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まるくんの夢物語  作者: まるくん
第42章 小さな町の6人の奇跡
43/70

生徒たちの青春と努力、奇跡的な勝利が描かれる。駅伝とバスケでの感動的な優勝が、彼らの絆をさらに深めめ、まるくんが過去を振り返りながら、生徒たちに「今」を楽しむ大切さを伝える。

 

 一般応援団の貸切バスは、東京体育館から岡山へと出発し、生徒を乗せたバスはディズニーランドへ向かいました。冬休みを犠牲にして、応援してくれた生徒たちへのご褒美でした。

 ホテル組の一般応援団は、高齢者が多かったので、もう1日宿泊することになりました。

 生徒たちと、バスケ部員、萌々香と紫鬼、大牛蟹と乙牛蟹、付き添いでスチュアート理事長、ジョン先生、森脇先生、白鬼、まるくんがディズニーランドで閉園まで遊びました。

 まるくんは、アトラクションに興味はなく、ベンチに座って生徒たちの遊ぶ姿を眺めていました。生徒たちは、まるくんの姿を見つけると、会釈して通り過ぎました。

 彼女たちや彼らは、まるくんにとって眩しすぎるほど輝いていました。それは、自分の過去がどこか曇っていたからかもしれません。まるくんは自分の高校時代を思い出さずにいられませんでした。

 もっとも後悔していることは、なぜもっと勉強しなかったか、という事でした。もし中学生くらいまで戻る事が出来たら、たくさんの忠告を与える事が出来るのに、と思ってしまいます。

 いま生徒たちに、この忠告をしてもうるさがられるに違いありません。まるくんが過去に戻って忠告して、中学生の自分が素直にその事を聞き入れるかどうか自信はありませんでした。なぜなら、勉強をしないといけないと分かっていても、中学生の自分は遊んでばかりいたからです。

 中学生の時、帰宅してすぐに宿題を片づければ気が楽になるのにと分かっていても、鞄を放り投げて遊びに出かける自分がいました。その自分に、忠告が通じるだろうか、と疑問に思いました。

