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ばれる!?

「うむ、已むを得ん。またジムが軍からかっぱらって来た魔道具、と言う事にでもして貰おう」

「はぁ~、旦那さすがにソイツは無理が過ぎるってモンだぜ……」


「ん、まさか!?」

その聞き覚えのある声と口調に、背後を振り返るとヤツが居た。

「ジム、いつの間に……」

ワシとした事が、抜かった。

背後に潜まれている事にまったく気付かんとは……。

しかも、ワシの魔法を見られてしまうなぞ……いや、ワシは隠身(かくりみ)を施している筈。

術はまだ解けておらん。

それでも、ヤツはワシが?


「お前さん、ワシが見えるのか?」

岩陰から現れたジムが、此方に歩み寄ってくる。

「旦那、一体ソイツはどうやってるんだい?どうにか微かに、ぼやけて見えてるぜ。視線を少しでも逸らせば、今にも見失いそうだがな」


何とも、驚いたものだ。

その(たぐい)まれな集中力と精神力で、ワシの術を看破しておるとはな。

もし、こ奴がワシの命を狙う敵なら、もう既に今一度、輪廻の輪に戻って()ったろう。


もう、必要あるまい。

隠身(かくりみ)の術を解く。


「フッ、ソイツも旦那の魔術ってヤツかい?」

やはり、術を見られてしまったらしい。


「はぁ~、で、お前さん、いつから?」

「クイーンの(むくろ)に手を合わせて、良き来世がどうとかって辺りからさ」

成るほど、最初から見ていたと云う事か。


「それにしても驚いたぜ。まさか、旦那が伝説上の魔導士だったとはね」

「ん、伝説?お前さんも、その銃で魔法を放てる。お前さんも、言わばその魔導士では無いのか?」


「ハハ、まさか、オレは銃に弾を込めて、撃鉄を起こして引き金を引くだけさ。魔導士なんてモンじゃ無えよ」

「なら、その魔銃なり魔弾なりを作っておる者達や、魔道具を作っておる者達は?」


「彼らは、ガンスミスと魔導技師さ。まあ、魔法と言えば魔法かもしれんが、あくまで、技術者さ。旦那みたいに、即興で地面に魔法陣描いて、魔法を発動させるなんて芸当出来無えよ。魔銃や魔道具の魔法陣は、製図する様に精密に描かなきゃなら無えからな」


「しかし、魔物共の中には魔法を放ってくるモノが居るぞ」

「ソイツは、本能で放ってくるモノさ。魔法だが術と呼べるモンじゃ無え。まあ、人の中にも、色付きの魔力結晶を持った中には、そう言う芸当が出来るヤツも稀に居るが。ま、実用的な威力は無いらしいぜ。オレの知り合いには居無えけどな」


うむ、やはり、ワシの魔術はこの世界では、かなり異質な存在であったか……。


「まあ、今更、旦那を疑う積りも更々無いが……で、旦那はいったい何者なんだ?」


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