【第11話】再生と眷属3
今晩は。
投稿です。
どうやら毒蟲魔王カムカナのお話しによると、私の必死の祈りの余波、間接的な影響で周囲の全てが『黄泉がえり』を起こしたらしい。
別の言い方では、邪神の影、負の世界を私の世界に書き換えた、上書きした、らしい。
らしい、といいのは私にその自覚がないからだ。
私は必死にファーファの再生を願った、祈った。
ただ、それだけなのだ。
元魔王のカムカナは一歩進み、更に話を続ける。
「死して間もない、それが影響したのだろう。大半の者達が生まれ変わった。ただ魔王の魔力だから……」
「だから?」
「草木や大気、俺達も毒を含んでいる」
「私が原因?」
ええっ!?
私って毒なの!?
「ああ、そうだ。だがこの毒草、毒花たち、少量なら薬として役に立つ」
「え!?」
「大気も俺達が暮らすにはちょうど良い、まあ、普通の大気でも問題はないが……」
じっ、とカムカナを見る。
以前の力はもう無い、無いけど、このままこいつを放置していいのか?
雰囲気は違うけど、また人や妖精達を襲って、酷いことしないか?
「ねえカムカナ、また、悪いこと始めるの?周りの皆を裏切るの?」
嘘は許さない、正直に答えろよ?
私は魔王の目でカムカナを見る。
「そんなに睨むな……俺はもう悪いことはできなくなった」
「え?できない?」
しない、ではなくできなくなった?
「街を襲って住人を喰おうと思わなくなった。面白くないし、楽しくもねぇ、逆に今までの行為に嫌悪を感じる。俺は反転しちまったらしい」
反転?
「今までのポジションから転がり、反対側に行くことさ『転ぶ』とも言う」
「じゃぁ悪いことは、できない?」
「ああ、できない。今までとは逆に、悪いことに怒りを感じる」
本当かな?
ここで考えてみた。
参考はいつもの通り、夜の街。
弱くなれば、潰される。
強さは腕力だったり、お金だったり、権力だったりする。
うーん、この世界も同じだ。
「復讐されない?今まで迷惑を掛けていた皆から。それこそ、沢山の妖精や人族を殺したり、食べたりしてきたのでしょう?弱いとバレたりしたらそれこそ討伐隊が嬉々としてやってこない?」
「……そうだな」
カムカナや周りの虫達の不安、恐怖が伝わってきた。
こいつら、以前と見た目が違うし、森の雰囲気も変わった。力も以前ほどないし、名乗らなければ分からないのでは?
一度、みんな死んでいるよね?そして生き返った。
生まれ変わったんだよね?
ならば。
「悪いことできない……ひっそりと生きていく?」
「……できれば皆の役に立ちたい」
本当かな?
「食べられた妖精や人族の親族達は、永遠に許さないと思うよ?」
俺だって、母さんを喰い物にしたあいつらを、絶対に許さない!
そして俺を捨てた母親や父親を許せずにいる。
でも……もう両親はいないから、できれば忘れたい。
思い出したくもない。
これが本音かもしれない。
チキン食べたいです。
じゃなくて、次回サブタイトルは 【第12話】ファーファ、発病!? です。