 ベンチで、石丸君や宮部葉月さんらの東大合格部の生徒たちが、英単語帳を見て勉強していました。

 まるくんは、彼らに近寄って、

「今日は勉強を忘れて、思いっきり遊んだら」

 と勧めました。

「でも、、。」

「勉強はあした挽回できるけど、今日のディズニーランドは、あした挽回できないよ」

「どうしょう?」

 宮部葉月が石丸君に聞きました。

「さっきから遊びたくてうずうずしていたんだ」

「今日だけ遊ぼうか?」

「決めた! 遊ぼう!」

 宮部葉月は、単語帳をパタンと音を立てて閉じました。

「今日は青春をする日だ!」

 石丸君は立ち上がって大げさに言いました。

 みんなが立ち上がって、アトラクションのほうに小走りに向かいました。

 大牛蟹と乙牛蟹は、常識はずれの行動をする事があったので、萌々香と紫鬼、白鬼をつけました。

 生徒たちのようすを、テレビクルーが隈なく撮影していました。

 9時になって、閉園になると、生徒たちは貸切バスに乗って、岡山に帰りました。

 まるくんと部員たちと他の人間は、ホテルに戻りました。


 翌朝、飛行機で桃太郎空港に到着すると、スチュアート理事長から「Pink Fairy Townで報告会があるので向かってください」と連絡がありました。

 貸切バスから降りると、群衆が取り囲み、歩けないほどでした。

「桜花!」、「明菜! 若菜!」

 会場は、入り切れない人たちが通路にはみ出していました。

 あちこちで部員たちの名前が叫ばれ、手を振ったり、握手を求められたりしていました。ほとんどの人がスマホで写真を撮っていました。泣きながら手を振る人もいました。

 部員たちは特設台に上がると、カフェテリアの橋田詩織がジョン先生に花束を贈りました。橋田みつゑは、大きな声で、「おめでとう!」と叫んでいました。

 キャプテンの桜花が応援してくれた人たちに挨拶しました。

「みなさまの応援のお陰で、駅伝とバスケット大会に優勝することが出来ました。これからも頑張って練習しますので、応援をお願いします」

 会場は拍手が鳴りやみませんでした。

 報告会がおわって、みんなはペレシュ城に帰りました。

「お帰り! まるくん、宅急便が届いてますよ。キッチンに置いてます」

 和歌子さんが、帰る早々、荷物の事を教えてくれました。

 まるくんがその荷物の差出人を確認すると、時計の修理屋からでした。梱包を解いて、中身を出しました。

「ハト時計だ! 新品みたいに綺麗になった」

 紫鬼が目を大きくして覗き込みました。

「こんなに綺麗にしてもらえるとは思わなかった」

 まるくんは、そう言いながら、ハト時計の裏側を見ました。そこには003と彫られていました。以前ハト時計があった壁に、それを掛けました。

 萌々香が松ぼっくりの形をしたハト時計の錘を引き下ろし、携帯の時計を見て時間を合わせました。時計がカチコチと時を刻みました。

 シズカが飛んできて、ハト時計の屋根に止まりました。

「やっぱり、ここが落ち着くわ」

 やっと、ハト時計とシズカの見馴れた風景が戻って来ました。

 バスケ部員たちが、着替えてキッチンにやって来ました。まるくんと萌々香、紫鬼も着替えて来て、和歌子さんが夕食の配膳に取り掛かりました。

 ハト時計が7時を告げました。

「今日は、お祝いを兼ねてすき焼きにしました」

 大牛蟹と乙牛蟹の前には、大量の肉と野菜が盛られていました。

「やった! すき焼きだわ」

 ジャクリーンは、鉄鍋の湯気の中に顔を近づけて、匂いを嗅いでいました。彼女は、和食の味に馴れ、わけてもすき焼きは彼女の大好物でした。

「白いご飯とすき焼き! これが最高なのよね」

 アマンディーヌも、すき焼きは大好物でした。

「若菜は肉ばっかり食べてる」

「野菜も食べてるよ。ほら」

 若菜は白菜を箸で持ち上げて、明菜に示しました。

「私もお肉、お肉!」

 沙織が肉を探して、箸でつかみました。

 少食のまるくんは、みんなより早く食べ終わって、自分で入れたコーヒーを持って、喫煙所に向かいました。ペレシュ城の裏にある喫煙所から、建築中のペレシュール城のシルエットが見えました。

 ペレシュール城は、ペレシュ城をコンパクトにした建物で、ルーマニア王室のフェルディナンド1世とマリア王妃が暮らしていたことで知られていました。特にマリア王妃は、ペレシュール城を非常に愛していたと言われています。

 その外観を真似て建て、前鬼と後鬼、大牛蟹と乙牛蟹、白鬼の住居としました。

 まるくんは、タバコを吸いながら、ペレシュール城を眺めて、まだまだやる事がある、と思いました。


 弁護士の雉原一郎は、町役場や教育委員会に出向いて、公立中学校の買収を運動していました。町の財政状況を考えると、町長はその提案に飛びつきましたが、独断は出来ないので議会に諮りました。

