1月23日(月) ※2
「そうですか…。それはずいぶん思い切ったことをされましたね。ついでにおはらいもいかがですか?」
「おはらいですか?」
「確か、桜田さん、厄年でしょう?」
「はい…」
いつになくご執心の課長に課内が興味津々である。何を言い出すかと思えば、おはらいなんて…。課長の口からおはらいと言う言葉が出るなんて…。誰が予想しただろうか。
「いや〜、おはらいはいいですよ。私は今まで厄年には前厄、本厄、後厄の三年間欠かさず、おはらいをして来たおかげで、大きな災難に巻き込まれることなく、やってこられたのですから…。今からでも遅くありませんよ。ぜひ、おはらいに行ってくださいね」
「はい…」
さっきまで二人を見ていた数人が下を向いて、笑いをこらえていた。もう、この辺で止めてくれないとさすがに苦しい…。そんな雰囲気におかまいなく課長は続ける。
「おはらいに行くなら、早い方がいい。明日にでも有休を取って行って来なさい」
課長のご乱心ぶりに数名が一斉に席を外す。こらえきれずに外に出て、笑い出すものが続出した。いくら、リストラで二ヶ月後に首を切られると言っても、さすがにやり過ぎではないか…。
「これは桜田さんだけでなく、厄年に該当する全ての方に申し上げているのですよ」
そう言って、課長は席を外した。それからしばらくはいつになく課内がざわついたのは言うまでもない。課長は冗談を言っているのか? でも、もともと冗談を言うような人ではないし…。
「ええい、もうこうなったら、桜田君。君が課長の発言の真意を確かめてくれ!」
半分ばかり残った課内で、大泉がぼそりと言った。残された人達が一斉に頷く。
「そうよ、紫。今の会話からして、確認できるのはあなただけよ」
「ちょっと、陽美…。それに班長もどうされたんですか?」
「いや、このどさぐさに紛れて、残った有休を消化したなあと思って…。課長があの調子なら、厄年でなくてもおはらいしたいと言えば、休みをくれそうだな…」




