浅草2
ルーカスと美穂、二人は仲見世通りを通って浅草寺の前へと、たどり着いた。
「む、あれはおみくじでは無いか」
浅草寺の前には、おみくじが出来る場所がある。
「美穂、おみくじやって見ても良いか?」
「良いですよ。私も、やってみたいです」
ルーカスと美穂。二人は、100円を払い、おみくじを引いた。
「あ、私、中吉でした」
どうやら美穂は中吉らしい。中吉は、おみくじの中でも結構良い運勢。
美穂は、その事を喜んでいる様子だ。
(さて、私は、どうだ?)
ルーカスは筒を振って、出た番号の書かれている棚からおみくじを引いた。
出たおみくじには『薄吉』と書かれている。
「む、薄吉だぞ」
「え?薄吉なんて、聞いた事ないですよ」
確かに、おみくじには『薄吉』なんて単語は無いはずだ。
運勢が良いのか? これは?
「待ち人、うすーく来ると書かれているぞ」
「なんですか? それは」
美穂が分からない以上、この『薄吉』の正体は分からないままだ。
何?薄吉って。
「ま、まぁ、良いや。次へ行こう」
二人は浅草寺を後にして、次の場所へ行こうとした、その時だった。
「む? あそこに落ち込んでいる人がいるな」
浅草寺の境内には、藤棚下のベンチと呼ばれる休憩所のような場所がある。
そのベンチで、一人の男が落ち込んでいる。 その男は、髪の毛で眉を結っていて、浴衣を着ている。
恐らく力士だろう。
「はぁ、僕は、どうしたらいいんだろう……」
「元気出すでがんす」
「そうでごんす」
その力士を二人の友達らしき力士が励ましている。
「気になるな。あの力士」
「どうかしたんでしょうか?」
「美穂、声かけてみても良いか?」
「はい。かけましょう」
ルーカスは困っている人物は放ってはおけない性格。
力士に近づき、少し話を聞いてみる事にした。
「済まない。何か、困っている様子だが、何かあったのか?」
「あ、貴方は?」
「観光客だ。ルーカスと呼んでくれ」
「観光客の方ですか。僕は、どうしたら良いのでしょうか……」
「な、何があったんだ?」
「僕は、力士をやってる。大鶴丸って言います。先日も取り組みがあったんですが……はぁ」
「本当に何があったんだ?」
「実は、僕、極度の上がり症で、土俵に立つと、どうしても緊張してしまうんです。それで思うような取り組みが出来なくて……」
「なるほど」
「何とか、緊張しない方法を探しているんですが、全然見つからないんです……」
「なるほど、直ぐに緊張してしまうのか……」
うーん。どうしたら良いものだろうか。
「先ずは小さな場所で人を集めて慣れてみるのは、どうだ? 段々と大きくして行けば良い」
「僕も、そうしたいんですけど、中々良い場所と方法が見つからなくて、どうやったら人が集まるでしょうか?」
「ふむ。人を集める方法ね。うーん」
ルーカスは頭を悩ませるが良い方法が思いつかない。
「あ、あぁ、ルーカスさん。僕達の事は、あまり思い悩まず観光を楽しんで下さい」
「うむ。そういう訳にも……」
「本当に大丈夫ですから」
このまま、この場で悩んでも良いアイデアは思い付きそうにない。
二人は一旦、この場所を離れる事にした。
二人は浅草寺を出て、伝法院通りという通りを歩いていた。
伝法院通りは江戸の町並みを再現した観光客に大人気のスポット。
ここにも飲食店やら服屋など様々な店がある。
「大鶴丸さん。緊張を治す良い方法があると良いんですけどね……」
「うむ。そうなんだけどな〜」
ルーカスは頭を悩ませながら歩を進める。
緊張を治すことが出来る人を集める方法。
そんな都合の良いものが存在するだろうか。
「あ、ソフトクリームでは無いか」
頭を悩ませるルーカスはソフトクリーム売り場を発見した。
「入ってみます?」
「うむ。入ってみよう」
ルーカス達は店内に入り、バニラ味のソフトクリームを買った。
「うーむ。今日は暑いから、ソフトクリームは上手いな」
「美味しいですね〜」
ソフトクリームを買った二人は更に歩みを進める。
「む、これはイチゴ大福」
少し進んだ先に美味しそうなイチゴ大福が売っている店を見つけた。
「入ってみても良いか?」
「勿論」
ルーカスはイチゴ大福の店に入り、イチゴ大福を買った。
「うーむ。イチゴ大福も美味いな〜」
「それは良かったです」
芋ようかんどら焼きに人形焼きにソフトクリームにイチゴ大福など、浅草は美味しい食べ物の宝庫だ。
ルーカスは、そう感じていた。
「所で、大鶴丸さん。どうやったら上がり症が治りますかね?」
「む? それはなんだ?」
「え!? 忘れちゃったんですか?」
「ははは。冗談だ」
浅草グルメのあまりの美味しさに、ルーカスは危うく大鶴丸の事を忘れそうになった。
危ない。危ない。大鶴丸の上がり症を治す方法を考えないと。
ルーカスは大鶴丸の事を考えながら歩を進める。
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