 ある町会議員から、猛反対されました。

「義務教育である中学校を民間の学校法人に売却するなどとんでもない。就学の公平性が保たれないのではないか! 勉学の機会均等が失われる恐れがあります」

「民間だと、いつ破綻するかわかりません。義務教育の中学をそんな不安定な学校法人に委ねる事は憲法にも違反すると思われます」

 そう言った意見が多く見られ、中学校の売却は町議会で否決されました。

 まるくんは、雉原一郎から経緯を聞いて、

「やっぱり反対されたね」

 と、驚く様子は見せませんでした。

「それでも中学校は開校するつもりなんですね」

「もう校舎はかなり出来上がっています。スチュアート理事長もやる気満々ですよ」

「スチュアート理事長は、女子野球部と女子アイスホッケ―部も作ると言って頑張ってます。ヘッドコーチの人選も行っているようです」

 雉原一郎と話していると、静香がノックして入って来ました。

「マリーヌがアメリカから帰って来ました」

「帰って来たか。まるくんが来ているから、こっちに来て、と言って」

「わかりました」

「マリーヌはDARPAとの交渉に行っていたんですね」

 まるくんは、雉原一郎に聞きました。

「はい、かなりいい成果になったようです」

 マリーヌがノックして部屋に入って来ました。

「おかえり、マリーヌ。元気そうだね」

「ハイ、まるくん。久しぶりね。アマンディーヌがペレシュ城にいるから、安心してアメリカに行けたわ。ありがとう」

「問題ないよ。アマンディーヌがいると賑やかでいい」

「DARPAとの成果を聞かせて下さい」

 雉原一郎は、我慢できないように言いました。

 マリーヌはソファに座り、書類を出して説明しました。

 その内容は、空飛ぶプリウスが3000億円で売却でき、さらに特許の売却で毎月100億円が加算されました。これで月々のアメリカからの振込は、合計で200億円になりました。

「アメリカ政府の反応は、とても好印象でした。これで軍事費がかなり抑えられるのではないかと言って頂きました」

「そうだろうね。でも心配の種も出来る事になる」

 雉原一郎は、不安そうに言いました。

「どういう事ですか?」

「シェールガス、シェールオイルの産業が衰退するかもしれない」

「空飛ぶプリウスでは、石油は必要ないからですね」

「シェールオイルとかはコストが高いからね。売れなくなる。石油の需要が落ちるのは目に見えているから、高コストのシェールオイルがすぐに影響が出てくる」

「サウジアラビアも安心してられませんね」

「需要は落ちるね」

「そうだ、アマンディーヌが駅伝とバスケで優勝した」

「はい、彼女からメールをもらいました。応援に行きたかったわ」

「駅伝は、苦手なのに頑張ってたよ」

「すぐにバスケの試合だったから、たいへんだったとメールにありましたわ」

「今度、地上波のテレビでドキュメントが放送されるそうだよ」

「そうなんですね。楽しみだわ」


 スチュアート理事長に会いに、Pink Fairy High Schoolに行くと、彼は建設中の中学校の校舎にいました。

「だいぶ出来上がっているね」

 まるくんは、スチュアート理事長を見つけると、そう声を掛けました。

「まるくん、来られるのなら声を掛けてくれればいいのに」

「冬休みなんだから、休めばいいのに」

「春に開校しようと思うと、ゆっくりしてられません。たとえば、この教室は化学室です。ここではなにが必要かとか考えると夢が広がるのですが、その分、忙しくなるのです」

「教師の選定とか、生徒募集もやってもらっているのに」

「お陰でいい先生が集まりそうです。生徒も順調に増えています」

「女子野球と女子アイスホッケーの設立もあるんだろう?」

「そっちのほうは、ジョンに手伝ってもらってます」

「ジョン先生は、バスケの練習に来ている?」

「はい、体育館で練習しています」

「今から顔を出しておこう」

「一緒に行きましょう」

 体育館では、バスケ部員が激しい練習をしていました。

 桜花、明菜、若菜がコミカルな動きとパスで、大牛蟹と乙牛蟹を翻弄していました。沙織は3点シュートをしたとかと思うと、負けずにドライブカットしていました。アマンディーヌとジャクリーンも、ターンしてゴールを決めていました。

