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二十二話目。

 ……ある町に少女はいた。

 白髪の赤い瞳。それだけでも周りの人間とは違うのに、少女はとても暗い、うつ向いた性格をしていた。


「●●ちゃん!」


 ただ、そんな彼女にも友人はいたようだ。

 そんな彼女だからこそ、守りたいと言ってくれる友人が。


「……おはよ」

「おはよー!ねぇ●●ちゃん、この町の不思議な噂……というか、昔話知ってる?」

「……別に興味ないし。あなたはなんでいつもそんな話ばかりなの?」

「えー、こーいうの面白くない?じゃあゲームの話にする?」

「ゲームのほうが興味ない」

「冷たいなー●●ちゃんは。PCゲームとか面白いよ?」

「……あっそ」

「今度一緒にやろー!」

「あなたの勝手にすれば」


 二人の会話は、友人同士の会話のようには思えない。

 けれど二人にとってはこれが普通だった。

 このままの普通が続いてほしいと心の中では思っている。


「…………で、その昔話ってなんなの」

「おーっ!よくぞ聞いてくれた!」

「なんなのさ、本当に……話すなら早くしてよ」

「うぃー……。

 ……ごほんっ、あのね、昔にある不思議な女の子が生まれたんだって。その子は白髪で、赤い瞳だったらしいよ……あ、●●ちゃんと同じだね!」

「……そうだね」

「でね、その子はそれだけじゃなくて、命を奪ってしまう能力を持っていたんだって。それが原因でその女の子は隔離されて育ったんだー。でもその女の子にはある幼なじみがいたらしくって、その幼なじみはその女の子に近付いていたせいで、ある日……」

「…………」


 嫌な気分になりつつ、少女は話を止めなかった。

 自分と同じ容姿の人の話のせいでなんとなく気になってしまうんだろう。


「殺されちゃったんだ」

「……そう」

「な、なんだ。思ったより反応薄いね」

「昔話なんて、くだらない……そう思っただけ」

「冷めてるなー。まぁ●●ちゃんはそこが魅力的かもっ!」

「褒められてる気がしない」



 そんな会話をしてから約半年後、少女の町にはもう普通は残っていなかった。

 ……少女にも、宿ってしまったのだ。

 命を奪ってしまう能力が。


「化け物」


 しばらくの間、少女はそう呼ばれた。

 親にも、知り合いにも。


 そして少女は姿を消した。

 また、その町には昔話が重なる。


 少女が殺した人の数は……



「…………五人」


 触れただけだった。

 それだけで少女は命を奪ってしまう。


「私は……もう、誰にも許されない」


 少女は徐々に壊れていった。

 五人目は少女のたった一人の友人。

 助けを求めた少女の手を取ってくれたたった一人の友人。



「……命は何でこうも簡単に、壊れてしまうのだろう…………」



 そして少女は気がついた。

 自分がもう人間ではないことに。

 だから簡単には死なない、死ねない。


 けれど少女はもう嫌だった。自分が生きているとう事実が。

 自分じゃ死ねない、だから誰かに殺してもらう。


「ここが私の死に場所……。

 私の、現実を、私という存在を、殺す……だから…………Real(リアル)Kill(キル)Game(ゲーム)……プレイヤーはランダムで中学生くらいがいい……私が送れなかった日常を送っている中学生だ」



 あの友人が好きだったPCゲームの中で死ぬんだ。

 死に場所には最高の場所だろう。少女はそう考えた。



 生と死の狭間(リアルキルゲーム)は消えない。


 少女が死ぬまでじゃない、少女が死んでからも、墓として残るのだろう。

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