第十二話 英雄、片山唯人。
遅くなって申し訳ない。今日は久々に天音ちゃん出します。
缶蹴りバトルの翌日、教室に向かっていると、話したこともない無数の生徒からの視線を浴びた。
カースト下位の俺がなぜこんなに見られているのだろう。
そんな疑問を抱きながら、俺は教室に入る。
「英雄の登場だぞーっ!」
教室に入った瞬間、話したこともないクラスメイト達から、喝采が送られた。
「な、何でしょうか?」
驚く俺を尻目に、クラスメイト達はとてつもなく盛り上がっていた。
「何が『な、何でしょうか?』っだよ。俺が昨日のことをクラスの連中に話したらあいつら勝手に盛り上がっちゃってさあー。ま、俺も自分の親友が英雄扱いされて、鼻が高いぜっ!」
ん?昨日の俺がやったことを話したところで、ここまで英雄扱いされるだろうか。
「いやー、唯人マジパネェよな!」
「なんてったって警察に危険視されてる不良グループをアッパー一撃で沈めたんだもんな」
「しかも不良の人数17人もいたらしいぜ!」
「「「唯人さんマジパネェ!」」」
うん。だいぶ脚色されてるな、これ。
「おい蓮、表出ろ。」
「ゆ、唯人。なんでそんな怒ってんの?」
「さっさと出ろやぁ!!!」
「は、はい!」
俺は蓮を廊下に連れ出し、さっきのことについて問い詰めた。クラスメイトが少し怖がっているが、まあ気にすることはないだろう。
「お前さっきの話随分と脚色してたよなぁ!しかも缶蹴り要素0じゃねぇか!」
「いやー、お前が昨日缶蹴りしたとか言ったらお前がクラスの奴らに馬鹿にされると思ってさあ‥‥‥。」
「じゃあ話さなければいいだけだろ!」
「俺も自分の親友の活躍を周りと共有したかったんだよぉ‥‥。」
蓮が弱々しい声で答えた。
ここは親友として許してやるしかないか。
「ったく。じゃあもういいよ。でも、この件はクラス内だけで留めるから、他学年とか他クラスとかに知られないようにしとけよ」
「りょーかい」
俺が蓮と話していると、そこに天音がやってきた。
「あ!唯人じゃん!昨日は大活躍みたいだったね!」
蓮貴様許すまじ。
「おい蓮!どういうことだ!もう他クラスに知られてんじゃねぇか!」
「あっれれぇ〜、おっかしいぞ〜」
『キーンコーンカーンコーン』
俺と蓮の口論の最中に、始業のチャイムが鳴ってしまった。気づけば天音もいなくなっている。
蓮はそそくさと教室の中に入っていった。
くそっ!由奈にまで知られてたら昼休みに合わせる顔がねぇ!
俺はモヤモヤした感情を抱きながら、長谷川先生の怖くない説教を受けるのだった。
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