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まるくんの夢物語  作者: まるくん
第40章 バスケット部、駅伝を走る
41/70

バスケット部がウィンターカップの前に、全国女子駅伝大会に挑んで優勝する。ピンクのジャージで地域と共に一体感となる。緊張感あふれる試合と駅伝の劇的な展開が感動を生み出します。

 

 バスケットボール部は、間もなく行われる12月のウィンターカップに向けて、猛練習を行っていました。

 その練習が終わるころ、アンナ・マリノフスキさんがタクシーで体育館にやって来ました。

「間に合ったわ」

 ジョン・ブラッドリー先生が、

「やあ、アンナ。元気ですか?」

 と挨拶しました。

「サンクス! とても元気よ。あなたは?」

「バスケの練習で、塞いでいる暇はないよ。今日はどうしたんですか?」

「実は、まるくんから頼まれていた、大牛蟹さんと乙牛蟹さんの作業着とジャージの上下が完成したので、持って来ました。すこしでも早いほうがいいだろう、と思ってね」

 アンナは、紙袋から作業着とジャージの上下を出して見せました。

「へーい! 大牛、乙牛! こっちに来てくれ!」

 大牛蟹と乙牛蟹がやって来ました。

「これをまるくんに頼まれて、アンナさんが作ってくれたらしい」

 作業着とジャージをふたりに見せました。

「ピンク色はまるくんの提案よ。ピンクって学校の名前についているから」

「これをあっしらに?」

 バスケ部員が寄って来て、

「来てみなよ」

 ジャクリーンが言いました。

 すると、大牛蟹はズボンを降ろそうとしました。

「下はいい! 上だけにしなよ」

 大牛蟹はジャージの上着を羽織りました。

「可愛い! ピンクのジャージだよ。胸元にPink Fairiesと刺繍してある」

 アマンディーヌは、桃のアップリケを見て、

「この桃も可愛いわ」

 と褒めました。

「乙牛さんも可愛いわ」

 明菜がそう言いながらやって来ました。

「ぐるっと回って見せて」

 若菜の要望に答えて、乙牛蟹はぐるっとまわって見せました。

 沙織はドリブルしながらやって来て、

「大牛さんも乙牛さんも、ピンクの妖精みたいになったね」

 とお世辞を言いました。

 大牛蟹は、妖精みたいに、両手を羽根のように広げて喜びました。乙牛蟹も負けずと兄のように両手を広げて、飛ぶように歩き回りました。

「沙織ちゃん、お世辞を言って乗せたら、ダメだよ。純粋なんだから、その気になったよ」

「ははは!」

 沙織は、腹を抱えて笑いました。

「アンナさん、かたじけない。これで思いっきりバスケも作業も出来る」

 大牛蟹と乙牛蟹は、アンナに深々と頭を下げて礼を言いました。

 バスケ部員は、片付け始め、アンナは食堂へと行きました。

 食堂では、洋裁部の生徒たちが夕食を食べていました。

「ハイ、アンナ!」

 彼女たちは、アンナさんに声を掛けました。

「アンナさん、こっちへどうぞ!」

 アンナは彼女たちが座っているテーブルの真ん中に座りました。

「みんなゴメンね。急ぎの用事が出来たから、洋裁クラブに出られなかった」

「問題ないです。なんとかみんな考えながら洋裁をしていました」

「それで提案があるのだけど、バスケ部のジャージのユニフォームを作ろうと思うの。みんな手伝ってくれない?」

「賛成! どんなジャージですか?」

 アンナさんは、携帯を出して写真を見せました。みんながそれを覗き込みました。

「これって、大牛さんと乙牛さんだよね」

「ピンクのジャージなんだ」

「これなら私も欲しいわ。アンナさん、バスケだけでなく、洋裁部もジャージを作ったらだめですか?」

「その考えもいいわね。みんな忙しくなるけど、出来る?」

「頑張ります」


 バスケット部は、練習試合のために、他校を招待することもありましたが、招待されて都会に赴くこともありました。そのときには、護衛のために大牛蟹と乙牛蟹も同行しました。

