第1話「分かれる道」
この世界は廃墟となっていた。
数日前、神という存在と悪という存在が戦った。
俺は無事に逃げ切れたが、家族を亡くし、友達を亡くした。
避難から開放され外へ出たが、外は何もかもが崩壊し、食べ物も飲み水もほとんど存在しなかった。
世界の半分以上の人が亡くなり学校も家も何もない。
ただあるのは石と瓦礫ばかりだった。
「この世界は今後どうなるんだ・・・。」
俺は小声で呟いた。
神という存在が消え、悪魔という存在も消えた。
人間が信じていた神という存在が無くなったことで誰1人信じれなくなった。
信じれるのは己のみだった。
食べ物も飲み水もない中、人間は争っていた。
「喉渇いたな。」
そう呟きながら俺は海を目指し歩き始めた。
俺が歩いている上は瓦礫ばかりだ。
人間の死体も転がっているのだろう。
俺はただ瓦礫の上を歩きながら海を目指した。
俺の記憶にあるのは何年前のことだろうか。
しかし覚えていることはある。
俺は学校に通っていた。
友達と仲良く話したり、家に帰っても家族と話をしたり賑やかで楽しい日々を送っていた。
しかし、いつの日かその平和な日々が終わってしまった。
楽しい平和な日々が続くと思っていた。
神と悪魔の平行線の繋がりがこの世界を作ったのだ。
その神と悪魔の平行線だった繋がりが突如崩れてしまった。
俺は家族と過ごしていた。
夜9時頃だっただろうか。
緊急警報が鳴り響き家族と一緒に家で避難をした。
母親と父親、そして俺。
兄弟はいない。
「ちょっと外を見てくる」
父親は外が気になったのか家を出た。
それから父親は帰って来なかった。
やがて家が崩れ始めた。
瓦礫や家にあった物などで外に出れなくなってしまった時
母親が俺を守ってくれたのだ。
俺はそこから記憶がない。
しかし目を覚ました時には母親の死体もなかった。
母親は生きているのだろうか...そんな訳ないか。
今は月日も分からない。
いつ目を覚ましたのか分からない。
ただ分かるのは生きていることだ。
なんだ。急に目が眩しい...
ん...これは...海か...?
俺の目の前は水色でとても綺麗な光が広がっていた。
こんな薄暗い瓦礫ばかりの世界でも海だけは綺麗なんだな。
俺は声にならない声で言った。
俺は海へと近づき海水に右手を入れた。
海の水は冷たかった。
なのに心が温まる。
ん...雨か...?違う...俺は泣いているのか...?
なぜ俺は泣いているのだ...?家族や友達を亡くし悲しんでいるのか,,,?
違う...何かが違う。
感動というモノなのだろうか。
心がとても温かい。
昔の頃のようだ...。
俺は涙を拭き海水に両手をいれて、両手で海水をすくい上げ口に含んだ。
ん...しょっぱいな...。
昔と海は変わらないのか...。
これじゃ飲み水にはならないが塩分を取ることにした。
しょっぱいながらも俺は我慢し少し飲んだ。
俺は海を眺めた。
こんな綺麗な海が合っても帰る場所はない。
ちょっと疲れたな。
俺はここで休憩することにした。
木や瓦礫をどけて砂浜に寝そべる範囲を作り砂浜に寝そべり空を見上げた。
太陽も月も星も雲もない、ただ薄暗い空を見上げていた。
俺「ここはどこだ・・・?」
真っ白な世界に自分1人だけいた。
どこ見渡しても真っ白だった。
男「気づいたかね。」
言葉を発したのは黒いスーツを着た男性だった。
俺「あなたは・・・?」
男「俺は何の存在でもない。」
俺「ここはどこなんですか?」
男「君たちが存在する前の世界、君がいる世界は過去の世界。新しい世界を作りだすのだ」
男は消え始めた。
俺「ま、待って!」
俺は白い光に包まれた。
やがて光が消え薄暗い空と海が流れる音が聞こえる。
夢だったのか...?
にしてもリアル過ぎるような...。
ここは過去の世界...?
