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飛び立つ、小鳥?

うむ、忘れておったわけでは無い。

ウィルオウィスプを初めて召喚した時と同じ現象だ。


「で、旦那、まさかソイツに空から探させようって……?」


デカラビアは姿形(すがたかたち)が五芒星の形をしておると云う、奇妙な見た目の悪魔だが、この悪魔は鳥を使役する。

故に、その眷属の小鳥を使って、空から三か所のアジトを偵察させようと召喚したのだが……。


「やはり、召喚魔法は未だチト早かったか……」

悪魔本体の召喚は、未だ当面無理そうだな。


「まあ、成りはデカいが、空さえ飛べれば偵察に使える……筈だ」

試しに、スズメに上空を旋回する様に命じてみる。


「チュン!」

と、ひと鳴きし、翼を羽ばたかせると……やっぱり飛べんか。


「ああ……旦那?」

「はぁ~……言うな……」


本来、自我なぞ持たん召喚されたばかりの使い魔だが、それでも、鳥としての矜持が許せんのか、チュンチュン鳴きながら羽を羽ばたかせておる。


「そう言えば旦那、飛び上がるのが苦手なアホウドリは、助走して飛び立つって聞いた事が有るぜ」

「うむ、成るほど、試してみるか」


そして、スズメにそう命じると、数十メートルほどの助走で、どうにかその重い体を空に舞い上げる事が出来た。

一度空に上がれば、安定した飛行をする。

まあ、これならば、どうにか役目を果たせそうだ。


他の二つの魔法陣にも魔力を注ぎ込み、更に二羽のスズメを召喚、南西の廃砦、南東の牧場跡、東の峡谷へと向かわせる。


「それで旦那、この後はどうするんだい?」

「まあ、暫し待つさ。空から偵察させておる。さほど待つことも有るまい」


だが、無為に時を過ごす事も無い。

時間は有効に使わんとな。


ジムが持って来た得物は、いつものコルト、それと取り回しし易い様に銃身を短くしたウィンチェスターライフル。

ゴブリンとの戦いで使い捨てにしておったパーカッションや、たすき掛けにしておったガンベルトは置いて来た様だ。

さすがに、邪魔だからな。

だが、コルトで六発、そして、ウインチェスターで十四発。

合わせてニ十発、装弾(リロード)無しに撃てる。

つまり、ジムの場合は二十人の命を奪えると云うことだ。

まあ、こ奴なら十分だろう。

それに、仮に必要なら、こ奴なら敵から調達するだろうからな。


で、ワシの方はいつもの軍刀と、いつもの十四年式拳銃。

十四年式の弾倉は小の刻印の物が、銃に差して有る物と予備の物、合わせて三つ。

二十四発に成る。

まあ、これも十分とも思えるが……。

「もう一つ武器が欲しい処だな」


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