 練習試合では、桜花、明菜、若菜のスピードに、相手選手は翻弄されました。

 素早い動きの大牛蟹と乙牛蟹も着いていけなくなったほどだったから、並の女子高生では太刀打ちできなくなっていました。

 沙織もそこそこ素早かったので、速攻は彼女も含めて4人が担当しました。

 アマンディーヌとジャクリーンは、センターとして交互に試合に出ていました。ジョン先生は、ふたりには速攻をするな、と命じました。ふたりは、持久力が問題だったのです。トランジション(攻守の切り替え)でも、走らずにゆっくりと歩かせました。

 地区の練習試合では、向かうところ敵なしでした。たいていは大差で勝利しました。

 都会へ行ったかえりには、スターバックスやマクドナルドに行く事が多くありました。田舎の未来高原都市では、スターバックスのようなお洒落なカフェやマクドナルドがなかったからでした。

 ジョン先生は、部費からスターバックスやマクドナルドでご馳走しました。

 その日は、試合が終わったあと、スターバックスに寄りました。

 店内に入って、各自が注文しました。

「兄者、練習の成果を見せるときが来ましたぞ」

「そうだな、慌てるなよ」

「では兄者、拙者から戦いを挑んで来る!」

 乙牛蟹は、注文カウンターの前に立ち、

「I'd like a Venti Dark Mocha Chip Frappuccino with extra chocolate chips and extra dark cocoa powder inside, please. (ダークモカチップフラペチーノをベンチサイズで、チョコチップと中のダークパウダーを多めにしてください)」

 と注文しました。

 注文カウンターのアルバイト風の女の子は、キョトンとしていました。

 乙牛蟹は、もう一度、同じセリフを繰り返しました。

 相変わらずアルバイトの女の子は、キョトンとしていました。

「兄者、だめだ。ぜんぜん通じない。あれだけ練習したのに」

「よし、今度は拙者が戦ってやる!」

 大牛蟹が挑戦しました。

「I'd like a Venti Dark Mocha Chip Frappuccino with extra chocolate chips and extra dark cocoa powder inside, please. (ダークモカチップフラペチーノをベンチサイズで、チョコチップと中のダークパウダーを多めにしてください)」

 女の子は、眉間に皴を寄せて、困ったような顔をしていました。

 大牛蟹は、一層大きな声で注文しました。

「~と言っているのがわからないのか!」

 今度は、店内中に聞こえるように怒鳴りました。

 そこへ厨房から、別の女の子がやって来ました。

「Can I help you?」

 ジョン先生と桜花が飛んでやって来ました。

「Can I help you?」

 再度、女の子が言いました。

「うむ。ええとだな。I'd like a ~でござる。理解した、でござるか」

「I got it. Would you like a Venti Dark Mocha Chip Frappuccino with extra chocolate chips and extra dark cocoa powder inside, is that correct? (分かりました。ベンチサイズのダークモカチップフラペチーノを、チョコレートチップとダークココアパウダーを追加してご注文ということでよろしいでしょうか?)」

「いえす、いっと、いず!」

「Can you wait a second? (少々、お待ちください)」

 さっきの女の子がピットアップカウンターで言いました。

「Your order is ready. Please pick it up at the Pick-up Counter. (お客様の注文が出来上がったので、ピックアップカウンターで受け取って下さい)」

 大牛蟹は、ピックアップカウンターに近づいていき、

「Thank you. Is this my Venti Dark Mocha Chip Frappuccino? (ありがとうございます。これが私のベンチサイズのダークモカチップフラペチーノですか?)」

