第五百六十七話
美胡とヘレーネの戦いの始まりを見たルイリ達は、その感想を話し合っていった。
「……ふむ、ヘレーネはうまく離れたもんだね」
「い、いや、そういう段階の話ではない気がするが……」
「あ、ああ……よく離れたと思うぞ、あれは……」
「そうかい? 美胡と戦うならあれぐらいはやれないと話にならないよ?」
「……なんでそこまでわかっているのに二人を戦わせたんだよ……?」
「だって、皆が美胡じゃあゴーレムに乗ったヘレーネを制御できないって不安がるから……」
「……そうでした……」
「やれやれ、まったく……しょうがない皆だねぇ……」
「……だがそれなら、二人の戦いはもう終わらせても良いんじゃないか?」
「うむ。補佐官殿のあの力を見れば、補佐官殿がヘレーネを制御できないとは誰も言わんだろうからな……」
「……いや、ここまできたら勝敗がはっきりわかるまで戦わせるよ。その方が皆もすっきりするだろうしね」
「……むう……」
「ええ……」
「……すみませんねぇ、ヘレーネ殿……」
先ほどまでの美胡の式神とヘレーネ搭乗のゴーレムの戦いを見たルゴバ達が、勝敗ははっきりしたのでは? と思いながら二人の戦いを終わらせるように、とルイリに話していく。
しかしルゴバ達の訴えを聞いたルイリは、中途半端で終わらせてモヤモヤするよりも、どちらかがはっきりと勝つまでは戦わせた方が良い、と言って美胡とヘレーネの戦いを続けさせると答えていった。
このルイリの発言にルゴバ達がドン引くなか、美胡とヘレーネの戦いは続けられることになる。
そうして戦いを再開させる前に、美胡とヘレーネは言葉を交わしていく。
「……ふむ、一旦離れましたか。良い判断ですよ、ヘレーネさん」
「……それはどうも、ありがたいお言葉ということでちゃんと受け取らせていただきまよ、と……」
「あら? どうされました? 戦いが始まった時よりも元気がなくなったように感じますが……?」
「余計なお世話だよ……それに元気がなくなったわけじゃなく、どうやったらその魔法生物を倒せるかを、集中して静かに考えてるんだよ!」
「そういうことでしたか……ヘレーネさんの元気がなくなってしまったのかと少し焦ってしまいましたが、焦るような事態ではなかったとわかって少し安心しましたよ」
「……そうかよ……ところで、そんな補佐官殿は元気だな?」
「ええ、そうですね」
「……なんでだ?」
「久しぶりに思い切り体を動かす機会に恵まれましたからね。元気にもなりますよ」
「……そうかよ……」
嬉しそうに話す美胡に、ヘレーネは溜め息を吐いていった。
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