入舸沙月の妖隠避録
*カクヨムコン8のライト文芸部門で読者選考を通過した作品です。
人には見えない"妖"が見える少女、入舸沙月。
周囲の妖達は、沙月の事を「入舸の妖絵描き」「入舸の百鬼夜行」と呼び慕っていた。
沙月の家は、代々"妖"と暮らし、"妖"と"人"の境を監視する「防人」という役目を担っている。
若い沙月は、表立った活動こそ無いものの、時々手伝いとして表に立ち、問題を起こす妖と対峙する日々を送っていた。
「どっちも大して変わらないってのにさぁ…」
人と妖の間に立つことが、彼女にとっての日常だった。
そこで積み上げられてきた常識が、成長するにつれて彼女を悩ませていく。
他の人と違うこと、普通を知らないこと…
"妖"が見えること、他の「防人」が持っていない、自身だけが持つ"禁忌"と呼ばれる力。
悩みが日に日に増えていくお年頃。
中学3年の冬休み、「防人」として迎えた新年の夜。
ふと見知った顔に声をかけられ、沙月は何時ものように人と妖の境を跨いでいく。
その先で起きた、他愛のない悪霊騒ぎ…それは、沙月を"妖"の世界へ誘う切欠に過ぎなかった…
人には見えない"妖"が見える少女、入舸沙月。
周囲の妖達は、沙月の事を「入舸の妖絵描き」「入舸の百鬼夜行」と呼び慕っていた。
沙月の家は、代々"妖"と暮らし、"妖"と"人"の境を監視する「防人」という役目を担っている。
若い沙月は、表立った活動こそ無いものの、時々手伝いとして表に立ち、問題を起こす妖と対峙する日々を送っていた。
「どっちも大して変わらないってのにさぁ…」
人と妖の間に立つことが、彼女にとっての日常だった。
そこで積み上げられてきた常識が、成長するにつれて彼女を悩ませていく。
他の人と違うこと、普通を知らないこと…
"妖"が見えること、他の「防人」が持っていない、自身だけが持つ"禁忌"と呼ばれる力。
悩みが日に日に増えていくお年頃。
中学3年の冬休み、「防人」として迎えた新年の夜。
ふと見知った顔に声をかけられ、沙月は何時ものように人と妖の境を跨いでいく。
その先で起きた、他愛のない悪霊騒ぎ…それは、沙月を"妖"の世界へ誘う切欠に過ぎなかった…
参章:消えた花火の行方
101.雨中の墓参りは、あの日の事を思い出して嫌になってくる。
2023/12/03 12:00
102.体の一部が吹き飛んでも、何も感じないのは異常だろうか。
2023/12/03 19:00
103.水を含んだ土の感触は、気持ち悪くて当然だろう。
2023/12/04 07:00
104.1度怖いと思ってしまったのなら、それを拭うのは難しい。
2023/12/04 08:00
105.雨に流れない証拠は、きっと何かの役に立つ。
2023/12/04 12:00
106.居るだけで、何もしないというのはちょっと気まずい。
2023/12/04 19:00
107.バレないだろうと思ってバレた時は、凄く恥ずかしくなってしまう。
2023/12/05 07:00
108.何も分からない時、事態を動かすのは何気ない一瞬だ。
2023/12/05 08:00
109.その瞬間を見てしまったのなら、それは暫く心の傷になる。
2023/12/05 12:00
110.1つ何かが分かれば、その倍以上分からないことが増える。
2023/12/05 19:00
111.一気に色々な事が起きすぎて、もう何が何だか分からない。
2023/12/06 07:00
112.目的が自分だというのなら、理由は何となく想像がつく。
2023/12/06 08:00
113.あの時、私は死ぬはずだったんだ。
2023/12/06 12:00
114.傷の痛みに慣れてしまえば、それが普通に思えてくる。
2023/12/06 19:00
115.ちょっとの間、私は人前に出られない。
2023/12/07 07:00
116.どんな大好物でも、味がしなくなると結構ヤバい状態なんだと思う。
2023/12/07 08:00
117.ペットに名前を付けるのとは、ワケが違うんだ。
2023/12/07 12:00
118.片腕だからと言って、舐めてかかってこられては困る。
2023/12/07 19:00
119.大人しくしている間に、研げるだけ爪を研いでおきたい。
2023/12/08 07:00
120.意図が読めない相手は、得体の知れない不気味さを感じる。
2023/12/08 08:00