「ハイ、ジョン!」

 スチュアートが声を掛けました。

「やあ! スチュアート。まるくんも来たんですね」

「女子野球と女子アイスホッケーがどうなっているか知りたいんだ」

「部員はまだ少ないですけど、ヘッドコーチとかは決まっています。部員については手ごたえがあります。問い合わせとかは結構きてます」

「ジョンが駅伝とバスケで優勝させたので、全国から問い合わせがひっきりなしに来ているのです」

「それがジョン先生の狙いだったんだね」

「彼女たちのフィジカルなら、駅伝も勝てると思ったのです。ただ持久走に強いのが4人だったから、あとひとりが不安でしたけどね。でも、ジャクリーンもアマンディーヌも走ってくれました」

「学校のいい宣伝になりました」

 スチュアート理事長は、経営者らしい発言をしました。

「Pink Fairy High Schoolの先生、スタッフも増やす必要があるんだね」

「それは募集をかけています。たくさんの応募が来ている状態です」


 年末の大掃除が終り、みんな家へと帰りました。残ったのは、桜花、萌々香、紫鬼の子供たちと、前鬼と後鬼、大牛蟹と乙牛蟹になりました。

 普段よりも幾分か静かな日を過ごしましたが、正月2日ともなると、晴れ着の人たちがペレシュ城にやって来ました。

 キャサリンとジャクリーンが着物を着て、まるくんに新年の挨拶をしました。

「キャサリンもジャクリーンも綺麗だね」

「レンタルだけど、着てみたかったの」

 ジャクリーンは、嬉しそうに言いました。

「アマンディーヌも着物を着ている」

 桜花が目ざとく見つけました。

「ハイ、まるくん。新年おめでとう」

 アマンディーヌは、まるくんに新年の挨拶をして、

「ジャクリーンと同じところでレンタルしたわ」

 と付け加えました。

 マリーヌも和服姿でした。

 彼女は、新年の挨拶を済ませると、

「みんなで着物を着て、ペレシュ城に集まろう、と提案したの」

 と、まるくんに種を明かしました。

「いいなぁ、私も着物を着たかった」

 萌々香が羨ましそうに言いました。

 まるくんは、

「着物もいいねぇ。来年は桜花も萌々香も着物を用意しよう。おっと紫鬼もね」

 みんなを食堂に招待したまるくんは、和歌子さんが作ってくれたお節料理を出しました。まるくんは、お節料理を慣習とは違って、好きな物しか重箱に詰めていません。

 みんながそれを小皿に取り分けて食べ始めました。

 スチュアート理事長とジョン先生がやって来、橋田みつゑ、橋田正次、詩織夫妻も挨拶に訪れました。雉原夫妻と、娘の沙織、息子の翔太も来、猿投夫妻と息子の紘一もやって来ました。

 橋田みつゑは、ハト時計を見ると、

「あなたは、時太の妹なの? 時子という名前なの?」

 と話しかけました。

「お祖母ちゃんは、ハト時計を見ると話しかけるんだから」

 橋田沙織がからかいました。

 彼女の夫の橋田正次は、みつゑに認知症が始まっているのではないかと不安になりました。

 次々と新年の挨拶客が訪れて、まるくんと白鬼は対応に追われました。

 和歌子さんは、動物たちの世話を白鬼に頼んで、大分に帰省していました。

 明菜と若菜も着物姿で訪れました。

「明菜ちゃんも若菜ちゃんも可愛い」

 桜花は、また羨ましそうに言いました。

「おじいちゃんが、高校入学のお祝いにプレゼントしてくれた」

 その着物を見て、桜花はまだ幼い頃、母親が生きていたときに着物を着せられて、神社にお参りした事を思い出しました。今から思うと、それは「七五三参り」ではなかったかと想像出来ました。あの着物はどうなったんだろう、あれ以来一度も来たことはありませんでした。

「いいなぁ。おじいちゃんとかが居て。私には、おじいちゃんもおばあちゃんも居ない」

「まるくんがいるじゃん」

「そうなんだけど。まるくんには感謝はしてるけど、、。」

 死んだ父も母も、私を可愛がってくれ、甘えもした。まるくんも同じように可愛がってくれるけど、祖父母の存在はそういうのとは違っていました。両親やまるくんとは、違った甘え方が祖父母には出来るような気がしていました。

