【第10話】再生と眷属2
今晩は。
久々の零時投稿です。
虫?いや、これ魔昆虫だ!
魔物としての意思を感じる!
大きさは30㎝?くらいだろうか?
角と牙が鋭く光り、先程の魔昆虫より小さいが、それ以上の凶悪な容姿である。
その凄まじいアゴは、捕食者の象徴のように見え、どう見ても肉食系である。
「な、なんだこの虫達!?」
結構な数いるぞ。
襲って来るようだったら、焼き払うか?
周囲の草花は毒草らしいし。
折角ファーファの復活、喜んでいたのに!
ザワザワと更に数は増え始める。
「うげっ!か、囲まれている!?」
ここで泣き虫弱虫スキルが発動した。
じわじわと近づく虫達。
「こ、こないでえええっ!うっ、うえええええっん!来ないでよっ!」
「ハイ」
「ウン、止マルネ」
「ミンナ、トマレ!」
虫達は返事をして、止まった。
「え゛?」
止まった?
どゆこと?
ざわざわ。
なんか、わきゃわきゃお話ししているみたいだけど?
ファーファは、私の小さな足に移動脚を絡めて、震えている。
ジャンプ・アップで逃げるか?
「……ウ、コ、コワイ」
「だ、だいじゅびだよ、ファーファ」
……まあ、泣きながら言っても、説得力ないかな?
「ジャンプ・アップで逃げようか?」
ザワザワしていた虫達の動きがピタリ、と、止まる。
「ん?」
「ココ、アナタノ世界、逃ゲナクテイイ」
「え?私の……世界!?」
マップに意識を集中してみる。
マップ表示によると3000匹程の虫達。
「アナタガ塗リ替エタノヨ」
「塗り替えた?」
「モウココニ邪神ノ影ハナイ」
「影?あなた達は?」
ザワザワとまたお互いに話し始めた。
うまく聞き取れないや。
やっぱ、逃げるか。
でも、気になることが一つある。
この中に一匹だけ、魔力の高い虫がいる。
かなり高いけど?
あ、近づいてきた!?
「逃げるな、ここはお前が上書きした世界だ。お前には責任がある」
うげっ!?この声!?
「お、お前は毒蟲魔王カムカナ!?」
「元、魔王だ」
「もと?」
「チッ、今はただのカムカナだ。邪神さまの影が去った、もう俺は魔王ではない」
「……なんで生きているの?皆に食べられたのでは?それに虫の皆も死んだはず」
そう、確かに死んでいた。
外骨格を残して皆空洞みたいになって……。
「はぁ?何を言う?お前が俺達を再生、上書きしたくせに!」
え?私が原因!?俺達って?
わきゃわきゃと騒ぐ魔昆虫達。
「邪神さまに匹敵するお前の魔力、それで、そこのゴーレムを再生しただろう?」
「お祈りというか、願ったけど?」
「俺サマみたいな借り物の作られた魔王ではなく、お前はどうやら真性の魔王らしいな?その魔王が本気で願ったんだ、邪魔する者もいないし、成就するのは容易い」
「容易い?簡単に言って欲しくない!意識失うくらい必死だったんだから!」
言葉に怒気が籠もると、ぐらり、と地震が起きた!
「テ、テニサマ!?」
「あ、やばっ!ご、ごめんファーファ!お、落ち着かないと!」
次回サブタイトルは 【第11話】再生と眷属3 です。




