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【ジム、潜入】 後は、旦那が……

ドサッ!

目の前の五人の男共が倒れる。


全員、脳天をぶち抜いた。

最初に()った小男には、当然引き金を引く暇は与えちゃい無え。

バーニーは無事だ。


「痛っ!」

小男を先に撃ったせいで、コルト・ウォーカーの弾を貰っちまった。

左腕の感覚が無え。

まあ、バーニーを救う為さ。

易い代償ってヤツさ。


ん!

部屋の外の足音が大きく慌ただしく成る。

今の銃声で、慌てて駆け寄って来たんだろう。


ドン!

両扉の片方が勢い良く蹴破られる。

「ボス!」


咄嗟に、ホバートのナイフを抜き、飛び込んで来た男の眉間目掛け投げつけ、ジャコビーのコルト・ウォーカーに飛びつき引き金を引く。


ドゴーン!


ドゴーン!


投げたナイフは、男の喉に突き刺さる。

ああ……ま、狙いは外しちゃいるが、結果オーライってヤツさ。

で、扉の裏に居た二人は、気配を頼りに扉越しにぶち抜いた。

手応えは有った。

多分生きちゃい無え。


ま、()ったヤツ等はどうでも良い。

椅子に縛られたバーニーの元へ歩み寄り、猿轡(さるぐつわ)を外す。

「待たせちまったなバーニー、帰ろうか♪」

「ジ、ジムおじちゃーーん……う、うわーーん!」

バーニーが堰を切った様に泣き出した。

今まで、我慢してたんだろうぜ。


「ハハハ♪もう心配無え、直ぐにロープを(ほど)いてやるからな」

と言っても左腕が動か無えし、こうキツく縛られてるんじゃ(ほど)けそうに無え。

しゃあ無え、ホバートのナイフで、ロープを切るか。


「ジ、ジム叔父ちゃん……血がいっぱい……痛く無い……?」

「ん?ああ、心配掛けて済ま無えな。コイツはかすり傷見たいなモンさ」

重傷と言やあ重傷だ。

普通なら、一生左腕は動か無えだろうが、まあ、旦那が魔法で治してくれるさ……てか、治せるよな……旦那の魔法……。


「ま、ともかく、ちょっと待ってろ。ロープを切るナイフを取って来る」

さっき投げたホバートのナイフを取りに向かおうと、ナイフが刺さった男が倒れている扉の方に足を向ける、その刹那、視界が歪み、崩れる様に片膝を突く。

「な、何だ?痛っ!」

痛みは左肩じゃ無え。

そっちは、もう感覚も無え。


右のわき腹が、痛てえ……。

無意識に右手を腹に当て、その手を見る。


「な、なんじゃ、こりゃ!」

確かに偉れぇ血だ……バーニーが言ってたのはこっちの事か……。

足元の血だまりが、半端無え。

そうか……もう一発、貰っちまったみたいだな。


あ、マズイ、目が霞んで来やがった。

コイツはダメかも知ん無え……。


だが、まあ良いさ。

バーニーは救えた。

下に、まだ二人残ってた筈だが、ヤツ等もボスが殺されて、一家(いっか)も壊滅。

わざわざ、バーニーの命は取ら無えさ。

余程のアホでも無けりゃ、テキトーに金目の物を漁ってトンズラするさ。


ドサッ!


バーニーがオレの名を呼んで、泣き叫ぶ声が遠くで聞こえる……。

自分の血溜まりに倒れるなんざ、気分の良いモンじゃ無えが、どうしようも無え。

力が、入ら無え……。


バーニーの縄を切ってやれ無えのは心残りだが……まあ……あとは、旦那が……バーニーを……ジェシーの……元に…………。


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