【第91話】 友達の距離
お早うございます。
投稿です。
(これは……この魔王ア・キュウガ・テニイは、とんでもなく迷惑な存在ではないのか?いや、破壊神を名乗ったこの小さな魔王さまは、先のオークの里での戦いといい、恐らく何らかの使命があるのでは?……おもしろい!シーシナにアロウザ、カムカナも従えている!)
「ねえ、ミケお姉ちゃん、テニは魔王さまって呼ばないといけないのかな?」
ええっ!?
そ、そんな寂しいこと、言わないで!今まで通りでいいよ!
お父さんと私の会話で、態度を改めた?
「今まで通りでいいよ」
そう言って、にっこりしたのはシーシナさんだ。
戸惑うミケとタロ。
ここは私が直接言うべきだ!
「ミケお姉ちゃん、タロくん、いつも通りでいいよ?」
「え?で、でも……」
「ふふ、大丈夫、どこからも怒られないよ!咎めたり、えーっと、そう!不遜とかなし、だよ!」
「そ、そうなの?」
「ええ、私、なんせ私泣きで虫弱虫の魔王だし!」
「泣き虫弱虫魔王さま?」
「そうだよ、だから気にすることないよ」
魔王さまらしいこともしていないしね。
(タロタロ)
(なあに?ブン?)
(タロトテニサマハオ友達。オ友達ニ、マオサマト言ッテハイケナイ)
(そうなの?)
(オ友達ハ、ナカヨシ、仲良シハ全テヲ超エル)
「「そうなの!?」」
あ、思わずタロくんとハモってしまった!
友達なんて一人もいなかった私は、友達との距離感が今一つ分からない。
本来なら、戸惑いだらけだったと思う。
この二人、ミケとタロくんは2週目なので自然と親近感が湧いてくるけど。
……友達だと思うけど……たぶん、おそらく……。
その時、誰かが私の手を握った。
かなり強い。視線を上げてみると、ミケだ。
「どうしたの?ミケお姉ちゃん」
「……テニは、あの世界で私を助けてくれたんだな?その時の記憶あるの?」
うわ!なんと答えよう?
正直に答えるか?それとも?
混乱の元になるかな?でも。
「記憶?意味ないよ!あっても、なくても助けるさ!さっきは……まあ食べられたけど」
「!……そうか、なんで助けたの?逃げてもよかったのに」
「え?」
なんでだろ?好きだからかな?
「なんでだろ?でも、逃げる選択肢はないよ」
この二人を置いて逃げる?
その後どうする?きっと、死ぬまで後悔の日々だ。
泣き虫で弱虫でも、逃げたくはない……まあ、相手次第かも知れないけど。
「……そう」
あ、目が!雰囲気が!
「テニ、ありがとう、でも今度は私達を助けなくていいよ!そうだろうタロ?」
「うん!」
「え?なんで?」
「次は俺達が助ける番だから!強くなって!」
あ、アローンお父さん、自慢げ!
ぞろぞろとそんなお話をしながら歩き進むと、村が見えてきた。
あれ?
「どうしたの?ミケお姉ちゃん、タロ?」
二人はアローンさんの後ろに回って、明らかに隠れるている?
「いや、テニ、その……かーちゃんが……」
タロの尻尾はクルリ、と内側に巻かれている。
次回サブタイトルは 【第92話】 無事に帰る? です。




