【第5話】力の世界
こんにちは。
投稿です。
縄張り?我が家?ならファーファや俺は、不法侵入ってこと?
いや、知らんし!
ここで弱虫スキルが発動した。
……一応、謝ってみるか?
「……あの……ごめんなさい」
「ざけんな、死して償え!蟲達のエサになれ!」
「ひいいっ!」
……だよね。
ああ、この淀んだ大気が縄張りの印か?
なら普通はここへは誰も入れない?
多分これ、毒だな。俺には無効だったみたいだけど。
ここは力の世界……強い者が生き残る世界だ。
ん?ある意味、前前世の世界、俺が母さんと生きていた世界と同じか?
俺は花鳥風月を握り直し、静かに構えた。
貪られるのはもうイヤだな。
「エサはごめんだ」
じっと花鳥風月をみる毒蟲魔王カムカナ。
「先程の攻撃、花鳥風月?ならきさまはゴブリンか?ゴブリンであの魔力?」
花鳥風月、有名だな。
ギルド・ダウトの鍛冶屋さんも知っていたし、名刀?
攻撃が全てクリティカルという時点で、脅威か。
「魔王級のゴブリン?喰えば更なる力が得られるか?まあ、ゴブリンは臭くてマズいが、我慢するか、ひひっ花鳥風月は邪神さまに献上しよう!」
!?
いるんだ!邪神!
いや、その前にこいつだ、こいつをどうにかしなければ!
どうする?魔法攻撃は、ダメだ。
またファーファが何処かに行ってしまう!
剣で、仕留める!
と、思っていた瞬間、蟲魔王カムカナが先に動いた。
無数の脚を使い、高速移動で斬りつけてきた!
あ、やっぱ……怖い……かも……。
剣で仕留める?無理かも!
また吹飛んだらごめんね、ファーファ。
俺は音速で……逃げた(泣きながら)。
ヒュン←俺の逃げた音。
ヒュン←鎌が空振りした音。
「な!?ゴブリン!逃げやがった!?」
「……テニサマ?」
と、見せかけて、ジャンプ・アップ!
ファーファがいるんだ、どんなに怖くても逃げるわけにはいかないんだ!
俺は毒蟲魔王カムカナの背中に移動した。
そのままひのきの杖を突き刺し!
花鳥風月で仕留める!
「おい、ナメてんのか?俺サマは魔王サマだぜ?」
「え?」
気づかれた!?
巨大な魔王はクルリと方向を変え、背中に現れた俺を襲う!
うわっ!身の熟し速っ!それにこの攻撃、かなり正確だ!
ボキイイイッン!
砕け散るひのきの杖。
「くっ!」
間合いが!
「短剣じゃとどかねーな?杖で払って、踏み込み、花鳥風月で攻撃」
「!」
「バカめ!そんな単純な同じ攻撃が、何度も通じるか!」
だよね。
俺は花鳥風月を、毒蟲魔王カムカナの眉間目掛けて思いいいいいいいっきり投げ付けた!
バキイイイイィン!と乾いた音を立て、深々と刺さる短剣。
「ぐわっ!」
そして巨大な鎌の腕の上を走り、毒蟲魔王カムカナ頭部に近づく!
ゼロ距離で魔法攻撃!
どうだろう?
「きぎ、ぎさまぁ!やってくれたな!?」
頭部から、体液をまき散らす毒蟲魔王カムカナ。
こいつは魔王を名乗っているが、魔法攻撃は一切していこない!
魔法耐性が高く、物理攻撃特化の魔昆虫だ。
俺はそう読んだ。
「花鳥風月は取らせねーぞ!」
毒蟲魔王カムカナの背中がバリッ、と割れる。
「!?」
巨大な翼が現れ、ぶわっと粉状のモノが辺り一面に広がる。
禍々しい黒い粒。
猛毒か!?
「細胞を破壊する毒だ、腐れてエサになりな!げははははっ!」