新しい世界を作る...?
良く分からないがここにいても仕方ない。
俺は立ち上がり最初に目を覚ました場所に戻ることにした。
何かヒントがあるかもしれない!
俺は瓦礫などの上を早歩きした。
ただあの男の人が言った言葉が真実なのか知るために。
そして元の場所に帰ってきた...はずなのだが,,,ここはどこだ?
廃墟で何にもないが見覚えがある...というか気がする。
何なんだろう。俺は周りにある瓦礫を必死にどけた。
これは...!
俺が通っていた学校の写真だった。
俺はその写真を手に持ち上げた。
だが...写真は粉々になり、俺の手から落ちていった。
言葉が出なかった。というよりも言葉が見つからなかったというべきだろう。
しかしここは学校ということが分かった。
ん...?
微かだが金属類の音がする。
俺はその音に集中した。
やはり金属類の音がする。
俺はその音を頼りに歩いた。
音は近づいている。
ん...?
光が見えるぞ。
やがて金属類の音の正体が見えた。
人と人が武器のような物で戦っているのが分かる。
何をしてるのだろうか...?
そう思っていた時
男が突然声をかけてきた。
男「お前は信じられる奴はいるのか?」
「信じれる人は皆失くした。」
男「ならばお前も戦えばいい。この世の神という存在を新たに作る為に」
「そんなこと出来るのか?」
男「分からない。だが、何もしないままでは何も変わらない」
「確かにそうだが意味あるのか?」
男「戦いという道があっているのか。他にも道があるのか、それは自分で見つけるが良い」
「自分で見つける...か。しかし戦うという理由にはならないだろ!」
男「答えなどない。信じれる奴もいない。信じれるのは己のみ」
「なら、なぜあんたは俺に声をかけてきたんだ?」
男「君には希望の光を感じるからだ」
そう言い男は消えた。
「人間じゃなかったのか?」
もしかして...!
砂浜で見た夢の様な場所で出てきた男の人じゃないのか?
神を作る...それが新しい世界を作るってことか...?
しかし、神と悪魔がいないと平和な世界は作られないんじゃないのか...?
神だけ作っていても悪魔を作らなければ意味がないんじゃないのか...!?
答えが見つからない。
やはり戦うしかないのか!?
他に道はないのか!?
ん...?
見知らぬ男が目の前に立った。
男「悪いが神に1歩近づく為の餌食になってもらう!」
そう言い男はナイフみたいなのを手にし、襲い掛かってきた。
「戦うしかないのかよ! 他にも方法はないのかよ!」
男は俺の言葉を無視し、右手に持ったナイフを突き刺してきた。
男「死ねぇぇぇぇぇ!!」
俺は間一髪かわした。
「こんなのはおかしい!なにを理由にあなたは戦っている!」
男「俺にも分からない! だが新しい神になるのはこの俺だ!」
男はまた同じ手でナイフを突き刺してきた。
「あなたは間違っている! 他にも道があるはずだ!」
男「うるさい!黙れ!」
くっ...
かわすことは出来るが疲労が...
こんな所で死にたくない...ならば戦うしかないのか...
「ちくしょぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
俺は男の頬を右手で殴った。
男は瓦礫の塊に叩きつかれ、大きい音と共に砂が吹き上げた。
「はぁ...はぁ...はぁ...」
俺は男のほうへ向かった。
だが、男は横たわった状態で頭から大量の血を流し意識がなかった。
瓦礫に頭を強く打ったのだろうか。
俺は息が荒れ、ヨレヨレになった。
疲れが一気に押し寄せてきたのだろうか...。
お腹も空いたし、喉も渇いた。
俺はほとんど気力もない状態で、海へ向かった。
何も考えれない。目の前もボケている。
ただ俺は海を目指し歩いた。
瓦礫の中ほとんど意識もなく歩いた。
だが、少し歩いたところで俺は倒れ意識を失った。
趣味で何作品か書いてきましたが、書いてて1番楽しいと思えた作品です。
まだまだ未熟ですが楽しんでもらえたら幸いです。




