。そこの『フェルフィズの大鎌』を持つ者の相手は依然貴様に任せる。それと、ゼノの事もな」

「ちっ、要は全部俺に丸投げって事じゃねえか・・・・」

 レイゼロールの言葉を聞いた影人は、舌打ちをしながら軽く右手で帽子を押さえた。その言葉は影人が一応は信用されているという証だが、面倒ごとを全て押し付けられたとも言える。影人からしてみれば、やれやれといった感じだ。

「・・・・・・ふん、仕方ねえ。面倒極まりないがやってやるよ。弱体化の影響は受けていても、俺はスプリガンだからな」

 しかし、影人は軽く鼻を鳴らすとレイゼロールの言葉を了承した。そして黒フード、壮司の方に視線を向けた。

「そういう事だ黒フード。今はあいつらのせいで変な膠着状態になってるが、また仕掛けてくるなら俺が戦ってやる。来るなら来い」

「っ・・・・・」

 堂々と影人からそう言われた壮司はフードの下の顔を少し歪ませた。

(まあ、確かに俺の状況自体はほとんど変わってないんだよな。俺はスプリガンを突破してレイゼロールを殺さなきゃならない。だがまあ、どっちもチート並に強いから今まで何度も撃退されてるわけで・・・・・・だけど、今回は今までとは違う事が1つだけある)

 それは、スプリガンがファレルナの光によって弱体化しているという事だ。それは先ほどから観察していて分かった。明らかに今までのスプリガンよりも、今日のスプリガンは力の発動速度が遅く、動きが鈍い。これはチャンスだ。

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