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ハズレと笑われたスキル『出会い』~ダンジョン配信中、異世界から猫耳少女が現れた~  作者: ななくさ ゆう


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35/35

最終話 ダンジョンのバランスを壊すモノ

これにて、本作は完結となります。


露骨なまでに、「俺たちの戦いはこれからだ」エンドになってしまいました。

本当は33話で終わらせる案もあったのですが、どうしても34話(はるるんの話)だけは入れたくて、でもそれで終わらせてはさすがにまずいので異世界での3人の冒険をさわりだけ書いて、全35話で完結とさせていただきました。


少しでもこの作品が面白かったと感じていただけたら、★でご評価いただけると嬉しいです。

 漆黒の森。

 異世界にあるその場所は、文字通り光の届かぬ地下にある森だった。

 光合成せずにどうやってこの木々が生きているのかは知らん。

 葉っぱも枝も真っ黒なので、一般的な植物ではないのだろう。


 ドリナが俺に確認する。


「この奥なんだな?」

「ああ」


 12歳の時の冒険で、俺は……俺たちはここに来た。

 そして、ダンジョンのバランスを崩す悪竜は、この先にあるダンジョンの奥底にいるはずだ。

 そして、そこにエルバランスの女神も封印されている。




 富士山ダンジョンから異世界に転移すると、そこは別のダンジョンだった。

 ダンジョンを脱出するとベリブラス海岸のダンジョンだったことが判明。

 俺たちは無事、異世界転移をはたしたのだ。


 マホメラを回収し忘れたことに気がついたが、まあ仕方がない。

 こちらの世界の冒険では必要がないアイテムだ。


 それから、また長い冒険が始まった。

 ベリブラス海岸から、漆黒の森までは100日以上の旅だった。

 ほとんどが徒歩、たまに乗合馬車に乗る程度。


「ああ、もう、電車がほしいニャ」


 リルラはそんな風に愚痴っていた。

 最初に電車に乗ったときは、あれだけ怯えていたくせにな。


 旅の途中、ちょっと寄り道してドワーフの里やエルフの里にも立ち寄った。

 ドリナはむしろドワーフの里には行きたがらなかったんだけどな。

 なんか、家出同然に里を出奔したかららしい。


 エルフたちは相変わらず排他的で、あまり楽しい訪問ではなかった。


 リルラの故郷はすでに滅んでいる。

 当然、奴隷の主などには会いたくもないとのこと。


 いずれにせよ、俺たちは冒険を続けた。

 そんな中、世界各地のダンジョンからモンスターが出てくる事件が起き始めた。


「ほらみろ、アタイの故郷やエルフどもの里に行く暇なんてなかったんだ」

「新宿でもモンスターが出現しているかもしれないニャ」


 ドリナがそう言い、俺も寄り道が過ぎたかもと反省した。

 回り道はほんの2~3日程度だったんだけどな。

 エルフやドワーフは人間には作れないアイテムや、独自の情報網をもっているのでそれに期待した面もある。

 とはいえ、情報収集やアイテム入手を優先したのが裏目に出た感は否めない。


 いずれにせよ――


 俺たちは悪竜が待ち構える、漆黒の森のダンジョンの入り口へとやってきた。




「わかっているな。この先にいるのはこれまでの敵とは次元が違う。覚悟はいいか?」

「いまさらの話だな。アタイにまかせておけ」

「がんばるだけニャ。悪竜を倒して、パパの敵(かたき)を討って、女神様たたき起こして、東京に帰るニャ! はるるんが待ってるニャ!!」


 そうだな。

 覚悟なんて今更の話だ。


「じゃあ、行くぞ」


 2人の頼りになる仲間は黙ってうなずいた。

 3人で手をつなぐ。

 俺が、ダンジョン入り口のオーブに手を伸ばす。


 あの時と同じように、俺の両腕に身につけた虹色の腕輪が光り出す。


 さあ、いこう。

 12歳の時無残に負けた相手に。

 今度こそ勝つんだ!

 勝って2つの世界を救うために!

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