「そうだ! この前、テレビのドキュメントを録画したんだ。駅伝やバスケの試合もある。みんな見ないか?」

 まるくんが突然、提案しました。

「へぇぇぇ! 見たいわ」

「見たけど、また見たい」

 と声が上がりました。

 まるくんは、ブルーレイをセットしました。

 動画が始まり、タイトルの「小さな町の6人の奇跡」が現われました。

 案内役のMCが、

「この記録は、岡山県の小さな町で起きた6人の奇跡の物語です」

 と言い、未来高原都市が映し出されました。

 食堂に居たみんなが拍手しました。

 やがて映像は、Pink Fairy High Schoolになり、体育館でのバスケ部員の練習風景になりました。

「御覧のように、この高校のバスケット部員は6人です。たった6人でウィンターカップに出場しました。それだけではありません。なんと、この6人で全国高校女子駅伝大会にも出場したのです」

 岡山県予選の駅伝大会でのゴールシーンから、都大路の駅伝大会のスタート付近が映し出されました。スタートラインには、若菜が映っていました。

「1区の若菜選手は区間新記録の素晴らしい走りで、次の沙織さんにタスキを渡しました」

「若菜も速かったけど、沙織も速かったね」

 桜花がふたりを褒めました。

「沙織選手も区間賞の走りで、2位以下を大きく離しました。タスキは、アマンディーヌ選手に渡りました。ほとんど独走状態でしたが、ここで部員が6名の弱点が起こります」

 映像は、苦しそうなアマンディーヌの表情を大きく映し出していました。

「アマンディーヌは苦しそうだね」

 沙織が言うと、

「今までの人生でこれほど苦しいと思ったことはないわ」

 とアマンディーヌは笑いながら言いました。

 母親のマリーヌは、ハンカチで涙をぬぐいました。

「3区のアマンディーヌ選手は持久走が苦手な選手です。ここで順位は17位まで落ちました。しかし、このあと、奇跡と言っていいくらいのパフォーマンスが起こります」

 映像がタスキを手にした明菜になりました。

「頑張れ、明菜!」

 もう結果が分かっているのに、萌々香が声援を送りました。

「明菜選手は、12人抜きの区間新記録をマークしました。なんとその記録は8分17秒51で、もしこれがトラックでの記録ならば、3000mの日本新記録です。しかし、この記録は公認されません。ロードでの記録は、公認記録にならないからです」

 映像は、桜花のトラックでの最後の100mになりました。

「ゴール寸前で、桜花選手は長野東の選手を抜いて優勝しました。ここでも驚くべきことが起こりました。100mのタイムを映像から計算すると、12秒31くらいになりました。5㎞近くを走って、最後の100mをこのタイムで走る事は奇跡に近いことです」

 東京体育館が映り、バスケットの決勝戦になりました。

 桜花の手首のない左手が映り、その腕でバレーボールのようなパス場面が流れました。

「桜花選手の左手は手首から先がありません。この状態で他の選手にパスしています」

 第4クォーターのアマンディーヌの高速ミサイルの映像が流れ、3点の超ロングシュートがスローモーションで流れました。

「残り時間3秒で、ブザービーター(buzzer beater)が生まれました。ブザービーターというのは、シュートしたあと、ブザーが鳴ってゴールすることです。ここでも劇的な奇跡が起こりました。このブザービーターで同点となり、延長戦でS女子高を下しました」

「このときのアマンディーヌは格好良かったね」

 明菜が彼女を褒めました。

「私はもうだめだと思った」

 桜花がそう言うと、へたり込んだ彼女の映像が流れました。

 ディズニーランドやホテルでの食事の風景も映し出されました。

 このドキュメントが放映されたあと、バスケ部員たちは一躍、時の人となって、ペレシュ城のまわりでは、カメラ小僧たちが多く見られるようになりました。


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