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焼けくそレーシック  作者: あまやま 想
第2部 福岡編 第5章 新天地
95/150

3月31日(土)  お3

「桜田様、お待ちしておりました。これが新居の鍵です。契約上は明日からですが、今回は前日下見サービスが付いておりますので、前日の鍵のお渡しをしております。ただし、荷物の本格的な積み込みは翌日以降にお願い致しますね」


「はい、ありがとうございます!」


 鍵の引き渡しはアッと言う間に終わった。これで次はいよいよ新居へと行くことになるが、その前に一回会社に戻ってからスーツケースを取りに行くことにした。


 先程とは逆の道順で、天神地下街を経由して二本の地下鉄を乗り継ぎ会社に戻ると、すでに瀬々串専務はいなくなっていた。時間的にもう夕暮れになっていたので、瀬々串専務を誘って三人で夕食を食べようと美和と話していた。


「紫ちゃん、どうする?」


「どうしようか?」


「よし、じゃあ、もうしばらく我慢して、とりあえず、スーツケースを持って新居へ向かおうか?」


「夜はどこで食べるの?」


「私の家で食べさせてあげるけん」


 この後、三たび博多駅に向かった後、天神まで地下鉄で向かう。それから天神地下街を通り抜けて、天神南駅から七隈線で一気に、七隈駅まで向かう。


 七隈駅に付いた頃には外はすっかり暗くなっていた。駅前にある新居のアパートへ早速行く。不動産屋でもらった鍵で新居を開ける。それから、スーツケースを置いてから、軽く新居を見渡す。


「今日はこれぐらいでよかでしょう? 明日、またじっくり見れば…」


「確かにそうね。では、行こうか?」


 結局、この日は美和の家でお世話になったものの、彼女の家の冷蔵庫に大した食べ物がなかったため、福岡大学の近くにある「とりのすけ」と言う居酒屋で夕食を済ませた。それにしても福岡は本当に食べ物がうまい。


 それから、稲森美和の家に再び戻る前に、コンビニでビールや酎ハイ、それからさけるチーズやクラッカーなどのつまみを買う。もちろん、明日の積み込みに向けて早く寝るはずもなく、夜遅くまで美和と紫は飽きることなくガールズトークをしていた。


 明日の積み込みには瀬々串専務と学習教材担当の河浦、一番の若手の柿本が手伝いに来てくれる予定になっているが、紫は明日起きれるかどうか不安に思いながら眠りについた。

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