 と言って、大牛蟹は自分のフラペチーノを受け取りました。

 それを見ていた桜花が、女の子に、

「ごめんなさいね」

 と謝りました。

「いいえ、私は帰国子女なんです。英語はOKです」

「お兄さん、英語で注文しても、日本人に分かる訳ないでしょ」

「そうなのか? 練習通りしたんだけどな」

 桜花は、乙牛蟹のほうに行って、

「また英語で注文するの? 通じないよ。お兄さんと同じのでいい?」

 乙牛蟹は申し訳なさそうにうなずきました。

「ダークモカチップフラペチーノをベンチサイズで、チョコチップと中のダークパウダーを多めにしてください」

「ご注文、承りました」

 乙牛蟹は、ピットアップカウンターで商品を受け取りました。


 ジョン先生は、バスケット以外にも別の事を考えていました。

 12月の終わりに開催される全国女子高校駅伝にもバスケット部をエントリーしました。

 桜花、明菜、若菜、沙織のフィジカルを見て、この4人なら、高校駅伝も勝てると考えました。問題は、持久力のないアマンディーヌとジャクリーンでした。それでも4人でカバーできると思いました。

 アンナ・マリノフスキさんから、まるくんに電話があって、洋裁部とバスケット部のジャージのユニフォームを作りたいと申し出がありました。

「それはいい考えですね」

「デザインは、大牛蟹と乙牛蟹に作ったのと同じにしたいのです」

「私にも作ってもらえませんか?」

「洋裁部で作るから、そこまで手がまわらないと思います」

「私のは、業者に作らせます。業者を行かせてもいいですか?」

「はい、それは構いません」

 まるくんは、業者をPink Fairy High Schoolに向かわせ、型紙を写させて大量にジャージを作らせました。その数は300組になりました。

 そのジャージが出来上がると、それを雉原弁護士事務所に持っていきました。

「ひまを作って、バスケットの応援にお願いします」

 まるくんは、体型に合わせてジャージの上下を配りました。

 マリーヌは、ジャージを手にして、

「私は貰っても応援に行けないわ。アメリカで空飛ぶプリウスの売り込みに行ってる」

 と断ろうとしました。

「それでも法人の関係者だから、ジャージはもらってください」

「私に合うのはある?」

「日本の3Lサイズだと大丈夫だと思う」

「それなら頂くわ」

 雉原夫妻にもジャージを渡したあと、となりのNPO法人に行きました。

 橋田正次さんに、

「ジャージを着て、バスケの応援に行ってほしい」

 と、まるくんは頼み込みました。

「いやあ! 可愛いジャージですね。私が来てもいいのかなぁ」

「橋田さんには、ほかにもお願いがあったのです」

「なんでしょう」

「Pink Fairy Sports Parkのバスケットアリーナで、ウィンターカップの岡山県予選の会場に出来ないかな? 出来たら、決勝戦もやりたい」

「その運動はしています。スポーツパークの運営にはあらゆる可能性を考えました。ウィンターカップの会場もその一環で動いています」

「実現はしそうですかね?」

「手ごたえは感じています。ただ今回は無料になりそうです。というのも岡山県バスケット協会にはお金がないのです。だから高校の体育館とかを使ってます。有料にしたら、スポーツパークには来ないと思います」

「無料でもいいから、今回はなんとか引っ張って来てほしい。移動費や宿泊費の補助を出してもいい」

「今回は入れ込んでいるのですね」

「優勝しそうな気がするんだ」


 Pink Fairiesは、第1シードなので、1回戦、2回戦は試合がなく、3回戦からでしたが、順調に勝ち上がりました。

 その試合がないあいだに、チームは高校駅伝の岡山県予選に出ました。

 1区は若菜が走って、区間新記録を出しました。2区は雉原沙織が区間賞を取り、3区のジャクリーンは順位を落としたものの何とか7位でタスキを繋ぎ、明菜と桜花は区間新記録で、先を走っていた他校を抜いて優勝しました。

 バスケットの準々決勝は、Sports Parkで行われ、まるくんを初め、地域の人が応援にやって来ました。会場は、生徒や一般人がジャージを着て来たので、ピンク一色になりました。

