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死んじまったヤツには興味が無え

床に置いた軍刀を手に取り、バーニーを縛る縄を切る。

「ジムおじちゃーん!うわぁーん……」


縄から解き放たれたバーニーが、ジムに飛びつくように抱き着く。

「バーニー、済まなかったな、心配掛けちまった」

そう、バーニーを抱きしめる。


「旦那、礼を言うぜ。ホントに死ぬかと覚悟したぜ」

「うむ、礼ならワシより、バーニーに言っておけ。この子がお前さんの名を叫びながら泣いておった故、慌てて駆け付ける事が出来た。もう(しば)し遅れておったら、恐らく今頃お前さんは来世で目覚めておったやも知れん」


「ははは、そうか、バーニー有難うな♪」

ジムは、ガシガシとバーニーの頭を撫でる。

「痛いよ、ジムおじちゃん」

「はは、悪い悪い……ってか、はぁ~……オレの血のりがバーニーにべっとり付いちまった、後でジェシーがビックリしちまうぜ……」


「さて、いつまでも、ここに居ても仕方あるまい。そのジェシー達も心配しておるだろう。帰ろうか」

「ああ、旦那。そう言えば、一応用心してくれ。後二人下に生き残りが居た筈だぜ、もう逃げたかも知ん無えが」

「うむ、それなら心配無い。その二人なら、さっき階段のところで、ワシが始末した」


「はは、さすがは旦那だぜ。それで……ホバートの野郎は?」

「それも心配無い、無論始末した。何なら、ヤツの死に顔を拝んで帰るか?」


「……………フッ、いや死んじまったヤツには興味が無え。それより、バーニーを早くジェシーの所に返してやりたい」


「まあ、それが良かろう。どのみち、顔を拝んだところで、判別は付かんだろうからな」

「ん、ソイツはどう云う……?」


「今頃は酷く腐敗も進み、ヤツの(つら)は見る影も無い筈だ。それに腐臭も凄まじかろう」

「腐敗とか腐臭って……はぁ~、まさか、そいつも旦那の魔法ってやつかい?」

「うむ、まあ、そんなところだ」


「さて、じゃぁバーニー、ママのところへ帰ろうぜって……はは、寝ちまったぜ♪」

「已むを得まい、怖い思いをして、そして助け出され、安心したのであろう」


ジムは眠ったバーニーを抱え、そっと起こさぬ様に立ち上がり、死屍累々としておるこの部屋を後にする。


「さて旦那、帰ろうぜ、ヌアザの町に」

「うむ」


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