121.何も出来ない時間が、もどかしくてしょうがない。
2023/12/08 12:00
122.暫くじっとしていなきゃダメなのに、状況がそれを許してくれない。
2023/12/08 19:00
123.普段の光景が、こんなに邪魔に感じるとは思わなかった。
2023/12/09 07:00
124.ちょっとの違和感が、何かに繋がっている。
2023/12/09 08:00
125.分かってしまえば、簡単な事なのにと言える。
2023/12/09 12:00
126.今の自分がどうなっているか、理解しておかないと痛い目に遭う。
2023/12/09 19:00
127.ちょこまかと動かれると、だんだん雑になってくる。
2023/12/10 07:00
128.水差し野郎が1人出ると、場は急激にしらけるものだ。
2023/12/10 08:00
129.想像通りと言えたが、状況は思った以上に酷いものだ。
2023/12/10 12:00
130.緊張が解けてしまえば、自分の異変を如実に感じ取れてしまう。
2023/12/10 19:00
131.何度体験しても、病院のベッドの上は苦手だ。
2023/12/11 07:00
132.自分が自分じゃない感覚、それが徐々に強くなっている気がする。
2023/12/11 08:00
133.引き際が潔いのは、結構なことだ。
2023/12/11 12:00
134.得意の手品を封じてしまえば、ただの雑魚の出来上がりって訳だ。
2023/12/11 19:00
135.想像すると、耐え難い光景が思い浮かぶものだ。
2023/12/12 07:00
136.あやふやな風景画の額縁には、血が滲んでいた。
2023/12/12 08:00
137.まさかそうなるだなんて、思ってもみなかった。
2023/12/12 12:00
138.暗がりの中が、こんなにも明るく感じるとは思わなかった。
2023/12/12 19:00
139.その姿は、昔のまま変わらなかった。
2023/12/13 07:00
140.正気を感じられるほど、怖さが増していく。
2023/12/13 08:00
141.無意識の行動が、私をこの世に押しとどめてくれた。
2023/12/13 12:00
142.追い詰められているはずなのに、何故か気分が良い。
2023/12/13 19:00
143.心地の良い気分だと、体が軽く感じる。
2023/12/14 07:00
144.この夜が、何時までも続けば良いと思った。
2023/12/14 08:00
145.管に繋がれて、生きながらえていただけらしい。
2023/12/14 12:00
幕間:その参
146.自由に動けないというのも、ストレスになる。
2023/12/14 19:00
147.1度戻ってしまえば、あとはトントン拍子に事が進む。
2023/12/15 07:00
148.普段暮らしている街が、こんなにも良い所だなんて思っていなかった。
2023/12/15 08:00
149.まだ元に戻れるとはいえ、そろそろ怖さが勝ってきた。
2023/12/15 12:00
150.ボーっとしている時ほど、危ない時は無い。
2023/12/15 19:00
肆章:過剰遊戯
151.これが後遺症…というものなのだろうか。
2023/12/16 07:00
152.治りつつあるものの、それは時折やってくる。
2023/12/16 08:00
153.段々と、周囲に悪影響を与えているという思いが強まってくる。
2023/12/16 12:00
154.突然の電話程、怖いものは無いと思う。
2023/12/16 19:00
155.人と妖の世界の境目は、思ったよりも近くにあるものだ。
2023/12/17 07:00
156.周囲が忙しくなる中で、手持ち無沙汰だと罪悪感が凄い。
2023/12/17 08:00
157.学校でまで、仕事はしたくないのだが…
2023/12/17 12:00
158.2人で出かけてるのに、デートな感じがしないのが不思議だ。
2023/12/17 19:00
159.心霊騒ぎというのは、いつの時代も盛り上がる話なのだろうか。
2023/12/18 07:00
160.疲れ切った体で、更に頭を動かせというのは無理な注文だ。
2023/12/18 08:00
161.殺気立っても仕方が無いが、そうなるのも仕方がないだろう。
2023/12/18 12:00
