最終話「WorldDestiny」
白い光から普通の洞窟に出た。
「風雅、大丈夫か?」
「大丈夫だ。」
「行こう。」
俺らは長い下りの階段を降り始めた。
何段あるか数えられないくらい凄い長さだ...。
1段1段右隣にいる氷華と同じタイミングで降りる。
目の前は階段しか見えない。
落ちたら怪我じゃ済まないレベルだ。
1段1段丁寧に少しずつ降りていく。
霧がやがて明けた。
霧が消えた時、
下には物凄い輝きをした大きい剣が刺さっているのが分かる。
眩しいくらいのはずだが...なぜだか眩しくない。
やがて目の前に剣の姿は現れた。
どこからか声がした。
「よく着てくれましたね...
目の前にあるのが伝説の剣...
そしてその先にあるのが悪魔の心臓...
君たちはその剣を抜き悪魔の心臓へと...
急いでください...もう時間がありません...」
やがて声は消えた。
「風雅...お前と出会えて良かった。
これが最後だろう...もしまた出会える時が来るのなら...
その時はゆっくり色んな話をしよう...」
「氷華...俺も嬉しいよ...。
もっと早く出会ってもっと沢山話をしたかったな...
行こう...もう時間がない...!」
俺は心で泣きながら言った。
だが、こんな時に涙を流す訳には行かない。
俺らは大きい剣をの取っ手を握ってお互い目を見て頷いた。
やがて大きい剣は俺らの手によってコンクリートから抜かれた。
これが伝説の剣...
人生最後の戦い...
皆...ありがとう...
俺と氷華はお互いの顔を見ず
声も出さず、ただ目の前の悪魔の心臓へと向かった。
大きい扉が目の前に現れた。
やがて剣は更なる輝きをした。
それが合図だったのか扉はゆっくり開いていく。
扉の目の前に現れたのは人間の数十倍の大きい心臓だった。
これが悪魔の心臓...
心臓は大きく脈を打っている。
「風雅、お別れのようだ...
ありがとうな...。」
「氷華も元気にしろよ...
また会おう...ありがとう」
そして俺らは剣を心臓へと振り下ろした。
『うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』
剣は心臓を真っ二つにした。
それから俺らは意識を無くした。
その瞬間
世界は1つの星となり
太陽も月も海も緑も生き返り明るい青空が現れた。
真っ暗で瓦礫ばかりだった世界が元の平和な世界へと息を吹き返した。
「凄い...綺麗...」
皆が呟いた。
開けた口が閉じていなかった。
「そうか...あいつらは戻って来なかったか...」
最強と呼ばれていた男が呟いた。
「仕方ないことだ...だがあいつらがしたことには感謝し切れない。
伝説の2人の男さ。」
赤星の最強と呼ばれてた人が黒星の最強の男の隣で言った。
「お前誰だ...?黒星の奴でもないから赤星の奴か」
「俺は赤星では最強と呼ばれていた男さ...
お前は黒星最強と呼ばれていた男なのだろう...?」
「呼ばれていた...?今も呼ばれているぞ!」
「馬鹿だな...。もう終わったんだよ。争いは...
あの2人のおかげで平和になったんだよ。」
「そう...だな...」
皆幸せそうだった。
やっぱりあの人は戻って来なかった...
あの時、感謝の言葉は言えた...。
けど、本当はあの時出会ってからずっとあの人の姿を陰で見ていた。
好きだった...本気で好きだったのに...言えなかった...
けど...後悔はしていない...
あの人はもう伝説の人...この世にはいない...
けど...あの人が巻いてくれた布は大事に保管しておく...
女の子は布を力強く握り空を見上げた。
「ありがとう。」
あれから3ヶ月が経った。
皆は伝説の2人を心に大事にしまって昔していた生き方をしていた。
争いはなくなり皆仲良く生きていた。
俺と氷華は村へと向かっていた。
「氷華...大丈夫か?」
「大丈夫だ。またお前と出会えて嬉しいよ」
「俺もだよ」
俺と氷華は笑いながら話をしていた。
「ん...? おいお前ら! あれを見ろ!」
男が村の外れに指をさした。
皆が村の外を見た。
そこには2人の影が見える。
「ま...まさか!」
皆はその影に向かって走った。
「お、おい! 氷華!」
俺は皆のほうに指をさした。
「皆だ!行こう風雅!」
「うん!」
俺らも皆のほうへと走った。
「やっぱりそうだ!
伝説の2人だ!」
大歓声が上がった。
「2人とも...おかえり。」
「全く...こんな月日が経ったらもう無理だと思うだろうが!」
「ごめんごめん」
俺は笑いながら言った。
「良いさ...良く帰ってきたな。」
「何かな...目が覚めたらこの世界の砂浜にいてさ」
「そうそう...目を覚ましたら隣に氷華がいて驚いたよ」
「そんなことは良いからこれから飯なんだ。
一緒に飯を食いながら飯を食おうぜ!」
「俺も腹減ったわ。とりあえず目を覚ましてから何にも食べてないしな」
俺と氷華は楽しそうに話をした。
「元の平和な世界に戻ったみたいだね」
俺は氷華に嬉しそうに言った。
「そうだな...約束通り色んな話をしような!」
楽しそうに話をしていたらあっという間に村に着いた。
既に飯は出来上がっていた。
「旨そうだな!これ!」
氷華は子供のように楽しそうに騒いだ。
「今晩は酒だ!
皆でお祝いの酒にしようぜ!」
「おっ!それいいね!」
俺らは飯を食いながら楽しそうに話をしていた。
女の子が後ろで声を掛けてきた。
「ちょっとお話いいかな...?」
「ん...?いいけど」
俺は何だろうと思いながら答えた。
「ありがとう...ちょっと着いてきて」
そう言われて女の子に着いていった。
あの時の川はすっかり綺麗になって女の子と2人で川を見ていた。
「話って何?」
俺は頭を傾けながら答えた。
女の子は顔を赤くして言った。
「おかえり...」
「ただいま」
「あのね...
あの時からあなたのことがずっと好きだったの!
私とお付き合いしてください!」
女の子は俺の目をしっかり見て本気なのはすぐ分かった。
俺は落ち着いて答えた。
「いいよ...その代わり名前だけは教えて」
女の子は嬉しそうな反面慌てていた。
「ごめんなさい!
自己紹介もしていなかったのに告白なんて...
私は癒那です...」
女の子は下を向いてしまった。
可愛くて思わず頭を撫でた。
「別に良いよ。俺は風雅
じゃあこれから恋人ってことでよろしくね」
俺は照れながら言った。
「はい!
よろしくお願いします!」
癒那は顔を真っ赤にして笑顔で言った。
「じゃあ村に戻ろっか」
俺は癒那の手を握って村へと歩き始めた。
癒那は顔を真っ赤にしたまま俺にくっついていた。
俺は癒那と手を繋いで花を見たり寄り道しながら村へと帰った。
こうして世界は救われ、皆が楽しく生きていった。
どうでしたでしょうか?
楽しんでもらえたら幸いです。
自分の中では楽しかった作品です。
今までは途中で終わってしまい...完結しないまま...などが多かったので
書いていて本当に楽しいと思えました。
ありがとうございました!




