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救世ちゅっ! ~Break a Spell~  作者: 大野はやと
第一章:『救世ちゅ、降臨す』

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69/116

第69話、いつの間にか増えている『お姫様』のその所在は、極力考えないようにして




SIDE:ローサ(inサーロ)



グレアム&エイミ夫妻の娘にして、この【ティア】と呼ばれる魔法学園に入学してまもなく、五指に入るだろう実力者となっているらしい『レミラ・エクゼリオ』ちゃん。


今回は、そんな彼女と臨時パーティを組んで『ヴァレス山』でなんともタイミングよく行われるという実地体験学習に、特別な留学生として参加する、とのこと。


そんなある意味ゴリ押しな割り込みがさせてもらえたのは、謙遜しておきながらエイミ先生が相当お偉いさんだからこそなのかと思いきや、何だかここでも救世主たるラルちゃんの魔王伝説……じゃなかった、いつかも知れぬ過去においてのラルちゃんの身内が、それこそ伝説に残るほどにいい意味でも悪い意味でも活躍していたらしく。



いつぞやのグレアムさんのように、多大なる畏怖をもって学園のお偉いさん……理事長先生がその時の事を覚えていて。


それは自分でなくて恐らく『お姉ちゃん』であろうと。

ラルちゃんが必死になって説得と言うかどうやら身内がすみませんと恐縮しきりなのが、逆に理事長先生たちにも覚えよく映ったようで。




エイミさんの『研究室ラボ』にて、はてさていい加減アイちゃんの来歴を聞かなくちゃいけない段階に来てるだろうと。

如何にして聞き出すべきかと内心で考えていたところでの、正しく王様にでも謁見するがごとくの、学園のお偉いさんの来訪ラッシュ。


観衆の皆さんに手を振るのは随分と慣れているというか、実に楽しげであったのに。

対面でかしずかれるのは、距離が近いというかプライベートスペースに触れるからあれなのか、何だか随分と背中を丸めて縮こまって、その対応をほとんど俺とかに任せていて。



どうやらラルちゃんの仮面やマントでは隠せないいつもの存在感に。

ここでも国賓扱いなんだなぁと、きっと本人以外はしっかと納得したところで。

最後の締め、というわけでもなかろうが、学園のお偉いさんがとりあえずの所帰っていったタイミングを見計らうようにエイミ先生の『研究室ラボ』に新たな来客が訪れる。


それは、背丈や、見た目の雰囲気ならばアイちゃんやラルちゃんと同じ年頃であろう少女であった。

今までの来客者とは真逆な感じ……遠慮などあるはずもなかろうといった実に不遜といった言葉が似合う扉の開け放ちっぷりで入室してきたと思ったら……。



「こうきなる闇のけんぞくたるわれをさしおいて『魔王』を名乗るやつがいるときいて、顔を見にきてやったぞ、レミラさまがなぁっ!」



言葉面の割には、どうあがいても可愛いとしか表現できない声が響いてくる。


どこかで、というか明らかに意識しているのか、グレアムさんが身につけていたようないかにもヴァンパイアですと主張しているかのような、漆黒のマントにドレス。

恐らく、ラルちゃんの仮面と同じように何らかの魔法効果がついているであろう金ぴか七色宝石つきのティアラからは、そんなドレス以上に闇色ボリュームたっぷりな髪がその存在を主張している。


俺……サーロの髪も黒色ではあるが、魔力が髪色に現れないそれと違って、どう見ても【エクゼリオ】の魔力、魔精霊に愛されていると言っても過言ではない様子で。

その性質から敵対視されがちな髪色ではあるが、我の強そうな当の本人は全く気にしていないどころか、誇りに思っていそうで。


だけどどうしても舌足らずな感じがギャップがあって可愛くて。

髪色から迫害、仲間はずれにされているどころか、きっとこの学園でも可愛がられているんじゃなかろうかと思いつつ。

またしても『魔王』呼ばわりされてしまったラルちゃんの事を伺うと。



さっきまで縮こまって恐縮していたのもどこへやら。

どうやらラルちゃんも、そんな不遜な態度に怒るどころか実に楽しそうに、何だか嬉しそうに、自ら名乗りでるかのように近づいていくのが分かって。



「ああ、うん。別にそう名乗ったわけじゃあないんだけれど。ヴァンパイアのお姫様、会えて嬉しいよ。今日からしばらくお世話になります、よろしくお願いしますね」

「え? あ、うん。じつに殊勝なたいど、いい心がけじゃないか。このレミラの身のまわりの世話をすること、許可しよう」

「ありがとうございます。うちにもお姫様が二人いるので、共にということにはなりますが、お任せください」

「う、うむ。そこはまかせる。ええと、ラル様でよかったかな」

「様はいりませんよ、好きにお呼びください」



どうやら(後に聞いたところによると)アイちゃんと最初に出会った時のように、忠実なる従僕モードにラルちゃんは入ってしまったらしい。

それが、仮面をつけた夜、外の世界でのラルちゃんの『役』のひとつだったのだろう。


そのまま横柄なままならエイミお母さんのお小言も飛んできたのだろうが。

レミラちゃんもラルちゃんの反応が思っていたのと違っていたらしく戸惑っているというか、様付けしてしまうくらいにはラルちゃんのペースに巻き込まれてしまったようで。



それからすぐに、俺を含めた救世ちゅさまと愉快な仲間たちとも自己紹介と相成ったわけだけど。


おかげさまで、随分とスムーズに、和やかに終えられたのは。

やっぱりラルさま様々ですなぁ、なんて思っていて……。



SIDEOUT



      (第70話につづく)










次回は、5月10日更新予定です。

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