 Pink Fairy Townでは、大型スクリーンで試合状況が放映されました。有線でも特別枠で試合が中継されました。

 準決勝も勝ち、決勝戦に進みました。

 橋田正次さんの予言通り、決勝戦はスポーツパークで行われました。

 まるくんは、学校をあげて、応援に行かせました。

 ピンク一色の会場の中で、圧倒的な強さで県予選を勝ちました。

 ジョン先生は、大牛蟹と乙牛蟹の手助けで、猛練習をしました。県大会では、見せませんでしたが、明菜、若菜、桜花は秘密兵器の練習に余念がありませんでした。

 彼女たちは、大牛蟹や乙牛蟹のあいだをドライブカットして、前をふさがれると反転してゴールに背を向け、後ろ向きにシュートをしました。大牛蟹と乙牛蟹も対策を考えて、うしろから手を伸ばして、覆いかぶさるように邪魔をしました。明菜、若菜、桜花は天井にむけてシュートしました。ボールは高く上がって、高い放物線を描いてゴールしました。

 速攻では、沙織、明菜、若菜、桜花が走りました。肩の強いアマンディーヌとジャクリーンが高速ミサイルのパスを投げました。

 ジョン先生が編み出した3人ポイントガード制は、圧倒的なスピードの明菜、若菜、桜花がいたからこそ出来る戦術でした。

 ペレシュ城では、増設を行っていました。

 外見は、今までと同じでしたが、内部をすこし狭くして、Bランクとした部屋を80室作りました。さらにその隣に100人が宿泊できる2段ベッドばかりの部屋のCランクの建物も増設しました。

 大浴場と食堂を、Bランクの建物の奥に作りました。

 Aランク、Bランク、Cランクは、1階の屋根付き通路で繋げました。BランクとCランクの地下には、凜の要望で巨大なサーバーを設置しました。

 Pink Fairy High Schoolの後ろの広大な土地でも、中学校の建設が始まっていました。それと同時に寮も建設が始まっていました。

 建設の槌音がひびく中、バスケットボール部員は、貸切バスで京都にむけて出発しました。部員6人とジョン先生、女性の森脇先生が随行しました。ほかには、護衛として大牛蟹と乙牛蟹、まるくん、萌々香、紫鬼、和歌子さん、白鬼が付き添いとして参加しました。

 部員たちは、都大路で全国高校女子駅伝大会に出場しました。

 1区は若菜が区間新記録の圧倒的な強さで2位以下を大きく離しました。2区も沙織が区間賞で、さらに大きく引き離しました。

 ジョン先生にとって、ここまでは想定内でした。

 問題は3区でした。3区は3㎞と短い距離でしたが、この区間だけ外国人留学生の出場が許可されていたので、ハイレベルの戦いとなっていました。わけても持久走の苦手なアマンディーヌが走る事になっていました。

 アマンディーヌは、中継地点で心臓が高鳴っていました。

 付き添い兼、警護の大牛蟹が、その様子を見て言いました。

「どうってこたない。たった10分くらいだ」

「そうね。たった10分よね。私の長い人生でほんの一瞬だわ」

 そう考えると、アマンディーヌはすこし気が楽になりました。

 アマンディーヌにタスキが渡りました。

 彼女は、短距離に自信があったので、逸りがちな気持ちを抑えてゆっくりと走りました。すぐに留学生が追いついて来て抜かされました。ほかの留学生たちも、次々と彼女を抜いていき、日本人選手にも抜かれました。

 1キロを過ぎたところで、5位まで順位を落としました。さらに次の1キロで11位まで順位を落としました。

「くそ!」

 抜かれると、アマンディーヌは悔しくなりました。

「落ち着け! 落ち着け! タスキを渡すことだ!」

 心臓が爆発しそうな中、アマンディーヌは自らを落ち着かせて走りました。

 最終的に、アマンディーヌは、17位で明菜にタスキを渡しました。

 中継所には、乙牛蟹がすでに来て待っていました。彼は、車道で動けなくなっている1m82のアマンディーヌを軽々と抱えて待機所まで運び介護しました。

「よく走った!」

 アマンディーヌは、言葉に出来ず、達成感から涙が出て来ました。

 駅伝の中継は、Pink Fairy Townの大型スクリーンにも映されていました。

 カフェテリア Pink Fairyでも、大型モニターで駅伝の中継を放映していました。

 アナウンサーが声を枯らして実況していました。

「現在、トップは長野東、そのあとを仙台育英、立命館宇治、大阪薫英が続いています」

 橋田詩織は、祖母のみつゑと画面を観ていました。

「こちら3号車です。Pink Fairy High Schoolがすごい勢いで走っています。17位でタスキを受けたましたが、5人抜いて、12位までに順位をあげました」

