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焼けくそレーシック  作者: あまやま 想
第3章 決着
72/150

3月4日(日)  ☀2☀

「そりゃ、紫の気持ちも分かるよ…。どこの馬の骨かも分からない人と、突然結婚前提に付き合うなんて、実に乱暴な話だよ。でも、恋愛なんてそんなもんじゃないのかね…。むしろ、知らない事が多い方が新鮮さも長持ちするから、うまくいくもんだよ。いろいろ知り過ぎたばっかりに、不幸になる事も案外多いのよ」


「そうかもね…」


「まあ、一つだけ言える事は、子どもの幸せを願わない親なんて一人もいないってことよ…。紫にはおせっかいにしか思えない事も母さんにとっては愛情表現なんだから…」


「もう、母さんったら、聞いている方が恥ずかしくなる…」


「じゃあ、相手の小倉義広さんに伝えておくからね」


「分かったよ。じゃあ、私、帰るね」


「気をつけて、帰るんだよ」


 昼前に実家を出る。休日に朝早く起きると一日がすごく長く感じる。さて、昼から何をしようかな…。紫はとりあえず一度家に戻る事にした。


 確かそろそろ、福岡の新居の契約書が不動産屋から届く事になっていたはずだ。電車でゆられること三〇分…。さらに自転車で十分かけて家に戻ると、ポストにレターパック350の不在票が入っていた。


 差出人は「賃借のプレスタール春日山」となっている。不在票を見ながら電話をすると、三時過ぎに再送ので待っていて欲しいと連絡があった。


 しばらく、ラジオを聞きながら、のんびりと角田光代の「八日目の蝉」を読む。浮気相手の女性が男性の家から生後四ヶ月の一人娘を奪って、実の子どもとして育てていくと言う設定はとても斬新である。


 誘拐犯の女を実の母だと思う娘は、救出された後に過ごす事になる本当の家族に常に違和感を持って生きていく。それだけじゃなくて、いくつもの伏線が物語を一層味わい深いものにしていく。


 突如、コンコンコン…とドアから音がして、急に現実に引き戻される。

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