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焼けくそレーシック  作者: あまやま 想
第2章 変化
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61/150

2月28日(火)  ★3★

 それから四人は会社に戻って、午後からの業務をこなす。紫は井出と一緒に引き継ぎの最終チェックを行った。最後は取引先リストや銀行口座などのチェックを念入りにする。


 もちろん、専務も立ち合った。夜は送別会があるらしいけど、紫はまた一ヶ月後に戻って来る。東京の人の感覚で言うとかなり不思議だ。きっと、福岡の人は何かに理由をつけて、酒を飲むのが好きなのだろう。


 さすが、「酒を飲め、飲め…」で有名な黒田節を生み出した土地柄である。それとも、ビオランテ出版に飲んべえが多いだけだろうか…。


 この日の作業は最終日と言うこともあり、作業が思った以上に煩雑になった。しかし、井出が家で作ったと言うマニュアルのおかげでどうにかうまくいった。


 井出はいつも定時で上がるため、妻が寝た後に会社でこなせない仕事を進めていたようだ。介護をしながら、仕事もうまいこと進めていくとは…。改めて、井出の後を継いで総務主任になることの重さを紫は感じた。


 夜は井出を除く、全ての社員が参加した。瀬々串専務が


「桜田さんとは、しばしの別れを…」


 なんて、乾杯の挨拶で大真面目に言うものだから、みんな思わず吹き出してしまった。


「専務、桜田さんは来月にはまた戻ってきますから、変なことを言わないで下さい!」


と社長が言うと、会場は笑いに包まれた。紫は全ての人と少しずつ話をするように心がけたが、酒が回ってからはそんなことはどうでもよくなった。多分、稲森美和とばっかり話していたような気がする。


 まあ、みんな酔っぱらっていたから大丈夫であろう。確か、終わった後、社長も専務も上機嫌だったからよしとしよう。

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