表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

103/182

ゴブリンとの前哨戦 【刈り取り】

軍刀を抜き放つと、棒立ちに成って居るゴブリンの首を刎ね飛ばしていく。

当然、悲鳴など上げさせん。

ヤツ等は自分が死んだ事にすら気付いて居らんだろう。


五匹ほど切り伏せた処で、巻き上がる鮮血とその血の匂いに、ゴブリン共がさらに慌て始め、ギャーギャー!と奇声を上げ始める。

アレは、ヤツ等の言葉……とも思えんな、猿が鳴き喚くのと差して違わんだろう。


どうやら、隠身(かくりみ)は解け、奴等もワシに気付いた様だ。

バン、バン、バン!


ワシに銃を撃って来るものも居るな。

だが到底、銃を使いこなしているとは言えん。

てんで、的外れだ。


「成らばワシも、派手にやらせて貰おう」

軍刀を左手に持ち替え、右手で十四年式を抜く。

そして、コッキングノブを歯で噛んで引っ張り、装弾する。

鉄の味が口に広がる。


そして、さっきワシに銃を向けたゴブリンに、素早く照星を合わせて引き金を引く。

パン!

額を撃ち貫かれたゴブリンが、そのまま仰向けに倒れると、そのゴブリンが持っていた銃を別のゴブリンが拾い上げ、撃って来る。

バン、バン、カチャ、カチャ!


どうやら、弾切れと言う事が分って()らんらしい。

そのゴブリンに歩み寄り、軍刀を振り下ろす。


ターン、ターン!

向こうからも銃声。

どうやら、ジム達も始めたらしい。


「さて、ワシも刈り取りを続けよう」

パン、パン!とゴブリン共を撃ち殺し、ザク、ザク!と切り殺す。


うむ、今まで、黒の森とやらで狩って来た魔物どもや、先日のオーガに比べると、何とも歯ごたえが無いものだ。

どうせなら、そのレッドキャップとやらを刈り取るとするか。

辺りを見回す。


居た、赤い頭だ!


だが未だ距離がある。

パン、パン!

ゴブリン共を撃ち殺し、切り殺しながら赤い頭を目指して走る。


ふと、激しく撃ち合っているジム達の方に目をやる。

ズドン!

ジムの銃が的確にゴブリンの頭を射抜く。

相変わらず見事な物だ……ん?


ジムが、その撃ち殺したばかりのゴブリン目掛けて走り出す。

ん、なにをする積りだ?

フッ、ゴブリンの持っておった銃を拾いおった。

バン、バン、バン!

その銃で、三匹のゴブリンを射抜いて、またそのゴブリンの骸が手にする銃目掛けて走り出す。


そしてまた、その銃を拾い上げ引き金を……が、弾が出ん。

どうやら動作不良の銃を拾い上げたらしい。

「はぁ~、何をしておるのだ……」

で、ズドン!と自分の銃で別のゴブリンを撃ち殺して、また銃を奪う。


ハハハ、しかし、成るほどな、銃を借りる当てとか申しておったが、そう言う事か。

それにしても……なんちゅう戦い方をしておるのだ。

まったく、器用な男だ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