【第92話】 無事に帰る?
お早うございます。
投稿です。
新しい月です。
歩く速度が落ちた。
タロ、怖いの?尻尾が!
「……お父さん、トラ子お母さん、怒っているかな?」
「ねえ父ちゃん、かーちゃん怒っているよね?」
「心配しているから怒るんだ、嫌って怒っているのではないよ、安心しろ」
「安心?でも……」
「怒られるようなこと、したのか?どうだい?」
「それは……していない……と、思う」
と言いながら私を見る二人。
いや私を見られても。
(テニサマ、頼ラレテル)
(えっ!?わ、私が!?)
私が頼られている!?まさか!何かの間違いだよ!
あ、でもなんか嬉しいっ!こ、こんな日が来るとは!
(テニサマ魔力ガ大キイ、ミナ自然ト目ト気持チガ、テニサマニ向ク)
あ、魔力ね。
さいですか。
それに惹かれているんですね、皆さん、私自身ではなくて。
はい、間違いでした。
アローンお父さんみたいに、頼られる存在になってみたいな。
お父さん。
カッコいい響きだなぁ。
いや、泣き虫弱虫スキルがあるから、無理かも!
魔王さまは修行中か……。
ああ、それでも視線が熱いし、痛い。
私なら……どうする?
そうだな、正直はダメな場合がある。
親の素行、正直に警察や相談所に話して、その後、親にボコボコにされた経験がある。
警察や相談所は担当によっては機能しない、バラつきがあるんだ。
ならAIの方がマシか?
いや、AIは心がない。
数字の集合体だ……たぶん。
母さんの病気判定、AIがした。
医者もそれに従った。
そして間違っていた!
心のないヤツは躊躇いもなく、残酷な判断をそのままする。
そして自分の間違いを認めない。
そんな奴に判断を任せるなんて愚かだ。
医者もAIも間違いを認めなかった。
忘れもしないあいつらの言葉!
あいつらは、ドナーが悪いと言ってお金だけ請求した。
お金なんてないよ。
ああ、世の中不条理だ。
ここも同じだろうか?この世界も。
恐ろしい蛇族はいるし、前回、理不尽なオークにファーファ持っていかれそうになった。
ボウロウロ騎士団は、犯罪OKの国が認めた騎士団だったし!
どうしたらいい?
私は言った。
「素直が一番だと思う」
心ある人の胸には必ず刺さる、と思いたい。
ピンと動くミケの耳。
ゆらり、と揺れるタロくんの尻尾!
あ、お父さんの尻尾もゆらりと揺れた!
え?タロくん!?顔付き変わった!?
「ミケタロ、いい友達だな?」
「ンッフー」
なぜかファーファが自慢げだ。
そして狼亭に到着する。
「何があったんだい!?」
折れた弓、腰に剣はなく鞘だけ。
壊れている防具。
ミケやタロくんの、ふさふさの体毛に残る血の痕。
進み出るタロくん。
私の後ろに隠れるミケ。
いや、私、小さいよ?隠れても見えてるって!
「母ちゃん!無事帰ったよ!」
一際デカい声で宣言するタロくん!
次回サブタイトルは 【第93話】 稽古 です。