162.気持ちが落ち着かないのに、更にかき混ぜないで欲しい。
2023/12/18 19:00
163.境目が曖昧になってしまうのは、私の頑張りが足りないせいだと思う。
2023/12/19 07:00
164.打つ手が無い時は、逃げるに限る。
2023/12/19 08:00
165.煮え切らない気持ちが募る時は、体を動かして少しでも忘れたい。
2023/12/19 12:00
166.日曜午後の昼寝は、何故か損した気分になってしまう。
2023/12/19 19:00
167.あの約束を果たせる人が、どれほどいるのだろうか。
2023/12/20 07:00
168.押してダメなら引いてみろと良く言うが、やるには勇気が必要だ。
2023/12/20 08:00
169.注意しろと言った傍から、帰りが遅くなるのもどうだろうかと思う。
2023/12/20 12:00
170.不安だけ煽られるというのも、イライラしてくるものだ。
2023/12/20 19:00
171.火遊びが過ぎれば、少しは痛い目を見せても良いだろう。
2023/12/21 07:00
172.雑魚相手に、本気になるわけがないだろう。
2023/12/21 08:00
173.尻尾を撒いて逃げるのなら、追いかけるつもりは無い。
2023/12/21 12:00
174.慣れないことをした次の日は、大人しくするに限る。
2023/12/21 19:00
175.共に行動する日が多くなると、日に日に姿が大きく見えてくる。
2023/12/22 07:00
176.人と妖の間に立っていると思ったが、ここまで中途半端なのも初めてだ。
2023/12/22 08:00
177.極端にしか変われない今、私がどうありたいのか分からなくなってきた。
2023/12/22 12:00
178.結局間に居ようとするのは、私の中でまだ迷いがあるからだ。
2023/12/22 19:00
179.事情を知っている知り合いが近くに居れば、楽な仕事が更に楽になる。
2023/12/23 07:00
180.心地よさを知ってしまうと、この姿でいるのが苦痛に思えてくる。
2023/12/23 08:00
181.平和に終わる1日に、ちょっと物足りなさを感じてしまう自分がいる。
2023/12/23 12:00
182.こういう時の嫌な予感は、嫌という程よく当たる。
2023/12/23 19:00
183.これを何かの予兆だと思うか、ただの戯れだと思うかに悩む。
2023/12/24 07:00
184.何事もなく1日が終わるなら、それに越したことはない。
2023/12/24 08:00
185.普段と違うことをやると、変に意識してしまう。
2023/12/24 12:00
186.変な方向に振れていく時、それを抑えきれない自分がいる。
2023/12/24 19:00
187.おかしな状況で出会えば、誰だって覚えているものだ。
2023/12/25 07:00
188.こんなにも隠れたい気持ちになったのは、これが初めてだ。
2023/12/25 08:00
189.そんなつまらない理由で、この姿にされても困る。
2023/12/25 12:00
190.雑魚狩りも、たまには面白い。
2023/12/25 19:00
191.これ以上体が作り替わるのは、止して欲しい。
2023/12/26 07:00
192.まだ遊び足りないが、遊ぶ相手はもういない。
2023/12/26 08:00
193.自分でも何をしているか分からないが、楽しければそれでいいか。
2023/12/26 12:00
194.とりあえず、君がいてくれて助かった。
2023/12/26 19:00
195.皆まで言わなくとも、そんなことは分かってる。
2023/12/27 07:00
幕間:その肆
196.少しは出来た方が良いのは知っているが、向いていないんだと思う。
2023/12/27 08:00
197.こんなことをするから、誤解されるのだと思うけど…
2023/12/27 12:00
198.思い付きに従うというのも、良いかもしれない。
2023/12/27 19:00
199.着せ替え人形で遊んだ覚えは、そう言えば無い気がする。
2023/12/28 07:00
200.こういう時の過ごし方を、互いによく分かっていない。
2023/12/28 08:00