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吾輩はイヌになってしまったらしい  作者: たんぜべ なた。
昨日から続く今日、そして明日へ繋げる
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閑話休題 (青ざめるミユさん)

(どうしよう…この収入は流石に課長に目をつけられてしまう。)

 現在、私を悩ましている通帳…木之本夫婦に貸し出している動画チャンネルの収入が振り込まれる通帳です。

 半年前から五桁の収入が安定的に振り込まれ始めたのですが…。

(何をどうすれば、こんな収入が発生するのぉ!!)

 直近二ヶ月は六桁から七桁近い数字が踊っているのです。


 公務員でも副業をしている人はいます。

 とは言え、出来ることは国家試験や高校入試の会場監督や巡視係など、日(・)当(・)レ(・)ベ(・)ル(・)の(・)ア(・)ル(・)バ(・)イ(・)ト(・)ばかり…とてもじゃないけど六(・)桁(・)の(・)月(・)給(・)が出るような副業なんてあり得ない!


 こんな副収入バレた日には…

 地元新聞にスッパ抜かれれば、スキャンダル待った無し!

「公僕の分際でぇ…」って、住民の皆様からのクレームも待った無し!

 その前に、確定申告でバレた瞬間に課長達からの説教待った無し!

「いやぁ~~~!

 お説教いやぁ~~~!

 譴責怖いぃ~~~~!」

 思わず心の声がダダ漏れしちゃう。

 あ~あ、ケイコ姉さんが白い目でこっちを見てる。


 そもそも、何でこんな事態になってしまったのかといえば…。


 ◇◇◇


 それはほぼ一年前の事。

 仕事の帰りに、遅めのおやつを楽しむべく、木之本夫婦の経営する喫茶店に行き、コーヒーを嗜んでいた時の事。


 突然、タツローから声をかけられました。

『SNS以外に動画を世間に公開する方法を教示願いたい。』


 タツローがタブレットを使って話しをする事は、ケイコ姉《ネェ》から聞かされていましたので…

「どうかしたの?」

 何気なく返答したのが失敗でした。


『SNSで動画を登録しても、タイムラインが流れてしまえば、反応が無くなってしまう…。』

「当然の結果ね。」

『というわけで、SNS以外に動画を公開する手段を探している。』

「それなら、動画チャンネルを登録すれば良いんじゃない?」

 高校生時分、友達とおもしろ半分で動画チャンネルを使って動画配信をしていた事を思い出し、軽い気持ちで返答しました。

『動画チャンネル?

 もう少し詳しく。』

 タツローちゃん、食いついてきます。


 彼の思惑を確認しながら、こちらも手札を小出しにしていたのですが…それが不味かった!


『ほうほう、ミユさんは動画チャンネルをお持ちで、動画配信の経験もノウハウも良くご存知なんですね。』

「まぁねぇ~。

 私でよかったらお手伝い出来るかも知れないわね♪」

『であれば、動画チャンネルを間借りすることも出来ますか?』

「今は使っていないから、お店の宣伝に全て振っても良いわよ。」

『ありがとうございます。

 それでは、こちらからは広告料の支払いについて相談をさせていただければ。』

「あ、大丈夫、大丈夫。

 タダで貸し出すわ。

 むしろ、お店のコンテンツに人気が集まれば、こちらに広告収入が発生するから、出演料を支払わないといけないくらいよ。」


 どうにも相手が人間じゃないと、ついつい気が緩んでしまいますね。

 それに、本業で生活費は十分に賄えています…動画チャンネル等、始めから充てにしてはいません。


 結果、動画チャンネルで発生する広告収入は折半となったのですが…。

 どこかの誰かさんが、ハッスルしたお陰で、チャンネル登録者数が10万人越えを果たしてしまい、現在もなお増加中!


 タツロー監修のもと、木之本夫妻もSNSで頑張っていた勢いで、ショート動画はドンドン配信すれば、まとめ動画でフォローも忘れない!

 チャンネルはあっという間にお笑いコンテンツでミッチリ!

 そりゃ、これだけセンセーショナルな作品が粒揃いで掲載されれば、引っかかる人も増える訳よね。

 流石と言うか、抜け目が無いと言うか…恐るべしタツローちゃんです。

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