【第6話】裏切りの森1
こんにちは。
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大きく広げられた翼から、黒い粒が無数に舞始める。
ねじ曲がり、ボロボロだった木々は更に腐り、周囲の虫もボトボトと木から落下し背中を地に着け、もがき始める。
「キイッキイッ!」
断末魔だろうか、悲痛な鳴声が響く。
「ねえ!仲間じゃないの!?」
「ああ?俺サマの眷属の心配より、自分の心配しろよ?皮膚、鼻孔、口腔、肺から腐り、生き地獄を味わいながら死ね!」
ヒュン!
巨大な鎌が振り下ろされる。
こいつ、自分の腕ごと俺を斬るつもり!?
さ、作戦変更!
ゼロ魔法は中止っ!
ベリナは技や武器に一切拘らなかった。
危険と思えば、剣すら手放した!
ぶわっ、と広がるぴったりのマント。
鎌の腕が振り下ろされ、切り裂かれるぴったりのマント。
俺はジャンプ・アップをし、その場を離れた。
「チッ、逃げたか!?どこだ!」
「ああああっ!私のマント!」
お気に入りだったのに!
「ん?」
ぴったりのマントは俺の意思を余所に、切り裂かれながらも勝手に飛び回り始める。
「え?」
マントの動きに合わせ大気が動き、突風が発生する!突風は竜巻になり、周囲の毒の粉が吹飛ばされていく!
ヒュン!ヒュン!
更にぴったりのマントを裂く毒蟲魔王カムカナ。
「こいつ!魔法生物だったのか!?邪魔だっ!」
ぴったりのマントはボロボロになり、霧散した。
魔法生物?ゴーレムみたいなヤツ?
お気に入りのマント!
怒りの視線が、矢のように毒蟲魔王カムカナに向う。
目が合った。
と思った瞬間、毒蟲魔王カムカナが大きく下がった。
え?震えている?
「き……きさま……な、何者だっ!な、なんだこの魔力はっ!」
あ、ひのきの杖、折れたんだ……。
弱体装備解除!?
周囲にいた小さな虫達も私を中心に一気に下がった。
……小さいか?大きさは50センチ程?テントウムシを凶悪に魔改造したような容姿だ。
足下に一匹、更に小さいのが、もがいていた。
「キイィキイィ」
毒蟲魔王カムカナの毒にやられたのだろうか?
弱っている?それとも俺の魔力か?
10センチのテントウムシ?
いや牙がある、ハンミョウ?
手を伸ばし拾ってみる。
女の子の私は、もの凄く怖がったが、男の子の俺はでっかいカブトムシを拾ったように、喜んでいた。
こいつ、弱っている……そう思った瞬間、何かが見えた!
あ!?
小さな虫達に、毒を食べさせる毒蟲魔王カムカナ。
日々毎日、己の毒を食べさせ続け、虜にし、毒無しでは生きていけないようにする。
邪神の命令で街を襲い、死ねば外骨格を剥ぎ取り防具に。
……これは?
サイコメトリー!?
街を襲い、人々を襲う魔昆虫達。
うわぁ……これは酷い……毒でボロボロと崩れ去る妖精、人族達。
それを……。
……樹ガ吸イタイ……
「!?」
花ノ蜜ガ吸イタイ……
モウ人ヤ、エルフ達ヲ傷ツケルノハ嫌ダ……
次回サブタイトルは【第7話】裏切りの森2 です。