「明菜ちゃんだわ」

 詩織が言いました。

「がんばれ! がんばれ!」

 祖母のみつゑは、小さく手を振って声援を送りました。

「解説者の金さん、Pink Fairy High Schoolが追い上げていますね」

「すごいですね。彼女たちはバスケット部らしいですね」

「こちら3号車、現在、Pink Fairy High Schoolは、順位を8位まで上げました」

「Pink Fairy High Schoolの走者は明菜さん、双子のお姉さんです。妹の若菜さんは、1区で区間新記録を出しています」

「姉妹揃って、すごい走りですね。スーパーレディですね」

「解説の金さん、1号車から、Pink Fairy High Schoolの姿が遠くに見えてきましたよ」

「順位は何位ですか?」

「こちら2号車、Pink Fairy High Schoolの順位は6位にあがりました」

「これは、日本記録を上回るのではないですか?」

「現在、3000mの日本記録は、田中希実選手の8分34秒09です」

「400mや800mのような走り方ですね」

「中継所では、長野東がタスキを渡しました。続いて仙台育英、立命館宇治、大阪薫英がタスキを渡しました。Pink Fairy High Schoolが、また抜いて5位になりました」

「記録がどうですか? 明菜さんは8分台になりそうですね」

「区間新記録は間違いないですね。次の走者は同じ学年の桜花さんです。いまタスキが明菜さんから桜花さんに渡りました」

「すごい記録が出ましたね。手もとの時計で、8分17秒51です。3000mの世界歴代5位の記録です。トラックだったら日本新記録に匹敵します。信じられません。こんな記録がでるなんて!」

 カフェテリアPink fairyでは、

「桜花ちゃん、がんばれ!」

 と、みつゑが声を大きくして応援しました。

「Pink Fairy High Schoolが大阪薫英を抜いて、立命館宇治を抜こうとしています」

「桜花さんも早いですね」

「いま、Pink Fairy High Schoolが立命館宇治を抜きました。3位に浮上しました」

 Pink Fairy Townの大型スクリーンの前では、たくさんの人々が固唾をのんで見守っていました。

「西大路から五条通りに入る前で、Pink Fairy High Schoolが仙台育英を抜いて、2位に上がりました」

「これはトラック勝負になるかもしれませんね」

「長野東も頑張っていますね。ここまでずっと1位できています。Pink Fairy High Schoolの桜花さんは五条通りを曲がりました。1位の長野東とは300mくらいでしょうか」

「どんどん近づいて来てますね。風のような走りです」

「長野東の選手が、たけびしスタジアム京都に入って来ました」

「Pink Fairy High Schoolも入って来ましたよ。その差は50mくらいでしょうか?」

「さあ、今年の駅伝は激戦になりました。トラック勝負です」

「サクラさんがギアを上げました。スパートをかけましたね」

「その差は30mです」

「またさらにギアを上げましたよ。短距離走並みです」

「その差は20m! 届くかPink Fairy High School!」

「桜花さんの走りは100m競争ですね」

「10mまで詰まった! ゴールまで30m! 逃げ切れるか、長野東! 追いつくか、Pink Fairy High School!」

「差は5mです」

「3mになった。ゴールまで10m! 5m! 抜かしました! Pink Fairy High Schoolが長野東をゴール前で交わしました。Pink Fairy High Schoolが初出場で、初優勝です」

 Pink Fairy Townの大型スクリーンの前で、歓声が沸き起こりました。

「やった!」

 みつゑは、立ち上がって大喜びしました。

「さすが桜花ちゃんだわ」

「明菜ちゃんがすごかったね」

 みつゑは詩織に言いました。

「今年の全国高校女子駅伝大会は、Pink Fairy High Schoolのバスケットボール部が初出場で、初優勝しました。解説の金さん、ありがとうございました」


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