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プロローグ

この作品はカクヨムでも投稿しています。

 織上大河おりがみたいがが目を覚ますと真っ白な部屋の中にいた。


[織上大河。不幸にも貴方は亡くなりました。しかし安心なさい。幸運な事に貴方は勇者としては別の世界に転生することになるのです]


 この真っ白な部屋の主人らしき女性が大河に人生の終了と新たな生の開始を告げてくる。しかし目が覚めたら突然見知らぬ部屋にいたことで混乱中の大河の頭では到底受け入れられない話であった。

 そのため大河は目の前の女性に訊ねる。


「あ、あなたは?」

[私は女神。女神ウルザ。これから貴方の主神となる存在ね。ああ、夢では無いかと疑っているようだけれど、現実よ]

「今、心を」

[只人の心を読むなど造作もないことよ]

 

 目の前の女性が女神を名乗った事で夢かと疑っう大河。しかしその瞬間、女神に訂正される。

 そのため大河は本当に自分が死んだのではないかと思い記憶を遡り始める。すると彼の最後の記憶は信号無視をした車が自分に迫ってきている場面で途切れていた。


「……本当に死んだのか」

[だからそう言っているでしょう。でも安心なさい。貴方はこれから私の加護を得た勇者として転生するのだから。只人の取るに足らない生よりも何倍も価値のある生を謳歌することができるわ]


 自分の死を受け入れきれない大河に追い打ちを掛けるような言い草に表情が曇る大河を気にすることなく女神は話を続ける。


[勇者である貴方には既に何かしらの特殊なスキルが授けられている筈です]

「スキル?」

[ええ。ステータスと念じて御覧なさい]


 大河は女神の言葉にゲームの世界のようだなと思いつつ頭の中でステータスと念じてみる。すると頭の中に自分のステータスが表示された。


名前:織上大河 (オリガミタイガ)

種族:人族

クラス:勇者(女神ウルザ)

年齢:17歳

レベル:1

ユニークスキル

・自爆


 想像よりも簡素なステータスを確認する大河。色々とツッコミどころは存在するが一番はやはりスキルの欄である。女神が言う授かった特殊なスキルは『自爆』

 まだ自分の死すら受け入れられない自分にもう一度死んでみなさいという女神なりのブラックジョークかと思ってしまう。


「じ、自爆って…」

[『自爆』ですって!?]


 しかし大河が『自爆』を授かった事は女神も予想外であったようだ。大河が『自爆』を授かった事を知った女神の表情に蔑みが入る。


[貴方を連れて来るのにもコストは掛かっているというのに、よりにもよって『自爆』なんてゴミのようなスキルを引くなんて]

「ゴミって…このスキルどうにかできないのか!」


 急変した女神の様子に怯みながら大河は質問をする。流石に勇者に転生しますと言われて獲得したスキルが『自爆』では困る。

 しかしそんな大河に対して女神は冷酷に告げる。


[しないわよ。私に選ばれておいてそんなゴミスキルしか授かれなかった外れに使うポイントが勿体ないからね]

「ポイント? もったいない?」

[はぁ、もういいわ。貴方に時間を使うことこそ無駄だもの。織上大河、貴方は今から勇者として転生します。どうせすぐ死ぬだろうけど…人族の生存圏で『自爆』でもされたら迷惑だから魔族か魔獣の生存圏にランダムで転生させます]

「はぁ、お、おい!」

[ああ、うるさいうるさい。転生させる場所を定めるのにもポイントを使うのよ。感謝なさい]

「さっきからポイントだとか何なんだよ! 説明しろ!」


 自分が外れだと判明した瞬間、急激に話が嫌な方向に進んでいくため大河は焦りながら女神に抗議する。

 しかしそんな只人の疑問に答える義務など女神にはなかった。


[ふん。貴方が知らなくてもいいことよ。…まあ、もし『自爆』で魔族の1人でも巻き込めるようなら、次からは多少は優遇してあげる。爆撃機としてね。じゃあ、さようなら]

「ま、まっ―――」

 

 大河の制止の声など気にもせず女神が手を振る。すると大河は明るい光に包まれ白い部屋から消失するのであった。

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