救急車
遠い意識の中で 祥くんがハンドルに もたれ掛かってる姿が......
あれ?なんで祥くん 寝てるんだろう?
また...意識が......遠くなって......
微かな記憶の中で誰かが祥くんを呼んでる......
「祥くん‼祥くん‼」
そして
何故か 私は 道路に 座っていました。手を見ると
血がベッタリ
あれ?なんで血がついてるの?
手探りで 頬や唇 目を触ると 唇が割れていました。
そうか 事故したんだな......こんなに血が出てるのに......ぜんぜん痛くない......なんでだろう?
ピーポーピーポー ピーポーピーポー ピーポー
救急車が止まった。
「俺が乗せる!」
誰かが 私を抱き抱えて 救急車に乗せてくれた......聞き覚えのある声 ハスキーな......
意識が消えた......
12月の真夜中 凍るような冷たい街に 救急車の
サイレンが響き渡る......ピーポーピーポー
気がついたら ベッドの上でした。
ここは......どこ......?
白衣を着た先生や看護師さんが慌ただしく動いてる......
そっか......病院なんだ......手のひらを見た......まだ血がついてる......ここは
病室じゃないんだ......
処置室のベッドの上でした。
処置室にいる間に 代わる代わる ハスキー声の男の子 お義母さん お義父さんが 心配して来てくれました。
「私は 大丈夫です。」
そう答えると 安心して
「よっよかった」
と言って 処置あを後に......
きっと 血のついた顔を見て ビックリしただろうな......だから安心させてあげたかった
ただ......母とは連絡が取れない らしく ぼやいていました......すみません......
しばらくするとカーテンが開き 先生が入ってきました。髪の毛はボサボサだったけど 優しそうな感じの先生でした。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫です。」
「痛くないですか?」
「ぜんぜん痛くないです。」
先生は 少し驚いた顔で
「血が たくさん ついてるから 拭きますね。」
そう言って 優しく拭いてくれました。
そして真剣な表情で
「右の目の上と、唇と首が切れてるから 縫いますが......」
「えー?!絶対縫わなきゃ いけないの?」
わがままを言うと
「そうだね。縫わないと 傷跡がひどい残り方するよ!女の子なんだから 顔に傷が残ると嫌でしょ。それに 麻酔するから ぜんぜん痛くないよ!」
先生が優しく なだめて くれたので 縫う事に...
その時 祥くんの叫ぶ声が......




